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第3章 魔導帝国ハビリオン編
まだあるの!?
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いきなりパワーアップとかどこの主人公だ、と思いはするが今は焦りの方が強い。
ハティオさん達を吹き飛ばした男はこちらを鋭い眼光で睨みつけている。
それだけで体が震えそうになるが気を強く持つ。
何が起きたのかわからないけど、危険な状況には変わりない。
何とかしないと…。
「目的は完了したが…ふむ、厄介な者達を始末しておこうか」
男がゆっくりと近付いてくる。
2人はまだ動けないようだし、アスキルの解呪も終わってない。
このままだと…死ぬ。
諦める訳にはいかない。
まだ全ての力を出し切ったわけじゃない。
色々準備してきたじゃないか、今使わないでどうする!
俺は手に魔封石を握りしめる。
【無量空間】から取り出したのだ。
それを思いっきり男に投げつける。
予想通り男は攻撃して破壊する。
それでもいい。
次から次へと取り出し投擲する。
それを繰り返す。
男は時に攻撃し、時に躱し、魔封石を淡々と捌いていく。
魔封石は粉々に散ったり地面に転がったりして地面に散乱する。
それこそがポイントなのだ。
面倒だと思ったのか一気に距離を詰めようと男が動いたその瞬間、地面に転がる無傷の魔封石の魔法が解き放たれた。
それは拘束であり、封印であり、結界。
一瞬のうちに発動した魔法は半透明の壁となり、男の周囲に、そして俺達の周囲にいくつもそびえ立った。
「チィッ!!」
男は壁を殴りつける。
それだけで結界はヒビ割れ砕けそうになる。
そこまで強い結界ではないけど、そこまで脆くないと思っていただけにそれを為した男の力に驚く。
それでも想定内、今のうちに回復をすませる。
アスキルの解呪と並行して2人の治療を始める。
幸いにも気絶してるだけですぐに意識を取り戻してくれた。
傷もそこまで深くなかったので瞬時に治すことに成功した。
でもまだ万全じゃないし、男に勝てるかどうかもわからない。
「ガアアアアアア!!!」
先程のような叫び声が響き渡り、続けて結界が破壊されるような音が複数聞こえてくる。
そちらを向けば結界を破壊しながらこちらに向かってくる男の姿が。
怖っ!!
「…くっ」
ハティオさんが起き上がり周囲の状況を確認すると俺に視線を向けた。
カプラさんもゆっくりとだが起き上がってくる。
「…助かった、ありがとう」
ハティオさんがそう言ってくる。
若干顔が赤くなっているのに気付いて、なぜかこっちも顔が赤くなりそうな気がした。
なぜだ?
「助かりました、ありがとうございます」
続けてカプラさんも状況を把握したのか感謝してくる。
それに対して2人に気にしないでくださいと伝え男の方に視線を向ける。
男はもうすぐ俺達の前にある結界まで到達する。
予想外の速さだ。
でもだからといって諦める訳にはいかない。
その時、アスキルの解呪が終わった。
アスキルが少し動くのを皆が確認する。
それは動くものに対して反射的な行動だった。
ほんの少し目を離しただけで時間にすれば1秒にも満たないもの。
それでも男はそれを見逃さなかった。
鳥肌が立つ。
体から冷や汗が出る。
先程よりもさらに凶悪な気配が男の方向から発せられていた。
「…なっ!」
「これはっ!」
2人もその気配に気圧されてるのか驚き動けなくなっているようだ。
それでもすぐに動けるようになるだろう。
しかしその極僅かな時間が命取りになった。
「死ぬがいい」
男の方に振り向いた時には男は準備を終えていた。
なにかをこちらに向けているのが数枚の結界越しにわかる。
そしてそれは俺に向けられている。
回避する事も迎撃する暇も無かった。
男から放たれたそれは結界なんて無いものとばかりにブチ破り俺に接近する。
ハティオさん達が間に入ろうとするが間に合わない。
そしてそれは俺に苦も無く到達し常時張られている結界を貫通し俺に届いた。
結界があったのにとか、賢者先生なんとかしてよとか、もしかして死ぬのかとか、色々頭を過ぎったけどそんな考えはすぐに暗闇に沈んでしまう。
《緊急事態発生…対処するため…》
賢者先生の声が頭に響いてくるがそんな声さえも、そして意識さえも暗闇に沈んでいった。
大きな轟音と共に意識が浮上していく。
うっすら目を開けると目の前に床が見える。
視界に映っている自分の腕と思われるものを動かそうとするが中々思うように動いてくれない。
これが鉛のように動かない…という感覚なのかと頭の隅で思う。
というか俺今回の戦いで倒れすぎじゃね?
