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第2章 世界の異変が大変編
ヤテ君のちスライム
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おお!成功したぞ!?
……古代アリア語?古代語で書かれた本がなぜこんなとこに……。
いや!今はどうでもいい!大切なのは本の中身だ!
再度本の表紙を見てみると問題なく読める。
鑑定さんチートやん……知ってたけど。
本は【天使の力と調和について】というタイトルだった。
天使とか調和って……これはまさか現代の中学生辺りに蔓延してるあの病では!
ほら邪眼と言っちゃう系の!
……厨二病の本な訳無いか。
そもそもここはファンタジー世界だし、この世界自体が厨二病みたいなもんだし関係ないな。
とりあえず中を確認してみると問題なく読めたので、夕食までこの本を読んでみることにした。
・・・
この本はタイトル通り、天使とかっていう存在について書かれた本らしい。
ただ古代なんちゃら語(アリア)で書かれてはいるものの、特別凄いことが書かれているわけではなかった。
この本によればこの世界は最初、1つの大きな大陸があったらしい。
しかし何らかの事態が起き、神様が大きく4つの大陸に分けたとか。
まぁここまでは他の本でも書かれていたけど、重要だったのはこの次。
元々大陸全体にはエネルギーの流れというものがあったが、それが大陸を4つに分けた時に乱れてしまったらしく各地で災害が起きたらしい。
神様は、そのエネルギーがある程度落ち着くまで抑える事と、その後の世界の調和のために各地に天使を派遣した。
そしてこの世界に永遠の調和がもたらされたとさ、ちゃんちゃん……ってことらしい。
おい神様……後のこと考えてから割りなさいよ!
アフターケアを自分の部下にやらせるとか!
ていうか派遣って!会社か!
いや、まぁ天使って少なくとも俺の世界ではそういう役割だったかも……。
色々考えていると夕食の時間になっていたことに気付いた。
急いで本を元の所に戻し食堂に行く。
……だからブラウの煮付けってなんや!!
美味しい!!
・・・
皆さんおはようございます。朝です。
昨日は食堂で夕食をとったあと、部屋に戻ってすぐに寝てしまったんですよね……。
って誰に話しかけてるのやら。
俺はいつも通りギルドの1階に降りて食堂に行って注文をしてから、座る所を探す為に見回した……ら、ヤテ君がいた。
ありゃ?ギルド職員も食堂で食べるの?初めて見たけど……。
「さ……ヤテさんおはようございます」
俺が挨拶すると、ヤテ君がこちらを見てニコッと笑った。
「おはようございますユウト君」
既に席に座っていたヤテ君はサンドイッチのようなものを食べていた。
中身はわからないが野菜っぽい。
「いつも食堂で食べてるんですか?」
「ええ……ただ今日は少し寝坊してしまって」
あはは、と苦笑いをするヤテ君の隣に座り、注文した料理を待つ。
「ユウト君は今日も討伐でしたね。がんばってください」
「ありがとうございます!」
応援してくれたヤテ君はその直後、少し俯いてからこちらに顔を向けた。
……な、なに?
「ユウト君……一昨日のスライムの件なのですが」
え?その歴史掘り返す?
あ、掘るってあっちのことじゃないからな?
もうこの話は忘れたいんだけど?
「あの時はカイルさんが助けに行けたからよかったですが、今度の集団討伐はどうなるかわかりません」
そこまで言ってまたヤテ君は俯く。
本当にどうしたの?
「……僕には兄がいるんです。名前はリューク。血は繋がってませんでしたが、それでも僕達は兄弟だったんです」
ぽつぽつとヤテ君は語り始めた。
ヤテ君に兄がいたのか……初めて聞くけど。
離れて暮らしてるのかね。
「兄はとても頭が良くて、ハビリオンの魔道研究所で働きながらもギルドの依頼で各地の調査を行なっていたんです」
そこまで言うとヤテ君は目を伏せて、少し躊躇った後に言葉を紡いだ。
「でもある時帰ってこなかったんです」
俺はヤテ君を見る。
……朝食?
もう来てるけど今は食べられる雰囲気じゃないでしょ!
