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第三章 建国の女神様
(33)闇との縁
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アルマは第三王子シオンとの謁見を終え、城の長い廊下を歩いていた。だが、いつもの自信に満ちた足取りは影を潜め、胸中ではシオンからの婚約提案という衝撃が渦巻いていた。彼の真剣な瞳や言葉に込められた熱意が頭の中で何度も繰り返され、アルマの呼吸さえ浅くなる。
彼女は冷静さを保とうとしたが、思考が感情に追いつかず、心をかき乱されるばかりだった。
やがて、カーライルと合流した。いつもなら、彼の無骨ながら頼りになる存在に安堵を覚えるはずだったが、今はその顔を直視することさえ難しかった。胸の中に広がる動揺と頬の熱を隠そうとする自分に、アルマはもどかしさを感じていた。
「どうだった?」
カーライルの何気ない問いが、鋭く心に突き刺さる。アルマは答えようとするが、言葉が見つからない。視線がさまよい、唇は開きかけては閉じる。
「う、うん…まぁ…その…」
絞り出した言葉は弱々しく、頼りない。自分の心が荒れ狂う一方で、口にする言葉の無力さがアルマをさらに追い詰めた。拳を握りしめ、どうにか伝えようとするが、絡まった思考が糸口を見つけられない。
カーライルは不思議そうに彼女を見つめたが、彼女の様子がいつもと違いすぎて、どう対応すべきか掴みかねているようだった。
突然、窓の外が眩い光で満たされた。カーライルは驚いて叫ぶ。「な…なんだ!?」
彼は窓際に駆け寄り、光の先に広がる異様な光景を見て息を呑んだ。空を突き破るように立ち上る二本の巨大な光の柱。ひとつは宿屋の方向、もうひとつは王都の北の角から立ち昇っている。柱は天と地を繋ぐ鎖のように果てしなく高く、見る者を圧倒する存在感を放っていた。
「…な、なに…?」
アルマも窓の外を見つめ、息を呑む。光の柱の神々しい輝きが美しい反面、得体の知れない不安が胸に忍び寄る。
柱が輝きを弱めると、低く垂れ込めた暗雲が空を覆い始めた。空気が冷たく鋭い気配に変わり、二人の肌を刺すような緊張が広がる。胸を満たす説明のつかない不安に、二人は目を見合わせた。
その時、カーライルの内ポケットが淡く光り始めた。彼は手をポケットに入れ、フィオラが作った魔具、ゴーストアラートを取り出す。それは微かな明滅を繰り返し、まるで意思を持つかのように脈動していた。
「どういうことだ…?」
カーライルはその光を見つめ、フィオラの説明を思い出す。「闇属性のモンスターが近づいたら光って知らせてくれる、めっちゃシンプルな魔具や」
その時は軽く聞き流していたフィオラの言葉が、今は異様な重みを持ってカーライルに迫ってきた。脈動する魔具の光に視線を固定しながら、胸の奥に広がる不安が次第に大きく膨れ上がっていく。
その時、不気味なざわめきと悲鳴が風に乗って遠くから押し寄せてきた。叫び声は徐々に大きくなり、まるで暗い波が街全体を覆い尽くそうとしているかのように耳に響く。その音が次第に不吉なささやきへと変わり、街の空気を重く押しつぶすように広がっていった。
カーライルとアルマは互いを見つめた。言葉は不要だった。二人の直感が同じ警告を発していた――「今すぐ動かなければならない」。その瞬間、二人は迷うことなく王城の外へと駆け出した。
王城を抜けた瞬間、二人の目に飛び込んできたのは、混乱と恐怖に支配された地獄絵図だった。街中はすでに恐慌状態に陥り、各所で崩壊が進んでいた。逃げ惑う人々の叫び声が夜空を裂き、絶望の色に染まった悲鳴が街全体に響き渡る。その背後では、無数のモンスターが混乱の中を走り回り、人々を追い立てていた。彼らの足音が地面に不規則に響き、まるで死霊が迫りくるかのような重苦しい空気が街に満ちていた。
地面には泥と血にまみれた亡者たちが這い回り、腐臭が漂う中、不気味に蠢いていた。剥き出しの骨が軋む音を立てながら動く骸骨兵たちが悠然と歩みを進め、その空洞の眼窩が冷たく光りながら二人を見下ろしている。骸骨兵の歩みに合わせて地面がわずかに揺れ、骨の軋む音が冷たい警鐘のように街全体に響いていた。
