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第一部
第8話
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「えっ?カウンターの下ですか?なっ、なんで?それより、体調は大丈夫なんですか?」
自分の言葉に朝桐さんが混乱しているが、きちんと説明する時間はもうない。身体が瀬尾くんかかなり近づいてきていることを知らせてくる。
「お願いします!あとで、ちゃんと説明しますから!」
自分の剣幕に何かを察したのか、朝桐さんは真顔になって頷き、肩を貸してくれた。ヨロヨロとよろめきながら、身体をもたれ掛からせてもらい、なんとかカウンターの下まで移動した。
「あの、これからすごくかっこいい瀬尾君っていう人が来ると思うので、彼がジムの中に入るまでここに隠させてもらいます。彼がいなくなったらすぐに帰りますので! 」
「分かりました。山口さんには初回なのに激キツメニューを頑張っていただいたので協力させてもらいます!!」
「ありがとうございます!」
そうこうしているうちに、自動ドアが開く音がした。
「つぅ!!」
今までとは比べ物にならないほどの濃厚な香り。甘い悲鳴が出てしまいそうなのを、自分の腕を噛むことでなんとかこらえた。
「こんばんは、受付をお願いします。」
「あっ、は、はい!あの、お名前は?」
「瀬尾です。」
大好きな瀬尾君の声。それを聞くだけで身体が熱くなる。
今までこんな状態になったことなど一度もない。自分の身体のことが分からず、困惑してしまう。彼のかっこよさに見とれてしまったことは数えきれないほどあるが、彼の香りをここまで敏感に感じとり、発情するなんてありえない。なぜなら自分はβだから。βの自分には発情期などない。
「分かりました、瀬尾様ですね。今日も頑張りましょう!」
瀬尾君のかっこよさに見とれていたのか、少しだけ黙っていた朝桐さんがやっと言葉を話し出す。受付も終わったことだし、彼もすぐにいなくなるだろう。もう少しの辛抱だと思っていたのに、何故だか彼が動き出す気配がない。
「…あの、どうかされましたか?」
いつまでも動き出さない瀬尾君に困ったのか、朝桐さんがもう一度声をかける。
「いえ。申し訳ありませんが、今日は帰らせてもらいます。」
「えっ、帰るんですか?あ、はい。承知いたしました。またのお越しをお待ちしております。」
どんな心境の変化か、せっかく今来たところなのに、帰ると言い出した瀬尾君。その理由は分からないが、個人的には非常にありがたい。どうか早く帰って欲しい。そう願っていた時だった。
「それで、山口さんは何してるんですか?」
「へっ?」
瀬尾君の声がすぐ近くで聞こえた。閉じていた目を慌てて開くと、すぐ目の前に瀬尾君がしゃがみこんでいた。上下そろいのスポーツウェアに身を包み、会社にいる時よりも少しだけ崩れた髪型が逆にセクシーだった。膝に肘を置き、頬杖をついてこちらを眺めている。
「山口さん、いつからこんな所に隠れるのが趣味になったんですか?」
「え、いや、あの、なんで?」
なんでここにいるのがバレたのか。朝桐さんも自分のことは一言も話していないし、自分だって物音ひとつ立ててはいない。バレるはずがないのに。
「さぁ、なんででしょうね?…山口さんは本当にかくれんぼが好きなんですね。そんなに好きなら今度一緒にやりますか?」
「え、いや、あの。」
約3年ぶりの彼との会話なのに、どうして自分たちはかくれんぼの話なんかしてるんだろうか。彼は無表情で、カウンターの下で身体を丸めている間抜けな自分を見つめている。
「あ、あの、カウンターは立ち入り禁止になってまして!」
困っている自分を助けようと思ったのか、朝桐さんが瀬尾君との間に割り込んでくる。しかし、そんな弱々しい抗議が瀬尾君に効くはずもない。
「立ち入り禁止なら、どうしてこの人が入ってるんですか?この人は関係者なんですか?ここで働いてる人なんですか?ならどうしてカウンターの下に隠れるような行為を?何かやましいことでもされたんですか、この人は?」
「あ、いや、その!」
ため息をついてその場に立ち上がった瀬尾君が冷たい声で朝桐さんに詰め寄る。長身の男から見下ろされ、矢継ぎ早に質問される威圧感に怯え、朝桐さんはほんの少し涙目になっている。
「それにこの人は自分の知り合いです。こんなところで働いているような人ではないと断言できますので、山口さんも部外者ですよね?」
「お、俺が入れてくれって頼んだんだから、朝桐さんは悪くない。」
これ以上は可哀想だと思い、今度は自分が朝桐さんと瀬尾君の間に割ってはいる。「そんなことは分かっています」と瀬尾君は小さくため息をついて、朝桐さんに向かって「責めるような言い方をして申し訳ありませんでした」と謝罪した。朝桐さんは「い、いえ、こちらこそ誤解を与えるような言い方をしてすいません」と頭を下げる。なんだか自分は蚊帳の外といった感じだ。このまま、そーっと抜け出したら瀬尾君に見つからずに逃げられるのではないかとさえ思う。やってみる価値はあると思い、そろそろと後ろに下がっていく。しかし、瀬尾君が鈍くさい自分を見逃すはずがなかった。
「さぁ、山口さん、そろそろ行きましょうか。」
「ひっ!」
朝桐さんに手早くお礼をして、また来ることを伝えた瀬尾君がクルリと振り返る。後少しで外に出られるところだった自分はその場で固まってしまった。
「えっ、あ!ちょ!」
そして自分の腕を取ったかと思うと、外へと引っ張られた。
「あの、山口さん、またのお越しをお待ちしております!一緒に頑張りましょうねー!」
「朝桐さん、助けてー!」
助けを求めてみたものの、朝桐さんは瀬尾君に丸め込まれてしまったのか、仲睦まじい友達がじゃれあっているのを見るかのように、優しい眼差しで手を振ってきた。
店を出た後、手を引っ張られたまま、瀬尾君の後をついていく。離すように何度もお願いしたのだが、全て無視されてしまった。何も話してくれない瀬尾君が怖い。でも自分自身も瀬尾君に何も伝えずにいなくなったのだから、何も言う権利はない。
歩幅の広い瀬尾君についていくのはなかなかに難しく、運動不足の自分の身体を呪っていると瀬尾君がやっと止まってくれた。
「乗ってください。」
「え?」
いつの間にか、駅前の立体駐車場に連れてこられていた。目の前にあるのは誰もが知っている外国製の高級車。いくら、大企業勤めといっても20代ではとても手が出ないはずのそれを見て、本当に瀬尾君のものなのかと困惑する。瀬尾君が助手席の扉を開けてくれるが、首を横に振ってそれを拒否した。すると、瀬尾君は顔を歪めて舌打ちをする。
「早く乗ってください。…それとも無理やり車に乗せられたいんですか?」
「っひっ!」
ぶわりと瀬尾君の香りが強くなる。その暴力的なまでの強いフェロモンに、今まで引いていた甘い身体の疼きがまたぶり返してきた。身体が震えだし、よろめくと瀬尾君が身体を抱き止めてくれた。
「瀬尾…く…ん?」
「やっと見つけたのに逃がすとでも思いましたか?よくも、勝手にいなくなりましたね?」
瀬尾君の目が爛々と輝いている。鈍い自分はやっとここで彼が激怒していることに気付いたのだった。
自分の言葉に朝桐さんが混乱しているが、きちんと説明する時間はもうない。身体が瀬尾くんかかなり近づいてきていることを知らせてくる。
「お願いします!あとで、ちゃんと説明しますから!」
自分の剣幕に何かを察したのか、朝桐さんは真顔になって頷き、肩を貸してくれた。ヨロヨロとよろめきながら、身体をもたれ掛からせてもらい、なんとかカウンターの下まで移動した。
「あの、これからすごくかっこいい瀬尾君っていう人が来ると思うので、彼がジムの中に入るまでここに隠させてもらいます。彼がいなくなったらすぐに帰りますので! 」
「分かりました。山口さんには初回なのに激キツメニューを頑張っていただいたので協力させてもらいます!!」
「ありがとうございます!」
そうこうしているうちに、自動ドアが開く音がした。
「つぅ!!」
今までとは比べ物にならないほどの濃厚な香り。甘い悲鳴が出てしまいそうなのを、自分の腕を噛むことでなんとかこらえた。
「こんばんは、受付をお願いします。」
「あっ、は、はい!あの、お名前は?」
「瀬尾です。」
大好きな瀬尾君の声。それを聞くだけで身体が熱くなる。
今までこんな状態になったことなど一度もない。自分の身体のことが分からず、困惑してしまう。彼のかっこよさに見とれてしまったことは数えきれないほどあるが、彼の香りをここまで敏感に感じとり、発情するなんてありえない。なぜなら自分はβだから。βの自分には発情期などない。
「分かりました、瀬尾様ですね。今日も頑張りましょう!」
瀬尾君のかっこよさに見とれていたのか、少しだけ黙っていた朝桐さんがやっと言葉を話し出す。受付も終わったことだし、彼もすぐにいなくなるだろう。もう少しの辛抱だと思っていたのに、何故だか彼が動き出す気配がない。
「…あの、どうかされましたか?」
いつまでも動き出さない瀬尾君に困ったのか、朝桐さんがもう一度声をかける。
「いえ。申し訳ありませんが、今日は帰らせてもらいます。」
「えっ、帰るんですか?あ、はい。承知いたしました。またのお越しをお待ちしております。」
どんな心境の変化か、せっかく今来たところなのに、帰ると言い出した瀬尾君。その理由は分からないが、個人的には非常にありがたい。どうか早く帰って欲しい。そう願っていた時だった。
「それで、山口さんは何してるんですか?」
「へっ?」
瀬尾君の声がすぐ近くで聞こえた。閉じていた目を慌てて開くと、すぐ目の前に瀬尾君がしゃがみこんでいた。上下そろいのスポーツウェアに身を包み、会社にいる時よりも少しだけ崩れた髪型が逆にセクシーだった。膝に肘を置き、頬杖をついてこちらを眺めている。
「山口さん、いつからこんな所に隠れるのが趣味になったんですか?」
「え、いや、あの、なんで?」
なんでここにいるのがバレたのか。朝桐さんも自分のことは一言も話していないし、自分だって物音ひとつ立ててはいない。バレるはずがないのに。
「さぁ、なんででしょうね?…山口さんは本当にかくれんぼが好きなんですね。そんなに好きなら今度一緒にやりますか?」
「え、いや、あの。」
約3年ぶりの彼との会話なのに、どうして自分たちはかくれんぼの話なんかしてるんだろうか。彼は無表情で、カウンターの下で身体を丸めている間抜けな自分を見つめている。
「あ、あの、カウンターは立ち入り禁止になってまして!」
困っている自分を助けようと思ったのか、朝桐さんが瀬尾君との間に割り込んでくる。しかし、そんな弱々しい抗議が瀬尾君に効くはずもない。
「立ち入り禁止なら、どうしてこの人が入ってるんですか?この人は関係者なんですか?ここで働いてる人なんですか?ならどうしてカウンターの下に隠れるような行為を?何かやましいことでもされたんですか、この人は?」
「あ、いや、その!」
ため息をついてその場に立ち上がった瀬尾君が冷たい声で朝桐さんに詰め寄る。長身の男から見下ろされ、矢継ぎ早に質問される威圧感に怯え、朝桐さんはほんの少し涙目になっている。
「それにこの人は自分の知り合いです。こんなところで働いているような人ではないと断言できますので、山口さんも部外者ですよね?」
「お、俺が入れてくれって頼んだんだから、朝桐さんは悪くない。」
これ以上は可哀想だと思い、今度は自分が朝桐さんと瀬尾君の間に割ってはいる。「そんなことは分かっています」と瀬尾君は小さくため息をついて、朝桐さんに向かって「責めるような言い方をして申し訳ありませんでした」と謝罪した。朝桐さんは「い、いえ、こちらこそ誤解を与えるような言い方をしてすいません」と頭を下げる。なんだか自分は蚊帳の外といった感じだ。このまま、そーっと抜け出したら瀬尾君に見つからずに逃げられるのではないかとさえ思う。やってみる価値はあると思い、そろそろと後ろに下がっていく。しかし、瀬尾君が鈍くさい自分を見逃すはずがなかった。
「さぁ、山口さん、そろそろ行きましょうか。」
「ひっ!」
朝桐さんに手早くお礼をして、また来ることを伝えた瀬尾君がクルリと振り返る。後少しで外に出られるところだった自分はその場で固まってしまった。
「えっ、あ!ちょ!」
そして自分の腕を取ったかと思うと、外へと引っ張られた。
「あの、山口さん、またのお越しをお待ちしております!一緒に頑張りましょうねー!」
「朝桐さん、助けてー!」
助けを求めてみたものの、朝桐さんは瀬尾君に丸め込まれてしまったのか、仲睦まじい友達がじゃれあっているのを見るかのように、優しい眼差しで手を振ってきた。
店を出た後、手を引っ張られたまま、瀬尾君の後をついていく。離すように何度もお願いしたのだが、全て無視されてしまった。何も話してくれない瀬尾君が怖い。でも自分自身も瀬尾君に何も伝えずにいなくなったのだから、何も言う権利はない。
歩幅の広い瀬尾君についていくのはなかなかに難しく、運動不足の自分の身体を呪っていると瀬尾君がやっと止まってくれた。
「乗ってください。」
「え?」
いつの間にか、駅前の立体駐車場に連れてこられていた。目の前にあるのは誰もが知っている外国製の高級車。いくら、大企業勤めといっても20代ではとても手が出ないはずのそれを見て、本当に瀬尾君のものなのかと困惑する。瀬尾君が助手席の扉を開けてくれるが、首を横に振ってそれを拒否した。すると、瀬尾君は顔を歪めて舌打ちをする。
「早く乗ってください。…それとも無理やり車に乗せられたいんですか?」
「っひっ!」
ぶわりと瀬尾君の香りが強くなる。その暴力的なまでの強いフェロモンに、今まで引いていた甘い身体の疼きがまたぶり返してきた。身体が震えだし、よろめくと瀬尾君が身体を抱き止めてくれた。
「瀬尾…く…ん?」
「やっと見つけたのに逃がすとでも思いましたか?よくも、勝手にいなくなりましたね?」
瀬尾君の目が爛々と輝いている。鈍い自分はやっとここで彼が激怒していることに気付いたのだった。
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