ひとりぼっちの僕が幼女神に癒され、エロ神様に溺愛される話

めろめろす

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第三章 幼女とイケメン

第六話

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「なっ、なんでこやつが隣におるのだ!早く追い返すのだ!」
「うるせーな、ちびっ子。黙ってないと食うぞ?」
「うるさい!なぁ、小僧!そのふれんちとーすととやらは我のものなのであろう?」
「あぁ?俺のもんに決まってんだろ?なぁ、そうだろ?」

「少し静かにしてください……。」

 二人は犬猿の仲のようで睨みあってはすぐに罵りあいを始めてしまう。何か飲み物でも出せば静かになるかと思い、二人の前にカフェオレを差し出すと、ピタリと動きを止めた。

「なんだ、この茶色の飲み物は……。さては小僧、我に毒を盛るつもりか!ええい、愚かな人間め!」

「いいからさっさと飲む!飲まないとフレンチトーストは作らないよ!」
「うぐっ!卑怯な……。」

 ぶつぶつと文句を言いながらも、女の子がマグカップを持ち上げて、少しだけカフェオレを口に含んだ。

「なっ!なんだこれは!おいしい!おいしいぞ!」
「うん、良かった。コーヒーだけなら苦いって言うかなと思ってカフェオレにしたゆだよ。砂糖も多目に入れてあるから飲みやすいでしょ?」
「うむ!素晴らしい心づかいだ!さすが我の神使!」

「まだお前のって決まった訳じゃないだろ?俺も飲んでいいか?」

 速さんがこちらをじっと見てきたので恐る恐る頷く。速さんが女の子と同じくマグカップを持ち、優雅にカフェオレを飲む。

「うん、うまいな。そんなに砂糖も入ってなくてコーヒーの味もよく出てる。」

「良かったです!速さんはもう大人だから少しコーヒーの味が濃い方がいいかと思ったんです。」

 胸を撫で下ろしながら答える。こんな不味いもの飲めるかと言われ、突き返されたらどうしようと緊張していたのだ。

「うまいぞ。さすがほぼ初対面なのに俺の好みが分かるとは。さすが俺の神使だな。」
「そなたのものではない!我の神使じゃ! 」
「保食神風情が俺に口出しするんじゃねぇ!」

 せっかく静かになっていたのに、また二人が喧嘩を始めてしまった。これはもう早くフレンチトーストを作って、食事をさせて黙らせるしかない。フライパンにバターをたっぷり入れて伸ばす。そして卵液を十分に吸ったパンをその上に置く。ジュワァーーという音とともに、部屋中に食欲を刺激する香りが広がる。すると、喧嘩していた二人がピタリと動きを止めた。

「はい、フレンチトーストができるまで二人とも静かにしておいてくださいね。じゃないとどちらにも作ってあげません。」

 そう宣言すると、二人とも一瞬文句を言いたそうに口を開くが、僕の顔を見て視線をさ迷わせるとそのまま口を閉じた。そして黙ったまま、まるで「待て」と指示された犬のように両手を膝に置いている。 

(なんかちょっと可愛いかも。)

 クスッと笑って、僕はもう一人分のフレンチトースト作りに取りかかった。


「はい、完成です。」

「「おぉ!」」

 たまにお互いを睨みながらも、大人しく黙っていた二人の前にフレンチトーストを置いてあげた。少しだけ焦げ目がついたパンには、僕の言うことをちゃんと聞いてくれたご褒美に粉砂糖も降ってあげた。

「もう食べていいのか……?」

 ナイフとフォークを両手に持った女の子がそわそわしながら聞いてきたので「いいよ、召し上がれ。」と笑う。すると二人とも同時にトーストへと食らいついた。

「んっーー!美味しい!なんて美味なんじゃ!甘いし、ふわふわじゃ!」
「焦げ目のところも味のアクセントになってて最高だ……。」

 二人が評論家のように感想を言ってくれるので、照れて赤くなってしまう。

「そっ、そんな大したものじゃないよ。父さんが作ってたレシピを真似しただけだから。」

 確か父さんはこんな風に作ってくれた。ちゃんとしたレシピは分からないが、大体これであっているはずだ。でも二人が勢いよく食べてくれているのがとても嬉しい。あんなに険悪ムードだったのに、今では二人ともすっかりほほが緩んでいる。

(父さんが言ってたことってこういうことだったのかな……。)

 あんなに料理を作るのが大好きだった父さん。僕にも料理を教えてくれようとしていた意味がほんの少しだけ分かるような気がした。


「んっーーー!やはり、そなたは我の神使になるべきじゃ!」
「さっきから言ってたけど、その神使ってなんなの?」

 あっという間にフレンチトーストを平らげた女の子が椅子から立ちあがり、僕の方を指差してくる。口の回りがトーストのカスで汚れていたので、ハンカチで拭いてあげる。

 「神使とは、読んでその名の通り!神様の召し使いのことじゃ!そなたは我の召し使いになって、毎日我のために料理を作れ!そうすれば、我はすぐに神としての力を取り戻すはずじゃ!」

「神様ねぇ……。」

 女の子が元気よく宣言するが、そんな途方もない話は信じられない。それに、昨日の晩のことは夢だったはずだ。

「さぁ、唱えよ!我の名は保食神(うけもちのかみ)じゃ! 」

「俺がいるのに勝手に話を進めるな。それにこいつを神使にするのは俺だ。なぁ、いいだろう?俺の神使になったら毎晩可愛がってやる。神との交わりは気をやる程の快感だぞ……?」

「ひっ!」

 速さんが唇をいやらしく舐めながら椅子から立ち上がる。

「「さぁ、どちらを選ぶ?」」

「とにかくちゃんと説明してください!」

 二人に迫られた僕は涙目になりながら、訴えたのだった。

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