「ギルドは3年間何も活動が無い冒険者を死亡扱いにするんです……。もう5年になります、兄がいなくなってから」
辛そうに顔を歪めて吐き出すように言うヤテ君に俺は何も言えなかった。
死亡扱いになればきっと捜索願なんかも出せないんだろう。
「でも兄が死んだ証拠は無いし、僕はまだ兄が生きてると思うんです。だから僕は兄が最後に立ち寄ったこのスータ地区のギルドで働いているんです」
そう言うと俺に向かって続けて言った。
「昨日ユウト君が討伐に行くと聞いた後、兄の夢を見たんです。だからではありませんが……ユウト君。必ず帰ってきてください」
その真剣な表情に俺も真面目に向き合った。
まぁ絶対帰ってくるよ!チートあるしね!
「必ず帰ってきますよ!」
そう言うと、ヤテ君は幾分か和らいだ表情で近付いてきて――
ギュッ
と抱きつかれた。
……あれ?カイルさん2号か?いやこれがこの世界の普通……なのか?
「ありがとうございます……っ」
絞り出すように言うヤテ君に対して、俺はされるがままに受け入れていた。
てかさっきのセリフ恥ずかしすぎる!
なんだ必ず帰ってきますって!夫婦か!
暫くしてヤテ君は抱き締めから俺を解放し、それからギルドのカウンターに戻っていった。
俺は少し冷えてしまった朝食を食べて、カイルさんと合流して森へと向かった。
今回もあのスライム池まで行って、そのあと少し森の奥へと向かいゴブリンと戦うらしい。
ゴブリンとは初戦闘だけど、やっぱりあの緑っぽい見た目なのかな。
ギャギャとか言うのかね……まぁ会話できたら出来たで戦えなくなるけど。
なんて考えてる内に池についたようだ……って、え?
池についた俺達の前に驚く光景が広がっていた。
「あの、カイルさんこれって……」
「ああ……」
そこで見たものは前にも見たようなスライムだった。
しかしこの間と違うのはその数。
池とその周りの地面を埋め尽くすような勢いのスライムがそこにいた。
やばい……多すぎる。
昨日は12匹ぐらいしかいなかったけど、これ下手したら100匹くらいいるんじゃ。
もう池なんて見えませんよ?
スライム遊泳で埋まってますよ?
あっちにプヨプヨこっちにプヨプヨしてますよ?
これって普通じゃないよね?
「こんなに増えるなんて……異常だ」
そう横でカイルさんが言っているので、やっぱりこれは普通ではないことがわかる。
おふ……スライム酔いしそう。
「とにかくこの数を減らさないと」
カイルさんがそう言って剣を取り出した。
俺もナイフを出して戦闘態勢にはいる。
「まず俺が行くから、ユウト君は後ろで残ったスライムを倒してほしい」
「わかりました」
戦いにおいてはカイルさんが先輩なのでそれに従う。
「行くよ」
そう言って、まずカイルさんがスライムの群れに突っ込んでいく。
おお……カイルさんの戦い初めて見た。
最初のオークっぽいやつとの戦闘は全くわからなかったけど強い!
どんどんスライムが蹂躙されていく……はっ!俺も行かなくては!
カイルさんの後に俺も続いて、残ったスライムをナイフでどんどん溶かしていく……が。
多っ!全然減ってる気がしない!
カイルさんが減らしてはくれてるけど、まだまだ半分以上残っているよ……。
よし!さっさと残りも倒してやるわ!
スライムを倒しているとレベルアップの言葉が頭に流れるが、今それを気にすると一気にスライムに囲まれそうなので後で確認することにする。
そして俺達がスライムを倒していくこと暫く。
唐突にアイツは現れた。
「ん?……なんだあいつは?」
前の方で戦っていたカイルさんがそう言う。
「どうしたんですか?」
俺はスライムを倒しながらカイルさんの視線の先を追う。
そこにいたのは大きなスライムだった。
え?でかくね?
俺の肩くらいまで高さがあるし、横幅も大きい。
もうスライムキング――一応言っておかないと――って言っても過言じゃないぞ?
「な、なんですかそのスライム……」
「わからない……だけどこいつが元凶だろうね」
なぜカイルさんがそう断言出来るのか。
それはあのスライムキングからスライムが生まれているからだ。
俺達が見ている目の前で、スライムキングの一部が千切れるように落ちて、落ちたそれが単体のスライムとして動き始める。
そしてそれは結構な頻度で行われていた。
はい元凶確定ー!!
