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第一部
第12話
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「んっ…?」
光が眩しくてゆっくりと目を開ける。カーテンの間から漏れた朝日のせいだったようだ。今何時かは分からないが、まだまだ眠いことにはかわりない。もう一眠りしようと思い、モゾモゾと掛け布団の中に潜り込む。今日はなんだかいつもより温かい。自分より体温の高い何かとともに寝ているような感じだ。その温かさをもっと感じたくて、身体をすり寄せる。すると、身体にたくましい腕が回った。
「んっ…、んん!?」
ちょっと待て。この腕は何だ。自分の部屋で一人で寝ているはずだ。なのにどうして他人の腕が存在しているのか。閉じかけたまぶたを慌てて開く。
「ぎゃああ!!」
そこには寝ている時も相変わらず美しい瀬尾君のご尊顔があった。穏やかに閉じられていた瀬尾君の瞳は自分が不細工な悲鳴を上げたせいで、ゆっくり開かれてしまう。
「なに…騒いでるんですか?」
寝起きの低くてゆっくりとしたしゃべり方にドギマギしてしまう。顔を赤くして黙りこんだ自分を気にせず、瀬尾君はベットヘッドの上に置いてある目覚まし時計へと手を伸ばした。
「あぁ、まだ7時じゃないですか…。休みなんですから、こんなに早く起きる必要ないでしょう?…まだ寝ましょう。」
「ぎゃあ!」
先ほど以上に強く瀬尾君に抱き寄せられる。彼の胸板に顔を引っ付けることになってしまい、またもや情けない悲鳴をあげてしまった。
「せ、瀬尾君!なんで一緒のベッドに!?」
なんとか身体を離して問いかける。瀬尾君はなんてことないように「ベッドは1つしかないんです」と答えた。それならソファに放置してくれていて良かったのに。後輩の家で酒で寝落ちしてしまうなんで、本当に情けない。自己嫌悪に陥っていると、瀬尾君は 大きなあくびをして身体を起こした。
「何だかお腹が減ってきましたね。目も覚めちゃいましたし、何か適当に作りますよ。山口さんは和食派ですか、洋食派ですか?」
「いや、さすがに朝御飯までは!」
言葉をいうと同時に、自分のお腹が盛大に鳴った。
「…それで?どっちなんですか?」
「和食でお願いいたします…。」
身体を起こし、ベッドの上ではあるが、瀬尾君に向けて深々と頭を下げたのだった。
瀬尾君には食事が出来たら呼ぶので寝ててくださいとは言われたが、さすがにその通りにするわけにはいかない。ベッドにいても落ち着かないので、起き出して部屋をなんとなくウロウロしてしまう。歩きながら昨日の瀬尾君のことについて考える。突然、こんな所に連れてこられたかと思ったら、ソファで襲われた。その後は美味しい食事とワインをご馳走になり、結局は一緒のベッドに寝ることに。
「訳がわからない…。」
行動の意図がつかめずに頭を抱えてしまう。そもそも、「ここから逃がさない」と言われたことについては解決していない。なぜ逃がさないのか。そもそも本当に逃がさないつもりだとすれば、自分は監禁されてしまうのか。そうなった場合、仕事のことはどうなるのか。突然会社に行かなくなれば三目君が心配するだろう。
「とりあえず瀬尾君に直接聞くしかないかぁ…。」
小さくため息をついて、部屋から出る。瀬尾君はキッチンで忙しく動いている。デニム生地のエプロンをつけた瀬尾君はまるで、料理番組の某タレントのようで、そのかっこよさに一瞬、質問のことを忘れそうになってしまった。
「あぁ、ちょうど呼びに行こうと思っていたところでした。ご飯が出来ましたので座ってください。」
テーブルの上にはつやつやのご飯と、鯖の味醂漬けを焼いたもの、卵焼きに、豆腐とわかめの味噌汁という純和風の朝食。ヨーグルトがかかったフルーツも付いていて、思わずゴクリと喉がなる。
「山口さん?早く座ってください。」
エプロンを外した瀬尾君が先にソファに座り、隣に座るように促してくる。昨晩と同じようにフラフラと隣に行こうとしてしまうが、目的を思い出して、慌てて立ち止まった。
「ご飯はいただくけど、その前に聞きたいことがある!」
「はぁ。」
瀬尾君がソファの背もたれに顎をのせてこちらを見てくる。大型犬のような可愛さにキュンとときめいてしまいそうになるが、なんとか自我を保った。
「き、昨日言ってた逃がさないっていったいなんなの?本気だとしたら、俺も色々考えがあるよ!」
なんとか最後まで言い切った。彼の返答を待ってみるがいつまでたっても返事がない。彼は無表情のままで自分のことを見つめているだけだ。
追加で何か聞いた方がいいだろうか。そもそももしかしたら質問が聞こえていなかったかもしれない。いや、こんな至近距離で聞こえないはずかない。ならどうして返事をしてくれないのか。
そんなことをグルグル考えていると、瀬尾君がクスクスと笑いだした。
「ははっ、そんなの冗談に決まってるじゃないですか。突然いなくなった山口さんに会ってちょっと頭に血が昇っただけですよ。本気にしないでください。」
和やかに笑う瀬尾くんを見て拍子抜けしてしまった。なんだ、そうだったのかと安心すると同時に残念な気持ちもある。彼はただ自分をからかっていただけだったのだ。
「本気にしたならすいません。でも、やましいことでも俺に何も言わずにいなくなったんだから、これで恨みっこなしですよ。」
「そうだね…。」
ぎこちない笑顔で返事をする。
「ちゃんと今日は送っていきますから。でもせっかく休みなんですから観光がてら帰りましょう。いなくなってしまった後のこと、いっぱい聞きたいので。」
