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魔族救出作戦②
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「囚われてる魔族を一気に助け出さないと、魔族が逃げ出したって噂がたって警備が厳重になるからな。この一晩で勝負する。」
モルガーンが話を続ける。ベッドから体を起こして亜月が聞く体勢に入ると、ライヤードが「冷えるから」と言って毛布をかけてくれた。
「本来なら救出作戦は魔王軍に任せるんだけど、1人だけ傷一つ負わせずに助け出さないといけなくてね。」
「それが俺の大切な番いってことだよ。」
「そうなんだ。」
「くそ人間どもめ。俺の大事な番いを盗んで行きやがった。俺が国境付近の人間との小競り合いに駆り出されてるうちにな。大事な番いを盗まれた俺が一番悪いんだが、俺を派遣したライヤードも同罪だ。ってことで、しばらく旦那を借りてくぜ、アヅキ。」
「勝手に名前を呼ぶな。」
ライヤードがモルガーンの頭を叩く。
「だ、旦那じゃないです!!」
亜月は慌てて否定するが、モルガーンは「あぁ、はいはい。」と言ってまともに話を聞いてくれなかった。
「とりあえずそこら辺の話は俺が帰ってからな。ほら、行くぞライヤード。」
「…イヤだ。アヅキが僕に甘えてくれるなんて初めてだ。僕はこの機会を逃したくない。これを機にいっきにアヅキと親密になりたい。イチャイチャしたい。だから1人で行けモルガーン。そもそも俺がいなくたって十分だろ。」
「ふざけんなよ、馬鹿魔王!確かに俺だけでも十分だが、あいつに傷一つ負わせたくない。そのためにお前が必要だって言っただろ!さっさと来い!」
「いーやーだー!」
「こんの!!!」
「何を夜中に騒いでおるんじゃ、ガキども!」
2人でギャーギャー言い合っていると、メルリダが部屋に飛び込んできた。ナイトキャップにフリフリのナイトドレスを着ていて大変可愛らしい。
「お前ら、今日は作戦に参加するはずであろう!どうしてこんなところで油を売っている!さっさとミィを助け出してこんか!」
「ミィ?」
「俺の番いの名前だ。」
お互いの胸元を掴んで殴り合いを始めそうになっていたライヤードともるがーんがピタリと動きを止める。
「お前らがくだらん喧嘩をしている間にミィは泣いておるかもしれんのだぞ?あぁ、可哀想に!」
「っ!先に行く!」
「あ!」
メルリダの言葉を聞いたモルガーンは舌打ちをして背中から真っ黒な羽を出すと、窓から飛び出していった。
「まぁ、仕方ないか。番いを連れ去られて、あいつ気が狂いそうになってたしね。」
「ライヤードさん。」
服装を整えたライヤードも背中から羽を出す。
「きをつけてね、ライヤードさん。」
きっとライヤードも後を追うのだろう。亜月はライヤードの無事を祈る。
「…アヅキも一緒に行こうか。」
「へ?あ、ちょっ!えーーーーー!」
気づけばライヤードに横抱きにされて夜空の中。遠くに見える魔王城の窓から「馬鹿ものがーーーーー!」と叫ぶとメルリダさんの声が聞こえてきたのだった。
モルガーンが話を続ける。ベッドから体を起こして亜月が聞く体勢に入ると、ライヤードが「冷えるから」と言って毛布をかけてくれた。
「本来なら救出作戦は魔王軍に任せるんだけど、1人だけ傷一つ負わせずに助け出さないといけなくてね。」
「それが俺の大切な番いってことだよ。」
「そうなんだ。」
「くそ人間どもめ。俺の大事な番いを盗んで行きやがった。俺が国境付近の人間との小競り合いに駆り出されてるうちにな。大事な番いを盗まれた俺が一番悪いんだが、俺を派遣したライヤードも同罪だ。ってことで、しばらく旦那を借りてくぜ、アヅキ。」
「勝手に名前を呼ぶな。」
ライヤードがモルガーンの頭を叩く。
「だ、旦那じゃないです!!」
亜月は慌てて否定するが、モルガーンは「あぁ、はいはい。」と言ってまともに話を聞いてくれなかった。
「とりあえずそこら辺の話は俺が帰ってからな。ほら、行くぞライヤード。」
「…イヤだ。アヅキが僕に甘えてくれるなんて初めてだ。僕はこの機会を逃したくない。これを機にいっきにアヅキと親密になりたい。イチャイチャしたい。だから1人で行けモルガーン。そもそも俺がいなくたって十分だろ。」
「ふざけんなよ、馬鹿魔王!確かに俺だけでも十分だが、あいつに傷一つ負わせたくない。そのためにお前が必要だって言っただろ!さっさと来い!」
「いーやーだー!」
「こんの!!!」
「何を夜中に騒いでおるんじゃ、ガキども!」
2人でギャーギャー言い合っていると、メルリダが部屋に飛び込んできた。ナイトキャップにフリフリのナイトドレスを着ていて大変可愛らしい。
「お前ら、今日は作戦に参加するはずであろう!どうしてこんなところで油を売っている!さっさとミィを助け出してこんか!」
「ミィ?」
「俺の番いの名前だ。」
お互いの胸元を掴んで殴り合いを始めそうになっていたライヤードともるがーんがピタリと動きを止める。
「お前らがくだらん喧嘩をしている間にミィは泣いておるかもしれんのだぞ?あぁ、可哀想に!」
「っ!先に行く!」
「あ!」
メルリダの言葉を聞いたモルガーンは舌打ちをして背中から真っ黒な羽を出すと、窓から飛び出していった。
「まぁ、仕方ないか。番いを連れ去られて、あいつ気が狂いそうになってたしね。」
「ライヤードさん。」
服装を整えたライヤードも背中から羽を出す。
「きをつけてね、ライヤードさん。」
きっとライヤードも後を追うのだろう。亜月はライヤードの無事を祈る。
「…アヅキも一緒に行こうか。」
「へ?あ、ちょっ!えーーーーー!」
気づけばライヤードに横抱きにされて夜空の中。遠くに見える魔王城の窓から「馬鹿ものがーーーーー!」と叫ぶとメルリダさんの声が聞こえてきたのだった。
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