78 / 116
竜についての生物学的考察
しおりを挟む
乗合馬車はときおり休憩を兼ねて駅で停車し、そこで馬を交代させた。駅の隣には大きな牧場で何頭もの馬がくつろぎながら次の出番を待っている。駅とはいっても、元の世界の電車の駅というよりは、道の駅とか高速道路のサービスエリアといったイメージに近い。道をはさんだ反対側にはたくさんの商店が並んでいる。
卓人たちは昼食に中にチーズと卵を入れて焼いた舟型のパンを食べた。
「おお、これはすごいにゃん!」
とある土産物屋の前に三メートルほどの爬虫類の骨格標本が置かれていた。その珍しさに多くの客がわんさと集まっていた。とくに子供たちは大喜びだ。
「本物の竜だからね。触っちゃだめだよ」
なんと竜の骨格標本である。
「一年ほど前かな? 南の山で死んでいる子供の竜を見つけたんだ。痩せてたから、うまく食糧を捕まえられないで飢えちまったんじゃないかな」
店のお兄さんに聞くといろいろ教えてくれた。
森の中で見つけたときはすでに肉が腐り始めていたのでしばらく放置したが、放置しすぎると動物が漁って骨がばらばらになるので、適当なところで肉をそいで土に埋めたという。
ちょうど暑い時季だったので、冬になる前にはきれいな骨だけになっていた。あとは骨の並びが狂わないように慎重に針金などでつなげ、こちらに運んで洗って組み立てたのだという。
当然自立しないので、近くの木から針金で吊るし、さらに支え棒で固定することで躍動感を出している。その迫力は三メートルとはいえなかなかのものだ。
「成竜になれば、二〇メートルにはなるのもいるからね。長生きしたやつなら百メートルにもなるらしい。俺も見たことないけど」
竜がこの世界には実在するのだということを改めて認識した。
頭蓋骨は馬のものによく似ているが、奥歯が臼歯ではなく、鋭利な牙になっている。頸椎をなす骨の数は、多くの爬虫類がそうであるように八本のようである。
全体的には恐竜の骨格と同じだと思った。ただ特徴的なのが頸椎から下にある肩甲骨が二対あることだった。頸椎のすぐ下の一対の肩甲骨は胸部に向かって伸びてそのまま腕がつながっている。もう一対の肩甲骨そこからいくつかの小さな背骨を挟んだ位置にあり、これは背中から飛び出すように突き出ていて翼の骨格へとつながる。
進化論的に鳥類の翼は、哺乳類でいうところの腕と同じ部分といえる。つまり、腕が四本と脚が二本あるようなものだと骨格標本から理解することができた。これは脊椎動物の腕二本、足二本という定義から外れてしまうわけだが、遺伝子的に腕の部分が繰り返して形成されていると考えることもできた。
「…………」
卓人はいつしか左手をあごにそえてじっくりと考え込んでいた。こういうときの彼はなぜか女性を惹きつけてしまうらしい。行き交う女性は骨格標本よりも卓人のほうに目が行くようになっていた。
「お兄さん、ちょっと私たちと一緒にこない?」
三人組の妙齢の女性たちが声をかけてきた。
「?」
色目を使う彼女らの目的が、卓人にはわかっていなかった。
「お兄ちゃん! 馬車出るわよ!」
そこへエミリがやってきて、強引に連れ去って行った。馬車の中でヤノから説教を受けた。
「お前、危なかったにゃん」
「?」
「でも、うらやましいにゃん……」
エミリもしばらくご機嫌斜めだったが、竜の骨格を見たという体験は卓人の好奇心を大きく刺激した。
乗合馬車に揺られて三日目。
昨日、一昨日と朝から夜まで馬車に揺られ続けたが、おかげというか、今日は昼過ぎに目的地に到着できた。これなら宿を探す時間も十分にある。
馬車はこれまで街の脇を通る道を走っていたが、道は家々に挟まれるようになってきた。行き交う馬車の数も増え、行く先には大きな都市が見えてきた。
「ティフリスだにゃん!」
道は石灰の舗装から、レンガを敷き詰めたものへと変わる。石造りの建物はたいていが三~五階建てで、その隙間を美しく樹木が埋めている。建物の前には多くの露店が並んで賑わっている。
車道と歩道を、段差をつけて区切っているのは都会的な印象を与える。人混みの密度は、初めてこの異世界にきたときにエミリと訪れた街と同じくらいだが、それが果てしなく続くかのようにさえ見え、規模が全く違うことを認識させられる。首都と呼ぶにふさわしい、人の多さと街の大きさ、そして洗練された美しさをもっていた。
卓人はじっくりと街の様子を見ていた。
ここで仕事を探さなければならない。絵の練習はしてきたが、雇ってもらえる確証はない。金になるなら少々肉体的にきつくてもやらなければならないだろう。