まずはご飯を食べましょうと促してくる瀬尾君に返事をして、複雑な気持ちのまま食卓についたのだった。
光が眩しくてゆっくりと目を開ける。カーテンの間から漏れた朝日のせいだったようだ。今何時かは分からないが、まだまだ眠いことにはかわりない。もう一眠りしようと思い、モゾモゾと掛け布団の中に潜り込む。今日はなんだかいつもより温かい。自分より体温の高い何かとともに寝ているような感じだ。その温かさをもっと感じたくて、身体をすり寄せる。すると、身体にたくましい腕が回った。
「んっ…、んん!?」
ちょっと待て。この腕は何だ。自分の部屋で一人で寝ているはずだ。なのにどうして他人の腕が存在しているのか。閉じかけたまぶたを慌てて開く。
「ぎゃああ!!」
そこには寝ている時も相変わらず美しい瀬尾君のご尊顔があった。穏やかに閉じられていた瀬尾君の瞳は自分が不細工な悲鳴を上げたせいで、ゆっくり開かれてしまう。
「なに…騒いでるんですか?」
寝起きの低くてゆっくりとしたしゃべり方にドギマギしてしまう。顔を赤くして黙りこんだ自分を気にせず、瀬尾君はベットヘッドの上に置いてある目覚まし時計へと手を伸ばした。
「あぁ、まだ7時じゃないですか…。休みなんですから、こんなに早く起きる必要ないでしょう?…まだ寝ましょう。」
「ぎゃあ!」
先ほど以上に強く瀬尾君に抱き寄せられる。彼の胸板に顔を引っ付けることになってしまい、またもや情けない悲鳴をあげてしまった。
「せ、瀬尾君!なんで一緒のベッドに!?」
なんとか身体を離して問いかける。瀬尾君はなんてことないように「ベッドは1つしかないんです」と答えた。それならソファに放置してくれていて良かったのに。後輩の家で酒で寝落ちしてしまうなんで、本当に情けない。自己嫌悪に陥っていると、瀬尾君は 大きなあくびをして身体を起こした。
「何だかお腹が減ってきましたね。目も覚めちゃいましたし、何か適当に作りますよ。山口さんは和食派ですか、洋食派ですか?」
「いや、さすがに朝御飯までは!」
言葉をいうと同時に、自分のお腹が盛大に鳴った。
「…それで?どっちなんですか?」
「和食でお願いいたします…。」
身体を起こし、ベッドの上ではあるが、瀬尾君に向けて深々と頭を下げたのだった。
瀬尾君には食事が出来たら呼ぶので寝ててくださいとは言われたが、さすがにその通りにするわけにはいかない。ベッドにいても落ち着かないので、起き出して部屋をなんとなくウロウロしてしまう。歩きながら昨日の瀬尾君のことについて考える。突然、こんな所に連れてこられたかと思ったら、ソファで襲われた。その後は美味しい食事とワインをご馳走になり、結局は一緒のベッドに寝ることに。
「訳がわからない…。」
行動の意図がつかめずに頭を抱えてしまう。そもそも、「ここから逃がさない」と言われたことについては解決していない。なぜ逃がさないのか。そもそも本当に逃がさないつもりだとすれば、自分は監禁されてしまうのか。そうなった場合、仕事のことはどうなるのか。突然会社に行かなくなれば三目君が心配するだろう。
「とりあえず瀬尾君に直接聞くしかないかぁ…。」
小さくため息をついて、部屋から出る。瀬尾君はキッチンで忙しく動いている。デニム生地のエプロンをつけた瀬尾君はまるで、料理番組の某タレントのようで、そのかっこよさに一瞬、質問のことを忘れそうになってしまった。
「あぁ、ちょうど呼びに行こうと思っていたところでした。ご飯が出来ましたので座ってください。」
テーブルの上にはつやつやのご飯と、鯖の味醂漬けを焼いたもの、卵焼きに、豆腐とわかめの味噌汁という純和風の朝食。ヨーグルトがかかったフルーツも付いていて、思わずゴクリと喉がなる。
「山口さん?早く座ってください。」
エプロンを外した瀬尾君が先にソファに座り、隣に座るように促してくる。昨晩と同じようにフラフラと隣に行こうとしてしまうが、目的を思い出して、慌てて立ち止まった。
「ご飯はいただくけど、その前に聞きたいことがある!」
「はぁ。」
瀬尾君がソファの背もたれに顎をのせてこちらを見てくる。大型犬のような可愛さにキュンとときめいてしまいそうになるが、なんとか自我を保った。
「き、昨日言ってた逃がさないっていったいなんなの?本気だとしたら、俺も色々考えがあるよ!」
なんとか最後まで言い切った。彼の返答を待ってみるがいつまでたっても返事がない。彼は無表情のままで自分のことを見つめているだけだ。
追加で何か聞いた方がいいだろうか。そもそももしかしたら質問が聞こえていなかったかもしれない。いや、こんな至近距離で聞こえないはずかない。ならどうして返事をしてくれないのか。
そんなことをグルグル考えていると、瀬尾君がクスクスと笑いだした。
「ははっ、そんなの冗談に決まってるじゃないですか。突然いなくなった山口さんに会ってちょっと頭に血が昇っただけですよ。本気にしないでください。」
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「本気にしたならすいません。でも、やましいことでも俺に何も言わずにいなくなったんだから、これで恨みっこなしですよ。」
「そうだね…。」
ぎこちない笑顔で返事をする。
「ちゃんと今日は送っていきますから。でもせっかく休みなんですから観光がてら帰りましょう。いなくなってしまった後のこと、いっぱい聞きたいので。」
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