戦い?あっ!俺…どうなったんだ?
さっきから轟音と激しいエネルギーの余波がこっちにきてるけど誰かが戦ってるのか?
まだ全然状況がわかりません!
というか今ものすごくダルいです…。
確か男が攻撃して、それを俺は受けちゃったわけだけど…もしかしなくてもそれのせいで体動かないのか。
ならさっさと治療魔法を…ありゃ?
出来ない?嘘?どういうこと?
さっきから治療魔法を発動させようとしても、うんともすんともいわないので慌てて別のステータスを表示し確認してみると治療魔法だけでなく、他のいくつかのスキルにも現在使用不可の文字が。
ど、どういうことやねん!!
はっ!賢者先生!説明!!お願いします!
賢者先生の説明に俺はとても驚いた。
なんせ男が放ったものは強力な【呪い】の力だったからだ。
普通に受ければ即死は免れないぐらいのものみたい。
怖すぎる…。
じゃあなぜ俺が生きているのか…?
結界とか耐性とかが軽減してくれたのかな?と思ってたけど賢者先生はそれを否定した。
そんなんじゃ軽減出来ないと。
え?じゃあなんで生きてるの?という質問にちゃんと答えを出してくれた。
それはずばりゴーレム部隊のおかげらしい。
なんでゴーレム?と俺も思ったよ?
外にいるし全然意味がわからないと思ったんだけど、賢者先生の説明で納得する事が出来た。
簡単に言うとゴーレム部隊を身代わりにしたというただそれだけの事だった。
マジか!と思ったけど賢者先生が嘘なんかつかないだろうし、本当の事なんだろうな。
ゴーレム部隊を造った時に俺とゴーレムを回路で繋げていたみたいだ。
目的は感覚を共有しやすくするためとかだったみたいだけど、今回はその回路を通して呪いの力を分散させたらしい。
ただ、そのせいで外のゴーレム部隊は全部壊れてしまったらしいし、全ての呪いをゴーレム達に分散させる事は出来ず俺も少なからず食らってしまっているけど。
そのせいで体が動かないし、スキルの一部が使用不可になってるらしい。
分散させてこれとか、じゃあ分散させずに食らってたら文字通り即死してかもじゃん…。
怖っ!!
というか、ゴーレム部隊達全滅したのか…。
なんか身代わりにしてしまってごめん。
すんごい罪悪感があるけどまた生み出してやるから許してくれ!!
と、心の中でゴーレム達に謝罪していると先程まで激しい音を響かせていた戦闘音が止んだ。
無理矢理頭を上げて視線を動かすと男が消える瞬間だった。
無事だった万能感知により、転移だと理解する。
アイツも空間魔法を持っていたのか?と考えるが今はそれはいい。
ハティオさん達が勝ったんだ。
気が緩みそうになるけど、まだ終わってないと自分に言い聞かせる。
あの球体…あれを何とかしないといけない。
早くハティオさん達に伝えないと。
部屋の中央にあった球体。
それは今やバラバラに砕け散り床に散乱している。
ハビリオン魔導帝国の皇族しか入れない【叡智の部屋】のさらに奥深くにあるその球体の正体は巨大な【グランスピネル】だった。
前にノルス先生が言っていた魔石の最高峰の存在。
なぜそれがこんなところにあるのか、それは同じくノルス先生の授業で出てきた龍脈、それこそが理由。
かつて初代四天魔道士は荒れたこの地にあった龍脈の乱れを正し、再び乱れることのないようにハビリオンを建国した。
皇帝の役目はきっとこの【グランスピネル】の監視だったのだろう。
だからこそ皇帝はこの部屋に入れるのだ。
ここまで来ればもう理由はわかる。
【グランスピネル】は龍脈と繋がっていた。
どんな事をしたのかはわからないが初代皇帝と四天魔道士達はこの巨大な魔石に龍脈の力を抑え込む力を与えたのだろう。
だが、それは今や砕けて力を失っている。
それはこの国の破滅を意味するのだ。
ハティオさん達を吹き飛ばした男はこちらを鋭い眼光で睨みつけている。
それだけで体が震えそうになるが気を強く持つ。
何が起きたのかわからないけど、危険な状況には変わりない。
何とかしないと…。
「目的は完了したが…ふむ、厄介な者達を始末しておこうか」
男がゆっくりと近付いてくる。
2人はまだ動けないようだし、アスキルの解呪も終わってない。
このままだと…死ぬ。
諦める訳にはいかない。
まだ全ての力を出し切ったわけじゃない。
色々準備してきたじゃないか、今使わないでどうする!