……古代アリア語?古代語で書かれた本がなぜこんなとこに……。
いや!今はどうでもいい!大切なのは本の中身だ!
再度本の表紙を見てみると問題なく読める。
鑑定さんチートやん……知ってたけど。
本は【天使の力と調和について】というタイトルだった。
天使とか調和って……これはまさか現代の中学生辺りに蔓延してるあの病では!
ほら邪眼と言っちゃう系の!
……厨二病の本な訳無いか。
そもそもここはファンタジー世界だし、この世界自体が厨二病みたいなもんだし関係ないな。
とりあえず中を確認してみると問題なく読めたので、夕食までこの本を読んでみることにした。
・・・
この本はタイトル通り、天使とかっていう存在について書かれた本らしい。
ただ古代なんちゃら語(アリア)で書かれてはいるものの、特別凄いことが書かれているわけではなかった。
この本によればこの世界は最初、1つの大きな大陸があったらしい。
しかし何らかの事態が起き、神様が大きく4つの大陸に分けたとか。
まぁここまでは他の本でも書かれていたけど、重要だったのはこの次。
元々大陸全体にはエネルギーの流れというものがあったが、それが大陸を4つに分けた時に乱れてしまったらしく各地で災害が起きたらしい。
神様は、そのエネルギーがある程度落ち着くまで抑える事と、その後の世界の調和のために各地に天使を派遣した。
そしてこの世界に永遠の調和がもたらされたとさ、ちゃんちゃん……ってことらしい。
おい神様……後のこと考えてから割りなさいよ!
アフターケアを自分の部下にやらせるとか!
ていうか派遣って!会社か!
いや、まぁ天使って少なくとも俺の世界ではそういう役割だったかも……。
色々考えていると夕食の時間になっていたことに気付いた。
急いで本を元の所に戻し食堂に行く。
……だからブラウの煮付けってなんや!!
美味しい!!
・・・
皆さんおはようございます。朝です。
昨日は食堂で夕食をとったあと、部屋に戻ってすぐに寝てしまったんですよね……。
って誰に話しかけてるのやら。
俺はいつも通りギルドの1階に降りて食堂に行って注文をしてから、座る所を探す為に見回した……ら、ヤテ君がいた。
ありゃ?ギルド職員も食堂で食べるの?初めて見たけど……。
「さ……ヤテさんおはようございます」
俺が挨拶すると、ヤテ君がこちらを見てニコッと笑った。
「おはようございますユウト君」
既に席に座っていたヤテ君はサンドイッチのようなものを食べていた。
中身はわからないが野菜っぽい。
「いつも食堂で食べてるんですか?」
「ええ……ただ今日は少し寝坊してしまって」
あはは、と苦笑いをするヤテ君の隣に座り、注文した料理を待つ。
「ユウト君は今日も討伐でしたね。がんばってください」
「ありがとうございます!」
応援してくれたヤテ君はその直後、少し俯いてからこちらに顔を向けた。
……な、なに?
「ユウト君……一昨日のスライムの件なのですが」
え?その歴史掘り返す?
あ、掘るってあっちのことじゃないからな?
もうこの話は忘れたいんだけど?
「あの時はカイルさんが助けに行けたからよかったですが、今度の集団討伐はどうなるかわかりません」
そこまで言ってまたヤテ君は俯く。
本当にどうしたの?
「……僕には兄がいるんです。名前はリューク。血は繋がってませんでしたが、それでも僕達は兄弟だったんです」
ぽつぽつとヤテ君は語り始めた。
ヤテ君に兄がいたのか……初めて聞くけど。
離れて暮らしてるのかね。
「兄はとても頭が良くて、ハビリオンの魔道研究所で働きながらもギルドの依頼で各地の調査を行なっていたんです」
そこまで言うとヤテ君は目を伏せて、少し躊躇った後に言葉を紡いだ。
「でもある時帰ってこなかったんです」
俺はヤテ君を見る。
……朝食?
もう来てるけど今は食べられる雰囲気じゃないでしょ!