さらに、空中には青白い光を放つゴーストたちが漂い、冷たい風に乗りながら街を覆う霧のように浮遊していた。彼らの虚ろな眼差しは、不気味な微笑を浮かべているように見え、街の混乱に嘲笑を投げかけているかのようだった。ゴーストアラートの明滅が、これらの存在を察知していた理由を二人は今になって理解した。それは単なる警告ではなく、迫り来る災厄の確かな兆しだったのだ。
「まったく、俺たちはゴーストに縁があるようだな…」
カーライルは苦笑を浮かべつつ呟いた。その声には冷静さを装う響きがあったが、その裏には焦燥が隠れていた。しかしその表情は、腰へ無意識に伸ばした手が空を掴んだ瞬間に硬直する。
カーライルの記憶に鮮明に浮かび上がったのは、王城での謁見の際にフィオラに双剣を預けたままだという事実だった。彼の胸に焦りが走る。剣がない自分は不完全であり、この危機的状況におけるその自覚は、強い無力感となってのしかかった。だが、カーライルはその感情を深い呼吸で抑え込み、視線を鋭く巡らせた。
「仕方ない。やるしかないか…」
彼の声には、無力感を振り払う覚悟が込められていた。迫りくるモンスター、逃げ惑う人々、全てを一瞬で把握し、次に取るべき行動を思案する彼の目には恐れの色はなく、むしろ戦う意志が宿っていた。その立ち姿からは、災厄の前でも決して退かないという不屈の決意が滲み出ていた。
一方、アルマもまたローブの内ポケットから愛用の杖を引き抜いた。細い指が杖を握ると同時に、先端が淡い輝きを放ち始める。マナが杖を通じて流れ込み、力強い鼓動となって彼女の体を満たしていく。混乱の渦中にあっても、彼女の瞳には恐れはなく、この危機を乗り越えるという揺るぎない意志が輝いていた。
二人の視線が交わる。言葉は交わさなくても、次の行動は自然と決まった。その胸には、未だ安否のわからないフィオラへの不安が去来していた。彼女がこの混乱に巻き込まれているのではないかという思いが、二人を急かす。
「まずは宿屋に戻って、フィオラと合流しましょう!」
アルマの声には決意が宿り、その言葉がカーライルをも奮い立たせた。
カーライルは短く頷き、二人は街の中へと駆け出した。混沌とした街を突き進む彼らの足取りは迷いなく、胸に抱く覚悟と仲間を救う決意が、夜の闇を切り裂くように力強く響いていた。
彼女は冷静さを保とうとしたが、思考が感情に追いつかず、心をかき乱されるばかりだった。
やがて、カーライルと合流した。いつもなら、彼の無骨ながら頼りになる存在に安堵を覚えるはずだったが、今はその顔を直視することさえ難しかった。胸の中に広がる動揺と頬の熱を隠そうとする自分に、アルマはもどかしさを感じていた。
「どうだった?」
カーライルの何気ない問いが、鋭く心に突き刺さる。アルマは答えようとするが、言葉が見つからない。視線がさまよい、唇は開きかけては閉じる。
「う、うん…まぁ…その…」
絞り出した言葉は弱々しく、頼りない。自分の心が荒れ狂う一方で、口にする言葉の無力さがアルマをさらに追い詰めた。拳を握りしめ、どうにか伝えようとするが、絡まった思考が糸口を見つけられない。
カーライルは不思議そうに彼女を見つめたが、彼女の様子がいつもと違いすぎて、どう対応すべきか掴みかねているようだった。
突然、窓の外が眩い光で満たされた。カーライルは驚いて叫ぶ。「な…なんだ!?」
彼は窓際に駆け寄り、光の先に広がる異様な光景を見て息を呑んだ。空を突き破るように立ち上る二本の巨大な光の柱。ひとつは宿屋の方向、もうひとつは王都の北の角から立ち昇っている。柱は天と地を繋ぐ鎖のように果てしなく高く、見る者を圧倒する存在感を放っていた。
「…な、なに…?」
アルマも窓の外を見つめ、息を呑む。光の柱の神々しい輝きが美しい反面、得体の知れない不安が胸に忍び寄る。
柱が輝きを弱めると、低く垂れ込めた暗雲が空を覆い始めた。空気が冷たく鋭い気配に変わり、二人の肌を刺すような緊張が広がる。胸を満たす説明のつかない不安に、二人は目を見合わせた。
その時、カーライルの内ポケットが淡く光り始めた。彼は手をポケットに入れ、フィオラが作った魔具、ゴーストアラートを取り出す。それは微かな明滅を繰り返し、まるで意思を持つかのように脈動していた。