俺は手に魔封石を握りしめる。
【無量空間】から取り出したのだ。
それを思いっきり男に投げつける。
予想通り男は攻撃して破壊する。
それでもいい。
次から次へと取り出し投擲する。
それを繰り返す。
男は時に攻撃し、時に躱し、魔封石を淡々と捌いていく。
魔封石は粉々に散ったり地面に転がったりして地面に散乱する。
それこそがポイントなのだ。
面倒だと思ったのか一気に距離を詰めようと男が動いたその瞬間、地面に転がる無傷の魔封石の魔法が解き放たれた。
それは拘束であり、封印であり、結界。
一瞬のうちに発動した魔法は半透明の壁となり、男の周囲に、そして俺達の周囲にいくつもそびえ立った。
「チィッ!!」
男は壁を殴りつける。
それだけで結界はヒビ割れ砕けそうになる。
そこまで強い結界ではないけど、そこまで脆くないと思っていただけにそれを為した男の力に驚く。
それでも想定内、今のうちに回復をすませる。
アスキルの解呪と並行して2人の治療を始める。
幸いにも気絶してるだけですぐに意識を取り戻してくれた。
傷もそこまで深くなかったので瞬時に治すことに成功した。
でもまだ万全じゃないし、男に勝てるかどうかもわからない。
「ガアアアアアア!!!」
先程のような叫び声が響き渡り、続けて結界が破壊されるような音が複数聞こえてくる。
そちらを向けば結界を破壊しながらこちらに向かってくる男の姿が。
怖っ!!
「…くっ」
ハティオさんが起き上がり周囲の状況を確認すると俺に視線を向けた。
カプラさんもゆっくりとだが起き上がってくる。
「…助かった、ありがとう」
ハティオさんがそう言ってくる。
若干顔が赤くなっているのに気付いて、なぜかこっちも顔が赤くなりそうな気がした。
なぜだ?
「助かりました、ありがとうございます」
続けてカプラさんも状況を把握したのか感謝してくる。
それに対して2人に気にしないでくださいと伝え男の方に視線を向ける。
男はもうすぐ俺達の前にある結界まで到達する。
予想外の速さだ。
でもだからといって諦める訳にはいかない。
その時、アスキルの解呪が終わった。
アスキルが少し動くのを皆が確認する。
それは動くものに対して反射的な行動だった。
ほんの少し目を離しただけで時間にすれば1秒にも満たないもの。
それでも男はそれを見逃さなかった。
鳥肌が立つ。
体から冷や汗が出る。
先程よりもさらに凶悪な気配が男の方向から発せられていた。
「…なっ!」
「これはっ!」
2人もその気配に気圧されてるのか驚き動けなくなっているようだ。
それでもすぐに動けるようになるだろう。
しかしその極僅かな時間が命取りになった。
「死ぬがいい」
男の方に振り向いた時には男は準備を終えていた。
なにかをこちらに向けているのが数枚の結界越しにわかる。
そしてそれは俺に向けられている。
回避する事も迎撃する暇も無かった。
男から放たれたそれは結界なんて無いものとばかりにブチ破り俺に接近する。
ハティオさん達が間に入ろうとするが間に合わない。
そしてそれは俺に苦も無く到達し常時張られている結界を貫通し俺に届いた。
結界があったのにとか、賢者先生なんとかしてよとか、もしかして死ぬのかとか、色々頭を過ぎったけどそんな考えはすぐに暗闇に沈んでしまう。
《緊急事態発生…対処するため…》
賢者先生の声が頭に響いてくるがそんな声さえも、そして意識さえも暗闇に沈んでいった。
大きな轟音と共に意識が浮上していく。
うっすら目を開けると目の前に床が見える。
視界に映っている自分の腕と思われるものを動かそうとするが中々思うように動いてくれない。
これが鉛のように動かない…という感覚なのかと頭の隅で思う。
というか俺今回の戦いで倒れすぎじゃね?
戦い?あっ!俺…どうなったんだ?
さっきから轟音と激しいエネルギーの余波がこっちにきてるけど誰かが戦ってるのか?
まだ全然状況がわかりません!
というか今ものすごくダルいです…。
確か男が攻撃して、それを俺は受けちゃったわけだけど…もしかしなくてもそれのせいで体動かないのか。
ならさっさと治療魔法を…ありゃ?
出来ない?嘘?どういうこと?
さっきから治療魔法を発動させようとしても、うんともすんともいわないので慌てて別のステータスを表示し確認してみると治療魔法だけでなく、他のいくつかのスキルにも現在使用不可の文字が。
ど、どういうことやねん!!
はっ!賢者先生!説明!!お願いします!
賢者先生の説明に俺はとても驚いた。
なんせ男が放ったものは強力な【呪い】の力だったからだ。
普通に受ければ即死は免れないぐらいのものみたい。
怖すぎる…。
じゃあなぜ俺が生きているのか…?
結界とか耐性とかが軽減してくれたのかな?と思ってたけど賢者先生はそれを否定した。
そんなんじゃ軽減出来ないと。
え?じゃあなんで生きてるの?という質問にちゃんと答えを出してくれた。
それはずばりゴーレム部隊のおかげらしい。
なんでゴーレム?と俺も思ったよ?
外にいるし全然意味がわからないと思ったんだけど、賢者先生の説明で納得する事が出来た。
簡単に言うとゴーレム部隊を身代わりにしたというただそれだけの事だった。
マジか!と思ったけど賢者先生が嘘なんかつかないだろうし、本当の事なんだろうな。
ゴーレム部隊を造った時に俺とゴーレムを回路で繋げていたみたいだ。
目的は感覚を共有しやすくするためとかだったみたいだけど、今回はその回路を通して呪いの力を分散させたらしい。
ただ、そのせいで外のゴーレム部隊は全部壊れてしまったらしいし、全ての呪いをゴーレム達に分散させる事は出来ず俺も少なからず食らってしまっているけど。
そのせいで体が動かないし、スキルの一部が使用不可になってるらしい。
分散させてこれとか、じゃあ分散させずに食らってたら文字通り即死してかもじゃん…。
怖っ!!
というか、ゴーレム部隊達全滅したのか…。
なんか身代わりにしてしまってごめん。
すんごい罪悪感があるけどまた生み出してやるから許してくれ!!
と、心の中でゴーレム達に謝罪していると先程まで激しい音を響かせていた戦闘音が止んだ。
無理矢理頭を上げて視線を動かすと男が消える瞬間だった。
無事だった万能感知により、転移だと理解する。
アイツも空間魔法を持っていたのか?と考えるが今はそれはいい。
ハティオさん達が勝ったんだ。
気が緩みそうになるけど、まだ終わってないと自分に言い聞かせる。
あの球体…あれを何とかしないといけない。
早くハティオさん達に伝えないと。
部屋の中央にあった球体。
それは今やバラバラに砕け散り床に散乱している。
ハビリオン魔導帝国の皇族しか入れない【叡智の部屋】のさらに奥深くにあるその球体の正体は巨大な【グランスピネル】だった。
前にノルス先生が言っていた魔石の最高峰の存在。
なぜそれがこんなところにあるのか、それは同じくノルス先生の授業で出てきた龍脈、それこそが理由。
かつて初代四天魔道士は荒れたこの地にあった龍脈の乱れを正し、再び乱れることのないようにハビリオンを建国した。
皇帝の役目はきっとこの【グランスピネル】の監視だったのだろう。
だからこそ皇帝はこの部屋に入れるのだ。
ここまで来ればもう理由はわかる。
【グランスピネル】は龍脈と繋がっていた。
どんな事をしたのかはわからないが初代皇帝と四天魔道士達はこの巨大な魔石に龍脈の力を抑え込む力を与えたのだろう。
だが、それは今や砕けて力を失っている。
それはこの国の破滅を意味するのだ。
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