道路に関する仕事はいい給料になりそうだ。馬車があれだけ何度も通るなら、馬車の自由な往来を阻害することになる轍がすぐにできるはずだ。道が常にきれいだということは、その補修工事も頻繁に行われているということだろう。給料も結構いいのではないだろうか。
同様に馬車のメンテナンスも需要があるに違いない。とくに車輪は消耗が激しいと思われる。くる途中の駅で、木製の車輪を交換する馬車を見かけた。
建築業に関してはどうだろうか。石造りの建物はどれも古いが、人々はそれを気にすることなく使っている。どこかで建て替えをしている風景を見ることもない。元の世界でも、ヨーロッパでは築三百年以上の家にふつうに住んでいるというから、古いものを大切に生活しているのだろう。建築関係の仕事は少ないかもしれない。
「あれは、武器屋かな?」
看板に剣をあしらった店を見つけた。
「武器なんて一般人に売ってたら、あちこちで犯罪が起こるにゃん。あれは鍛冶屋にゃん」
竜みたいなファンタジーな要素がいくつか出てきたおかげでゲームの世界と混同してしまったようだ。
「こんな街中|《まちなか》の鍛冶屋なら、包丁とか小さな家具を専門としているにゃん。農具とか大きな家具とかを扱うのはたいてい街外れにあるにゃん。軍人が使う武器をつくるのは、軍の中にあるにゃん」
勝手なイメージだが、鍛冶屋というと錬金術と関係あるような気がする。錬金術といえば、化学の前身ともいうべき技術である。そういった仕事もできるなら、鍛冶屋もやってみたい。
「あの、白いレンガみたいなの積み重ねてるの何?」
何やら工房らしき建物では軒先でおじさんたちが、レンガというには小さい手のひらサイズの白い直方体を手が届く限り塔のようにして積み重ねていた。
「あれは、石鹸の工房かにゃん?」
なるほど、風通しのよい軒先で切った石鹸を乾燥、熟成させているわけか。この世界でも、油に草木灰の上澄みを混ぜることで石鹸がつくられ、普及している。こういう仕事も面白いかもしれない。
「都会っていろんなお仕事があるんだね。楽しそう」
エミリが卓人の視線の理由にうっすら気づいてしまっていた。
「おほほほほ。タ、タクトはいい奴なのにゃん。俺に合った仕事を探してくれてたのにゃん!」
「あははははは。め、珍しい仕事もあるんだな……」
軍を除籍されてしまったことはまだ言えない。
卓人たちは昼食に中にチーズと卵を入れて焼いた舟型のパンを食べた。
「おお、これはすごいにゃん!」
とある土産物屋の前に三メートルほどの爬虫類の骨格標本が置かれていた。その珍しさに多くの客がわんさと集まっていた。とくに子供たちは大喜びだ。
「本物の竜だからね。触っちゃだめだよ」
なんと竜の骨格標本である。
「一年ほど前かな? 南の山で死んでいる子供の竜を見つけたんだ。痩せてたから、うまく食糧を捕まえられないで飢えちまったんじゃないかな」
店のお兄さんに聞くといろいろ教えてくれた。
森の中で見つけたときはすでに肉が腐り始めていたのでしばらく放置したが、放置しすぎると動物が漁って骨がばらばらになるので、適当なところで肉をそいで土に埋めたという。
ちょうど暑い時季だったので、冬になる前にはきれいな骨だけになっていた。あとは骨の並びが狂わないように慎重に針金などでつなげ、こちらに運んで洗って組み立てたのだという。
当然自立しないので、近くの木から針金で吊るし、さらに支え棒で固定することで躍動感を出している。その迫力は三メートルとはいえなかなかのものだ。
「成竜になれば、二〇メートルにはなるのもいるからね。長生きしたやつなら百メートルにもなるらしい。俺も見たことないけど」
竜がこの世界には実在するのだということを改めて認識した。
頭蓋骨は馬のものによく似ているが、奥歯が臼歯ではなく、鋭利な牙になっている。頸椎をなす骨の数は、多くの爬虫類がそうであるように八本のようである。
全体的には恐竜の骨格と同じだと思った。ただ特徴的なのが頸椎から下にある肩甲骨が二対あることだった。頸椎のすぐ下の一対の肩甲骨は胸部に向かって伸びてそのまま腕がつながっている。もう一対の肩甲骨そこからいくつかの小さな背骨を挟んだ位置にあり、これは背中から飛び出すように突き出ていて翼の骨格へとつながる。
進化論的に鳥類の翼は、哺乳類でいうところの腕と同じ部分といえる。つまり、腕が四本と脚が二本あるようなものだと骨格標本から理解することができた。これは脊椎動物の腕二本、足二本という定義から外れてしまうわけだが、遺伝子的に腕の部分が繰り返して形成されていると考えることもできた。