「ギルドは3年間何も活動が無い冒険者を死亡扱いにするんです……。もう5年になります、兄がいなくなってから」
辛そうに顔を歪めて吐き出すように言うヤテ君に俺は何も言えなかった。
死亡扱いになればきっと捜索願なんかも出せないんだろう。
「でも兄が死んだ証拠は無いし、僕はまだ兄が生きてると思うんです。だから僕は兄が最後に立ち寄ったこのスータ地区のギルドで働いているんです」
そう言うと俺に向かって続けて言った。
「昨日ユウト君が討伐に行くと聞いた後、兄の夢を見たんです。だからではありませんが……ユウト君。必ず帰ってきてください」
その真剣な表情に俺も真面目に向き合った。
まぁ絶対帰ってくるよ!チートあるしね!
「必ず帰ってきますよ!」
そう言うと、ヤテ君は幾分か和らいだ表情で近付いてきて――
ギュッ
と抱きつかれた。
……あれ?カイルさん2号か?いやこれがこの世界の普通……なのか?
「ありがとうございます……っ」
絞り出すように言うヤテ君に対して、俺はされるがままに受け入れていた。
てかさっきのセリフ恥ずかしすぎる!
なんだ必ず帰ってきますって!夫婦か!
暫くしてヤテ君は抱き締めから俺を解放し、それからギルドのカウンターに戻っていった。
俺は少し冷えてしまった朝食を食べて、カイルさんと合流して森へと向かった。
今回もあのスライム池まで行って、そのあと少し森の奥へと向かいゴブリンと戦うらしい。
ゴブリンとは初戦闘だけど、やっぱりあの緑っぽい見た目なのかな。
ギャギャとか言うのかね……まぁ会話できたら出来たで戦えなくなるけど。
なんて考えてる内に池についたようだ……って、え?
池についた俺達の前に驚く光景が広がっていた。
「あの、カイルさんこれって……」
「ああ……」
そこで見たものは前にも見たようなスライムだった。
しかしこの間と違うのはその数。
池とその周りの地面を埋め尽くすような勢いのスライムがそこにいた。
やばい……多すぎる。
昨日は12匹ぐらいしかいなかったけど、これ下手したら100匹くらいいるんじゃ。
もう池なんて見えませんよ?
スライム遊泳で埋まってますよ?
あっちにプヨプヨこっちにプヨプヨしてますよ?
これって普通じゃないよね?
「こんなに増えるなんて……異常だ」
そう横でカイルさんが言っているので、やっぱりこれは普通ではないことがわかる。
おふ……スライム酔いしそう。
「とにかくこの数を減らさないと」
カイルさんがそう言って剣を取り出した。
俺もナイフを出して戦闘態勢にはいる。
「まず俺が行くから、ユウト君は後ろで残ったスライムを倒してほしい」
「わかりました」
戦いにおいてはカイルさんが先輩なのでそれに従う。
「行くよ」
そう言って、まずカイルさんがスライムの群れに突っ込んでいく。
おお……カイルさんの戦い初めて見た。
最初のオークっぽいやつとの戦闘は全くわからなかったけど強い!
どんどんスライムが蹂躙されていく……はっ!俺も行かなくては!
カイルさんの後に俺も続いて、残ったスライムをナイフでどんどん溶かしていく……が。
多っ!全然減ってる気がしない!
カイルさんが減らしてはくれてるけど、まだまだ半分以上残っているよ……。
よし!さっさと残りも倒してやるわ!
スライムを倒しているとレベルアップの言葉が頭に流れるが、今それを気にすると一気にスライムに囲まれそうなので後で確認することにする。
そして俺達がスライムを倒していくこと暫く。
唐突にアイツは現れた。
「ん?……なんだあいつは?」
前の方で戦っていたカイルさんがそう言う。
「どうしたんですか?」
俺はスライムを倒しながらカイルさんの視線の先を追う。
そこにいたのは大きなスライムだった。
え?でかくね?
俺の肩くらいまで高さがあるし、横幅も大きい。
もうスライムキング――一応言っておかないと――って言っても過言じゃないぞ?
「な、なんですかそのスライム……」
「わからない……だけどこいつが元凶だろうね」
なぜカイルさんがそう断言出来るのか。
それはあのスライムキングからスライムが生まれているからだ。
俺達が見ている目の前で、スライムキングの一部が千切れるように落ちて、落ちたそれが単体のスライムとして動き始める。
そしてそれは結構な頻度で行われていた。
はい元凶確定ー!!
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