私の幼馴染の方がすごいんですが…。〜虐められた私を溺愛する3人の復讐劇〜

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復讐編②

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復讐編②

メルギーside

「全く。骨のない奴らばっかりだな。」

 呆れたようにため息をつく。地面にはゼェゼェと荒い息を吐く騎士たちが膝をついて悔しそうな表情を浮かべている。毎日恒例の模擬戦。自分はまだ学生の身ではあるが、将来国王となるロベルトの側近になることが決定している。そのため、城の騎士団によって行われている模擬戦に参加することを許可されていた。

 現在、騎士団の中に自分に敵うような人間は少ないと自負している。幼い頃から参加していたことと、生来の抜群の戦闘センスから、騎士団の副団長クラスより上の人間でないとメルギーと互角にやりあえるものはいない。いつもいつも副団長クラスに相手をしてもらう訳にもいかないので、自分よりも弱い相手と戦っているが、本当に弱い。動きも鈍いし、武器の使い方もなっていない。

「ロベルトが国王になったら、騎士団も大改革しないとな…。」

 手に持っていた剣を鞘へと戻して、額にうっすらと浮かんだ汗を拭う。

 自分は将来的に騎士団を率いていくような存在だ。年齢を理由にまだまだ未熟だと言ってくるものもいるが、そういう奴らは力でねじ伏せてやった。力無きものは、発言することさえ許されない。自分が身を置くのはそういう世界だ。そして自分は発言が許される立場なのだ。

「騎士だというのに情けない。もう少し鍛えるなりなんなりできないのか?これだから、口だけの無能は困る。俺が騎士団長になったあかつきには、弱い奴らは全員退団してもらう。覚悟しておけよ。」

「くそ、貴族の若造風情が!」

「その貴族の若造風情にやられているのは誰だ?…あぁ、確かお前は庶民の出だったな。身分の低いものは流石、口も悪いと見える。」

「貴様ぁ!」

「やめろ、メルギー。口が過ぎるぞ。」

「…失礼いたしました。」

 騎士との間に入ってきたのは、現在騎士団長を務めているライアンだった。この男も庶民の出であり、叩き上げで騎士団長まで上り詰めたと聞く。先程の庶民の男と同様気に入らない。なんでも、庶民を優遇しているという話も聞こえてくる。

(たかが庶民が貴族の俺に偉そうな口を!)

「この騎士が実力もなしに偉そうな口を叩くので少し指導をしていたところでした。…どうも最近の騎士の中には質の悪いものもいるようですね。」

「何が言いたい、メルギー?」

「…ただの庶民風情が私を呼び捨てにするな!下町のドブネズミが!」

 騎士団長の口ぶりにカッとなり、思わず怒鳴りつけてしまう。

「騎士団長だからといって図に乗るな。その席はいずれ私がもらうことになっている。学校を卒業してある程度実践をつめば、私に敵うものなどいないのだから!事実、既に今の騎士団の中で私に勝てるものが何人いる?お前と副団長くらいではないか!随分と腑抜けた騎士団になったものだ。そんな体たらくでこの国を守れると思っているのか?」

「…。」

 ライアンは何も言わずにただメルギーを見つめている。無精髭を生やした無骨な男。強さと優しさを兼ね備え、下町からの人気も根強いと噂されている。

「いいか、騎士団に下町人気など必要ない!なぜなら騎士団が守るべきはこの国の宝である貴族だからだ!庶民などという掃いて捨てるほどもいるゴミなどどうでもいいんだよ!」

「それが民を守るべき貴族の台詞か!」

 ライアンが悔しげに睨みつけてくるが、鼻で笑って一蹴する。

「民?この国の民は麗しき貴族だ。庶民など搾取され、貴族を支える家畜にすぎん。」

 「貴様ぁ!!!」

 メルギーの言葉に耐えられなくなったのか、自分に打ち据えられた騎士の1人が剣を抜いて切り掛かってくる。本来であれば易々と避けられる攻撃だが、今回はあえて受けることにする。ライアンが止めようとするが一歩遅かった。

「っ!」

 剣の切っ先が頬を擦り、一筋の血が流れる。指でその真っ赤な液体を拭うと、メルギーはニヤリと笑った。

「騎士団で私闘は禁じられている。そして、私は将来の国王であるロベルト様の側近であり、貴族だ。そんな私に怪我をさせたな?貴様、どう責任を取るつもりだ?」

「っあ!」

 怒りで我を忘れていたらしい騎士の男の顔がサッと青くなる。思い通りの展開になって、メルギーは心の内でほくそ笑む。

「まさか、自分の命だけで済むとは思っていないな?貴様の家族、親や嫁、子供がいるならそいつらも全員同罪だ。男は全員死刑、女は娼館にでも売り飛ばすか?」

「ど、どうかお許しを!」

 騎士の男が震えながら土下座するも、メルギーに許すつもりはない。これはチャンスだ。

「…どうかそれほどになさってください、メルギー様。」

 ライアンが進み出てきて、メルギーに頭を下げる。メルギーは心中で笑いが止まらなくなった。

「許されるはずかない!この国の宝である貴族を傷つけるとは万死に値する!それとも、貴様が責任をとるか、ライアン?」

「…何がお望みですか?」

「分かっているであろう?」

 ニヤニヤと笑うメルギーを見て、ライアンは静かに目を伏せ「俺の退団か…。」と呟く。

「俺が騎士団からいなくなれば、今回のことは手打ちにしてくれるということですね?」

「いいだろう。貴様が騎士団長を退くことが条件だ。早い方がいい。今すぐ私が王に掛け合ってやろう。」

(やった!やったぞ!)

 やっと気に入らないドブネズミを消すことができる。この男のせいで、これまで箔をつけるために入団していた貴族の子息たちが入団しづらくなっていたのだ。「ただ貴族というだけで騎士になれるのはおかしい。庶民でも必死に努力して国を守ろうと誓っているものはいくらでもいる」などと王に進言したせいだ。


「さぁ、いくぞ。お前などこの騎士団にふさわしくっぶぅあ!!」


 突然、自分の頬にとんでもない衝撃が走る。身体が宙に浮き、後頭部から地面に叩きつけられた。凄まじい痛みに動くこともできない。

「なーにをやってるんですか?騎士団長ともあろう男が。こんな小物にへこへこと。私の好敵手なんですから、そんなみっともないことしないでくださいよ。うわっ、小物の血が手についたじゃないですか!ライアン、服借りますよ。」

「…やめろ、俺の服で血を拭うな。そしてどうしてお前がここにいる、シーロン。」

「王に呼び出されましてね。あ、この国の愚王ではなく、私の本当の王のことですので勘違いしないでくださいね!」

「うぐぅ!き、貴様ぁ!!誰に手を出したかわがっで、ぎぃあ!!!」

「まだ喋れたんですか?ちょっと手加減しすぎましたかね?よいしょよいしょ!」

「うべっ、うぎゃ!やめ!やべろぉ!!ひぎぃ!」

 目が細く、黒髪を一つに束ねて長くしている男。身長はそんなに大きくないはずなのに、その拳は今まで受けたことがないほどに硬く、重い。シーロンと呼ばれた男は地面に仰向けになっている自分に馬乗りになって、何度も顔面に拳を振るってきた。

「ぎ、ぎざまぁ!俺がだれがわかって!ふぶぅ!」

 めしゃと鼻が潰れた音がする。ダメだ、これ以上攻撃を受けたら顔がめちゃくちゃになる。

「や、やめろ、いや、やめで!やめでくだざい!」

 あまりの痛みに涙をこぼしながら懇願すると、ピタリと男の動きが止まり、ピョンと自分の上から退いた。

「やっと年長者への口の聞き方を思い出しましたか。うん、素晴らしい。人間ってのは忘れっぽい生きものなんですね。」

「そんなことはないと思うが…。」

 細目の男はライアンの服でその手を拭き続けている。ライアンは諦めているのか、その行動に関しては何も言わない。
 やっと攻撃が止み、よろよろと立ち上がったメルギーはキッとライアンを睨みつける。

「その男、貴様の知り合いらしいな。ここまで俺をコケにしたんだ、その男もお前も絶対に許さなっぐへぇ!」

「なんですか、この人間。物分かりが悪いですね。もしかしてまだ幼体なんですか?教科書で勉強した時はこの身長ならもう大人だって書いてありましたけどね?もしかして情報が古いんでしょうか?ライアン、あなた知ってますか?」

「…まだ成人はしてないだろうが幼体ではない。そして、そんなに殴るな。本当に死ぬ。お前ら龍とは違って人間は脆いんだ。」

「えっ!?そうなんですか?こんなので死ぬんですか人間は!大変ですねぇ、龍の赤ちゃんより弱いじゃないですか!可哀想だなぁ。よしよし。」

「ぐうっ!!!!!」

 シーロンが本当に同情しているような顔で血と涙でぐちゃぐちゃになったメルギーの頭を撫でる。とんでもない屈辱に、メルギーはその手をなんとか振り払った。

「おれは、この国の時期王の、側近だ!きざまぁ、どごのだれが知らんが、死ぬ覚悟をしどげぇ!」

「死?俺が?なぜ?お前ごときを殴ったせいで俺が死ぬのか?何を阿呆なことを。貴様が俺に死を与えると?なんたる屈辱。我に安寧の死を与えるは愛しき番いのみ。」

「うぐぅ!!!!!」

 うさくん臭い笑みを浮かべていたシーロンの顔から表情がなくなる。そして自分の首に両手を回せれ強く締められてしまった。そのまま高く持ち上げられる。小柄な身体のどこにそんな力があるのか。全く息ができなくなり、ジタバタと暴れるがシーロンは全く意に介さない。それどころか、さらに強く締めてくる。

(し、じぬぅ!)

初めて死を予感した。今まで貴族として父と母から大切に育てられ、何不自由なく暮らしてきた。そして恵まれた体躯もあり、自分の思い通りにならなかったことなどない。時期国王の側近としても指名させ、将来を約束された一級の男だった。そうだったはずなのに。
(ここで死ぬ。この男に殺されて。)

 自分よりも随分と小さな身体。筋肉だって自分の方があるし、見た目だって男らしい。まるで少女のようなこの男に自分は殺されるのか。

「だ、だずげでぇ!だずげでぐださい!」

 死にたくない。死にたくなかった。騎士の誉れは戦場での死。武功を上げられるなら死んでも惜しくはないなどど、机上で語っていた自分は何も分かっていなかった。死に直面すると、人はこんなにも矮小で醜く生に縋るものなのだと。

「ごめんなざい、ゆるじで、ゆるじでくだざい!」

 涙をボロボロ流して懇願する。

(しにだぐない!しにだぐない!!!しにだぐない!!!)


「もうそれくらいで許してやれ。そいつは龍についてなど知らない。死への想いなんてもってのほかだ。」

「そうか。知らないのか、なら仕方ない。」

「うぐぅ!」

 シーロンを止めてくれたのは、他でもないライアンだった。自分の首に回ったシーロンの手に自分の手を当てて語りかけると、今までのことがウソだったかのように、シーロンはニコリと笑って、メルギーの身体を地面に下ろした。

「いやー、すまない。実は私、ほとんど国から出たことがなくて龍以外の種族のことをあまり知らないんですよ。ライアンとはうちの国であった親善武闘大会であって仲良くなったんですけどねぇ。どこの誰か知らない坊や、怖がらせてごめんね?お家まで送っていきましょうか?」

 まるっきり子供扱いされるが、もうどうでもいい。少しでも早くこの場から離れたい。

(家に帰ったらすぐに父上にこのことを報告してこいつらを殺してやる!龍の国と言ったな、その国にも正式に抗議して一族郎党皆殺しだ!)

 何も言わずにその場から離れようとした時。

「俺の国に抗議したって無駄だぞ、坊主。んなことすればこの国ごと消してやるよ。」

「ひっ!あ、あなたは!」

 いつのまにかその場にやってきていたのは、エールカが退学になった日にいたアウラニクス。ロベルトが古龍の王と畏れた男。

「あ、王様。」

「どーこほっつき歩いてんのかと探しにくれば、エールカの仇にちょっかいかけてやがったのか。まぁ、お前にしては上出来だ。」

「え?この子、エールカちゃんの仇なんですか?なら殺しとけば良かった。」

「ひぃ!」

 シーロンの細い瞳がカッと開かれる。縦に伸びた瞳孔を見て、思わず悲鳴が漏れて身体が震えてくる。

「俺たち龍にとってこの国を消すなんてことは造作もない。そして俺たちに意見できる国なんてないんだよ、餓鬼。王に訴えても何もしてくれないさ。それに、もうお前の処分は決まってる。」

「え、あぁこの子なんですね。連れて行っていいやつは?」

「そうだ。さっさと運べ。」

「わかりましたー!それではまた、ライアン。またうちの国に遊びにきてくださいね。」

「ひぃ!な、離せ!俺を誰だと思ってる!ひぃ、やめろおおお!」

 当然シーロンに身体を荷物のように雑に持ち上げられる。暴れてもやはりシーロンにダメージはない。

「君はこれこらうちの国に御招待~。その性根が治るまでうちの警備隊でボッコボコにしてやるから覚悟しといてくださいね~!」

「っ!離せ!嫌だ!やめろ!!!」

 叫んでも、シーロンが止まることはなかった。

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