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第壱章 夢の中で語る者
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「真衣、どうしたの?ボーっとして。」
快い風に長く艶のある黒髪を煽られながら1人の女が問う。
まだ大人とも、子供とも言い難い歳頃である彼女は真新しい制服に身を包んでいる。
白とグレーを基調とし、学年によって色分けされている青のネクタイという単調な物だが、だからこそであろう。彼女がそれを身につけるだけで彼女の麗華さがより一層引き立てられるのだ。
そしてその麗華な彼女の意識は、清楚な彼女とは対称的な女に向けられている。
真衣と呼ばれたその女は、透き通るような茶色い髪を後頭部で括り空を見上げていた。
空を見上げるその瞳も、肌も、髪同様透けるように色が薄く、とても儚く見える。
だが、彼女のみりょくはそこではなく
「何でもないよ!」
そう言って見せる太陽のような眩しい笑顔だ。
一見儚い花のような印象の彼女だが、中身は運動神経抜群で天真爛漫な笑顔のたえない女である。
「そう、ならいいけど…」
黒髪の彼女ーー藍は呆れて言う。
「そんなにボーっとしてるとまた転ぶわよ。」
「イテッ!」
藍が言うと同時に真衣が蹴つまづいて転んだ。
「藍!もうそれ予言だから!やめて!」
「自分のせいでしょ…。」
呆れながらも手を貸してくれる優しい友人とのやり取りが、真衣にはとても幸せな時間であった。
「さ、そろそろ戻ろ?」
「うん!」
そして真衣と藍の学校生活が始まった。
快い風に長く艶のある黒髪を煽られながら1人の女が問う。
まだ大人とも、子供とも言い難い歳頃である彼女は真新しい制服に身を包んでいる。
白とグレーを基調とし、学年によって色分けされている青のネクタイという単調な物だが、だからこそであろう。彼女がそれを身につけるだけで彼女の麗華さがより一層引き立てられるのだ。
そしてその麗華な彼女の意識は、清楚な彼女とは対称的な女に向けられている。
真衣と呼ばれたその女は、透き通るような茶色い髪を後頭部で括り空を見上げていた。
空を見上げるその瞳も、肌も、髪同様透けるように色が薄く、とても儚く見える。
だが、彼女のみりょくはそこではなく
「何でもないよ!」
そう言って見せる太陽のような眩しい笑顔だ。
一見儚い花のような印象の彼女だが、中身は運動神経抜群で天真爛漫な笑顔のたえない女である。
「そう、ならいいけど…」
黒髪の彼女ーー藍は呆れて言う。
「そんなにボーっとしてるとまた転ぶわよ。」
「イテッ!」
藍が言うと同時に真衣が蹴つまづいて転んだ。
「藍!もうそれ予言だから!やめて!」
「自分のせいでしょ…。」
呆れながらも手を貸してくれる優しい友人とのやり取りが、真衣にはとても幸せな時間であった。
「さ、そろそろ戻ろ?」
「うん!」
そして真衣と藍の学校生活が始まった。
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