「どういうことだ…?」
カーライルはその光を見つめ、フィオラの説明を思い出す。「闇属性のモンスターが近づいたら光って知らせてくれる、めっちゃシンプルな魔具や」
その時は軽く聞き流していたフィオラの言葉が、今は異様な重みを持ってカーライルに迫ってきた。脈動する魔具の光に視線を固定しながら、胸の奥に広がる不安が次第に大きく膨れ上がっていく。
その時、不気味なざわめきと悲鳴が風に乗って遠くから押し寄せてきた。叫び声は徐々に大きくなり、まるで暗い波が街全体を覆い尽くそうとしているかのように耳に響く。その音が次第に不吉なささやきへと変わり、街の空気を重く押しつぶすように広がっていった。
カーライルとアルマは互いを見つめた。言葉は不要だった。二人の直感が同じ警告を発していた――「今すぐ動かなければならない」。その瞬間、二人は迷うことなく王城の外へと駆け出した。
王城を抜けた瞬間、二人の目に飛び込んできたのは、混乱と恐怖に支配された地獄絵図だった。街中はすでに恐慌状態に陥り、各所で崩壊が進んでいた。逃げ惑う人々の叫び声が夜空を裂き、絶望の色に染まった悲鳴が街全体に響き渡る。その背後では、無数のモンスターが混乱の中を走り回り、人々を追い立てていた。彼らの足音が地面に不規則に響き、まるで死霊が迫りくるかのような重苦しい空気が街に満ちていた。
地面には泥と血にまみれた亡者たちが這い回り、腐臭が漂う中、不気味に蠢いていた。剥き出しの骨が軋む音を立てながら動く骸骨兵たちが悠然と歩みを進め、その空洞の眼窩が冷たく光りながら二人を見下ろしている。骸骨兵の歩みに合わせて地面がわずかに揺れ、骨の軋む音が冷たい警鐘のように街全体に響いていた。
さらに、空中には青白い光を放つゴーストたちが漂い、冷たい風に乗りながら街を覆う霧のように浮遊していた。彼らの虚ろな眼差しは、不気味な微笑を浮かべているように見え、街の混乱に嘲笑を投げかけているかのようだった。ゴーストアラートの明滅が、これらの存在を察知していた理由を二人は今になって理解した。それは単なる警告ではなく、迫り来る災厄の確かな兆しだったのだ。
「まったく、俺たちはゴーストに縁があるようだな…」
カーライルは苦笑を浮かべつつ呟いた。その声には冷静さを装う響きがあったが、その裏には焦燥が隠れていた。しかしその表情は、腰へ無意識に伸ばした手が空を掴んだ瞬間に硬直する。
カーライルの記憶に鮮明に浮かび上がったのは、王城での謁見の際にフィオラに双剣を預けたままだという事実だった。彼の胸に焦りが走る。剣がない自分は不完全であり、この危機的状況におけるその自覚は、強い無力感となってのしかかった。だが、カーライルはその感情を深い呼吸で抑え込み、視線を鋭く巡らせた。
「仕方ない。やるしかないか…」
彼の声には、無力感を振り払う覚悟が込められていた。迫りくるモンスター、逃げ惑う人々、全てを一瞬で把握し、次に取るべき行動を思案する彼の目には恐れの色はなく、むしろ戦う意志が宿っていた。その立ち姿からは、災厄の前でも決して退かないという不屈の決意が滲み出ていた。
一方、アルマもまたローブの内ポケットから愛用の杖を引き抜いた。細い指が杖を握ると同時に、先端が淡い輝きを放ち始める。マナが杖を通じて流れ込み、力強い鼓動となって彼女の体を満たしていく。混乱の渦中にあっても、彼女の瞳には恐れはなく、この危機を乗り越えるという揺るぎない意志が輝いていた。
二人の視線が交わる。言葉は交わさなくても、次の行動は自然と決まった。その胸には、未だ安否のわからないフィオラへの不安が去来していた。彼女がこの混乱に巻き込まれているのではないかという思いが、二人を急かす。
「まずは宿屋に戻って、フィオラと合流しましょう!」
アルマの声には決意が宿り、その言葉がカーライルをも奮い立たせた。
カーライルは短く頷き、二人は街の中へと駆け出した。混沌とした街を突き進む彼らの足取りは迷いなく、胸に抱く覚悟と仲間を救う決意が、夜の闇を切り裂くように力強く響いていた。
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