「…………」
卓人はいつしか左手をあごにそえてじっくりと考え込んでいた。こういうときの彼はなぜか女性を惹きつけてしまうらしい。行き交う女性は骨格標本よりも卓人のほうに目が行くようになっていた。
「お兄さん、ちょっと私たちと一緒にこない?」
三人組の妙齢の女性たちが声をかけてきた。
「?」
色目を使う彼女らの目的が、卓人にはわかっていなかった。
「お兄ちゃん! 馬車出るわよ!」
そこへエミリがやってきて、強引に連れ去って行った。馬車の中でヤノから説教を受けた。
「お前、危なかったにゃん」
「?」
「でも、うらやましいにゃん……」
エミリもしばらくご機嫌斜めだったが、竜の骨格を見たという体験は卓人の好奇心を大きく刺激した。
乗合馬車に揺られて三日目。
昨日、一昨日と朝から夜まで馬車に揺られ続けたが、おかげというか、今日は昼過ぎに目的地に到着できた。これなら宿を探す時間も十分にある。
馬車はこれまで街の脇を通る道を走っていたが、道は家々に挟まれるようになってきた。行き交う馬車の数も増え、行く先には大きな都市が見えてきた。
「ティフリスだにゃん!」
道は石灰の舗装から、レンガを敷き詰めたものへと変わる。石造りの建物はたいていが三~五階建てで、その隙間を美しく樹木が埋めている。建物の前には多くの露店が並んで賑わっている。
車道と歩道を、段差をつけて区切っているのは都会的な印象を与える。人混みの密度は、初めてこの異世界にきたときにエミリと訪れた街と同じくらいだが、それが果てしなく続くかのようにさえ見え、規模が全く違うことを認識させられる。首都と呼ぶにふさわしい、人の多さと街の大きさ、そして洗練された美しさをもっていた。
卓人はじっくりと街の様子を見ていた。
ここで仕事を探さなければならない。絵の練習はしてきたが、雇ってもらえる確証はない。金になるなら少々肉体的にきつくてもやらなければならないだろう。
道路に関する仕事はいい給料になりそうだ。馬車があれだけ何度も通るなら、馬車の自由な往来を阻害することになる轍がすぐにできるはずだ。道が常にきれいだということは、その補修工事も頻繁に行われているということだろう。給料も結構いいのではないだろうか。
同様に馬車のメンテナンスも需要があるに違いない。とくに車輪は消耗が激しいと思われる。くる途中の駅で、木製の車輪を交換する馬車を見かけた。
建築業に関してはどうだろうか。石造りの建物はどれも古いが、人々はそれを気にすることなく使っている。どこかで建て替えをしている風景を見ることもない。元の世界でも、ヨーロッパでは築三百年以上の家にふつうに住んでいるというから、古いものを大切に生活しているのだろう。建築関係の仕事は少ないかもしれない。
「あれは、武器屋かな?」
看板に剣をあしらった店を見つけた。
「武器なんて一般人に売ってたら、あちこちで犯罪が起こるにゃん。あれは鍛冶屋にゃん」
竜みたいなファンタジーな要素がいくつか出てきたおかげでゲームの世界と混同してしまったようだ。
「こんな街中|《まちなか》の鍛冶屋なら、包丁とか小さな家具を専門としているにゃん。農具とか大きな家具とかを扱うのはたいてい街外れにあるにゃん。軍人が使う武器をつくるのは、軍の中にあるにゃん」
勝手なイメージだが、鍛冶屋というと錬金術と関係あるような気がする。錬金術といえば、化学の前身ともいうべき技術である。そういった仕事もできるなら、鍛冶屋もやってみたい。
「あの、白いレンガみたいなの積み重ねてるの何?」
何やら工房らしき建物では軒先でおじさんたちが、レンガというには小さい手のひらサイズの白い直方体を手が届く限り塔のようにして積み重ねていた。
「あれは、石鹸の工房かにゃん?」
なるほど、風通しのよい軒先で切った石鹸を乾燥、熟成させているわけか。この世界でも、油に草木灰の上澄みを混ぜることで石鹸がつくられ、普及している。こういう仕事も面白いかもしれない。
「都会っていろんなお仕事があるんだね。楽しそう」
エミリが卓人の視線の理由にうっすら気づいてしまっていた。
「おほほほほ。タ、タクトはいい奴なのにゃん。俺に合った仕事を探してくれてたのにゃん!」
「あははははは。め、珍しい仕事もあるんだな……」
軍を除籍されてしまったことはまだ言えない。
70
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる