20 / 22
第四章 神様たちは積極的
第四話
しおりを挟む
「とまぁ、そういう訳じゃ。それでそなたは我か須佐のか、どちらの神使になるのじゃ?」
保食神様が身を乗り出して尋ねてくる。目をキラキラさせて聞いてくるが、そんなことこの場でパッと決められることでもないし、まだ頭が混乱しているのだ。
「ちょ、ちょっと待ってください!僕にはそんなことすぐには決められませんから!」
「そんなことないだろ?俺か、そこの餓鬼んちょか、どっちが好きかを選ぶだけだろ?餓鬼なんかより、俺の方がいいだろ?」
「こんなエロ神よりも我の方が可愛らしいじゃろ!」
「とりあえずその話は保留にさせてください……。」
大きくため息をついた後、保食神様と速さんの前に置いてあるお皿を片付けることにした。
「そんなに悩むようなことじゃないとは思うけどなぁ。神使になったって、何か生活が変わる訳じゃあない。ただ、日常の中に俺に愛でられるという項目が追加されるだけだ。」
「我だってそうだ。そなたは自分の思うように生活すればよい。ただ、毎日我のためにご飯を作ってくれればいいだけの話だ。」
「そんなことに付き合ってたら、僕の生活が変わりますよ!」
台所で洗い物をしながら、僕はすっとぼけている神様二人に怒鳴り散らしたのだった。
「なぁ、そなたは名前はなんというんじゃ?」
「僕は朝穂だよ。」
「朝穂か!良い名ではないか!朝穂には我のことをうーちゃんと呼ぶ権利を与えてやろう!喜ぶがいいぞ!」
「うーちゃん……。」
保食神様、改めてうーちゃんは、僕の部屋にで座布団の上に座りつつにっこりと笑う。ご飯を食べ終わった後、速さんは「店番があるから今日は帰る。また来るからな。」と言って、うーちゃんと喧嘩しながらも、帰っていった。(玄関を出る前に熱烈な抱擁を交わされたのには、驚いたけど……。)
「そういえば、朝穂はここに住んでるのか?我はずっとお櫃の中に入ってたから分からんのじゃ!」
「僕は昨日からここに住むことになったんだよ。」
「そうなのか?どうして昨日からなんじゃ?別のところに住んでおったのか?」
「そうだよ。ここから少し遠いところに住んでたんだけど、引っ越して来たんだ。」
「そうなのか!それは我にとってはとても都合が良い!遠くに住んでるのであれば、いちいちこちらに来てご飯を作ってもらわなければならんからな!」
「僕がご飯を作るって言うのは決定事項なんですね……。」
うーちゃんは「当たり前であろう!我の言うことは絶対だ!」とふんぞり返っている。
「神に使えるというのはなかなかできるとことではないのだぞ?誇りに思うが良い。我が神の力を取り戻したあかつきには必ずそなたに褒美を取らせよう!」
「楽しみにしてまーす……。」
適当に返事をしたせいで、うーちゃんがぎゃあぎゃあと怒っているがスルーすることにする。
「朝穂?おるかぁ?」
すると、玄関の方からお祖父ちゃんの声が聞こえてきた。僕がうーちゃんや、速さんとゴタゴタしているうちに、帰ってきたようだ。
(そうだ!お祖父ちゃんに相談しよう!)
お祖父ちゃんならうーちゃんや速さんのことをどうにかしてくれるかもしれない。
「ちょっときて!」
「なっ!引っ張るでない!」
座布団の上に座り込んでいるうーちゃんがの手をとって、無理やり立たせて玄関まで連れていく。玄関ではお祖父ちゃんがタオルで汗を拭きながら笑っていた。
「おぉ、おったか!速が来たっちゃろ?さっき店によってみたらそういっちょったからよお。若いもんとはなしてみたかったからって言ってたわ。だから今日の晩飯に誘っといたわ!」
「えっ!速さんを誘ったの?」
「なんじゃ?速が嫌いか?」
「嫌いとかじゃないけど……。」
「ならいいやろ?じゃあお祖父ちゃんはちょっと仕事にいってくるからのぉ。」
「あっ!まってお祖父ちゃん!この子って!」
ふわぁと大きなあくびをしているうーちゃんを指差す。
「この子ぉ?なんのことじゃ?まだ寝ぼけとるんか?」
ケラケラと笑ってお祖父ちゃんが出ていく。
「だから言ったじゃろ?見えんとな。」
隣でうーちゃんがニヤリと笑った。
保食神様が身を乗り出して尋ねてくる。目をキラキラさせて聞いてくるが、そんなことこの場でパッと決められることでもないし、まだ頭が混乱しているのだ。
「ちょ、ちょっと待ってください!僕にはそんなことすぐには決められませんから!」
「そんなことないだろ?俺か、そこの餓鬼んちょか、どっちが好きかを選ぶだけだろ?餓鬼なんかより、俺の方がいいだろ?」
「こんなエロ神よりも我の方が可愛らしいじゃろ!」
「とりあえずその話は保留にさせてください……。」
大きくため息をついた後、保食神様と速さんの前に置いてあるお皿を片付けることにした。
「そんなに悩むようなことじゃないとは思うけどなぁ。神使になったって、何か生活が変わる訳じゃあない。ただ、日常の中に俺に愛でられるという項目が追加されるだけだ。」
「我だってそうだ。そなたは自分の思うように生活すればよい。ただ、毎日我のためにご飯を作ってくれればいいだけの話だ。」
「そんなことに付き合ってたら、僕の生活が変わりますよ!」
台所で洗い物をしながら、僕はすっとぼけている神様二人に怒鳴り散らしたのだった。
「なぁ、そなたは名前はなんというんじゃ?」
「僕は朝穂だよ。」
「朝穂か!良い名ではないか!朝穂には我のことをうーちゃんと呼ぶ権利を与えてやろう!喜ぶがいいぞ!」
「うーちゃん……。」
保食神様、改めてうーちゃんは、僕の部屋にで座布団の上に座りつつにっこりと笑う。ご飯を食べ終わった後、速さんは「店番があるから今日は帰る。また来るからな。」と言って、うーちゃんと喧嘩しながらも、帰っていった。(玄関を出る前に熱烈な抱擁を交わされたのには、驚いたけど……。)
「そういえば、朝穂はここに住んでるのか?我はずっとお櫃の中に入ってたから分からんのじゃ!」
「僕は昨日からここに住むことになったんだよ。」
「そうなのか?どうして昨日からなんじゃ?別のところに住んでおったのか?」
「そうだよ。ここから少し遠いところに住んでたんだけど、引っ越して来たんだ。」
「そうなのか!それは我にとってはとても都合が良い!遠くに住んでるのであれば、いちいちこちらに来てご飯を作ってもらわなければならんからな!」
「僕がご飯を作るって言うのは決定事項なんですね……。」
うーちゃんは「当たり前であろう!我の言うことは絶対だ!」とふんぞり返っている。
「神に使えるというのはなかなかできるとことではないのだぞ?誇りに思うが良い。我が神の力を取り戻したあかつきには必ずそなたに褒美を取らせよう!」
「楽しみにしてまーす……。」
適当に返事をしたせいで、うーちゃんがぎゃあぎゃあと怒っているがスルーすることにする。
「朝穂?おるかぁ?」
すると、玄関の方からお祖父ちゃんの声が聞こえてきた。僕がうーちゃんや、速さんとゴタゴタしているうちに、帰ってきたようだ。
(そうだ!お祖父ちゃんに相談しよう!)
お祖父ちゃんならうーちゃんや速さんのことをどうにかしてくれるかもしれない。
「ちょっときて!」
「なっ!引っ張るでない!」
座布団の上に座り込んでいるうーちゃんがの手をとって、無理やり立たせて玄関まで連れていく。玄関ではお祖父ちゃんがタオルで汗を拭きながら笑っていた。
「おぉ、おったか!速が来たっちゃろ?さっき店によってみたらそういっちょったからよお。若いもんとはなしてみたかったからって言ってたわ。だから今日の晩飯に誘っといたわ!」
「えっ!速さんを誘ったの?」
「なんじゃ?速が嫌いか?」
「嫌いとかじゃないけど……。」
「ならいいやろ?じゃあお祖父ちゃんはちょっと仕事にいってくるからのぉ。」
「あっ!まってお祖父ちゃん!この子って!」
ふわぁと大きなあくびをしているうーちゃんを指差す。
「この子ぉ?なんのことじゃ?まだ寝ぼけとるんか?」
ケラケラと笑ってお祖父ちゃんが出ていく。
「だから言ったじゃろ?見えんとな。」
隣でうーちゃんがニヤリと笑った。
0
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
少年神官系勇者―異世界から帰還する―
mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる?
別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行)
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。
この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
この作品は「pixiv」にも掲載しています。

【完結】相談する相手を、間違えました
ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。
自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・
***
執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。
ただ、それだけです。
***
他サイトにも、掲載しています。
てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。
***
エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。
ありがとうございました。
***
閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。
ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*)
***
2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞

失恋して崖から落ちたら、山の主の熊さんの嫁になった
無月陸兎
BL
ホタル祭で夜にホタルを見ながら友達に告白しようと企んでいた俺は、浮かれてムードの欠片もない山道で告白してフラれた。更には足を踏み外して崖から落ちてしまった。
そこで出会った山の主の熊さんと会い俺は熊さんの嫁になった──。
チョロくてちょっぴりおつむが弱い主人公が、ひたすら自分の旦那になった熊さん好き好きしてます。

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載

真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~
シキ
BL
全寮制学園モノBL。
倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。
倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……?
真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。
一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。
こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。
今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。
当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる