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第3章 魔導帝国ハビリオン編

ネコババじゃないよ?

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俺は目の前の光景に驚いて動けなくなった

…え?だって…え?なにこれ…

いやまあ…必殺とは言ったけども…まさかガチの必殺になるとは…


「ギシャァァァッ!!!」

「どぅわっ!」

驚きすぎて魔法の嵐が止まってしまったようで…もう1体のクイーンビーが怒りながら毒を飛ばしてきた
それを回避しながらナイフごとクイーンビーを無量空間に回収

気配感知で確認すると目の前のクイーンビー以外はさっきの魔法嵐でアント達は全部倒せたようだ…ただしこの部屋に向かってきているアント達がまだいるので油断は出来ないけども…

「あ…」

クイーンビーの攻撃を回避していると視界に大きな卵が見える…
その卵は俺よりも2倍くらい高くて横にも大きい…そしてうっすらと白い光を放っていた

これさっき見たクイーンビーの卵(仮)じゃね?これも壊さないと…
…壊したらクイーンビーの幼生が出てきたりしないよね?
でも時間経過で生まれるなら早く破壊した方が良いかな?

というわけで回避しながら走って卵に近付く…するとなぜか違和感があることに気付いた
これはクイーンビーの卵だと思うのに魔物っぽさをあまり感じない…
卵に魔物っぽさなんてあるの?という言われるかもしれないが俺だってよくわかってないんだよ

でも魔物っぽくないのに不安を感じる
なんだろうこの感覚…嫌な感じだ
なのでさっさと破壊するに限る

待てよ?…これ回収出来ないかな?

回収出来ればこの不安の原因がわかるかもしれない…
それに今後同じような物を見つけた時の対策もしたいし…

《回収は可能です》

え?ホント?ならさっそく…

「ギシャァッ!!!」

「ヘイッ!!」

再び毒を飛ばしてきたクイーンビーから逃げながら卵に触れる…天使の封印を触った時みたいなことは起こらなかったので少し安心

そのまま何の抵抗も無く回収完了
クイーンビーが騒がしいがすでにお前は詰んでいるんだよ!

「振り向きざまショーット!!!」

説明しよう!この技は文字通り振り向きざまに無量空間に入れてある神秘のナイフをショットするという俺が今考えた必殺技なのだ!

気配感知などで場所はわかっているし賢者先生がタイミングを教えてくれたので問題は無い

綺麗な回転姿を見せながらクイーンビーに向かって飛ぶナイフ


サクッ…


そして刺さった…地面に

「………」

「……ギ?」


うーん…やはり筋力が無いね…全然届かんわ

「というわけで【炸裂する火種エクスプロージョン】!」

「ギシャァァッ!!」

みなさんは勘違いしてるかもしれないけど元々クイーンビー本体を狙ったわけじゃないぞ?

さっきのクイーンビー瞬殺事件でナイフが警戒されてるのを利用して牽制したわけだよ
地面に刺すことで一時的にこっちに近付けなくなってるしね

それに近くにはクイーンビーしかいないし俺の背後には穴があるけど何も気配を確認出来ないから一応後ろは大丈夫だと思う
これなら正面だけに集中出来る

「魔法弾連射!」

俺の周りで発生した魔法がクイーンビーに殺到する
ここで気を抜くとフラグが立つので全力で倒しにかかる
やったか…!なんて言わないよ?

クイーンビーが発射する毒は魔法の弾幕に弾かれ…それならと接近しようとするがやはり魔法の弾幕で近付けない
土魔法を使おうにも攻撃によって集中出来ないらしく使う気配が無い
ただ俺の魔力も物凄い勢いで消費されている
魔力が無くなればやられるかもしれない…

だからこそ早く終われ…!と思いながら魔法を撃ち続ける…

そして…

「ギ…ギャ…」

ズズン…と重量感のある音を響かせながらクイーンビーは遂に地面に倒れた


「…ぶはっ!」

無意識に息を止めてしまっていたらしく少しフラフラする…まぁ魔力残量がギリギリって事も原因だろうが…

でもまぁ…

「勝ったぁ!!…ゲホッ」

ずっと緊張状態だったから口が乾燥してるみたい…水…はありませんねはい

ボスは倒したし少し気を抜こうか…と思ったが帰るまでがダンジョンですっていう言葉が元の世界にあった気がするので再び気を引き締める

《…一定の経験値を取得しました…
それによりレベルが上がりました
…一定のレベルに達しました…条件を満たしましたためスキルの進化を行います…
…進化完了
これによりスキル【危険察知】が【危険感知】へと進化しました…
【火炎魔法レベル6】が【火炎魔法レベル7】になりました
【水流魔法レベル……》

さっきの戦いでレベルも上がったしスキルも進化したりレベルが上がっているようだ
まぁ…あとで確認だな

クイーンビーが死んでいるか確認してから近付き無量空間に回収
その時…クイーンビー達からすると俺って侵略者だよな…という考えが過ぎる

…まぁこの世界も弱肉強食みたいなものだし…一々気にしてたらやられちゃうもんね…
一応心の中で謝りながら後ろにある穴へと視線を移す
アント達やポイズンビー達はクイーンビーがいなくなったことがわかったのか混乱しているのが気配感知でわかる
近くで気絶してる二人と向こうにいた冒険者達は多分大丈夫だろうと穴の奥に向かって歩き出す

クイーンビー達がもういないので大丈夫だとは思うが周囲に気を配りながら進む
外にいるアスキル達も心配だしさっさと終わらせなくては…

薄暗い道を進んでいくとぼんやりと光る小さな部屋に出た
いや…光っているのは部屋ではなく部屋の中央に存在する箱のようなもの…これがダンジョンコアだろう

土で出来ている1本の柱の真ん中に埋め込まれるように存在するダンジョンコアは淡い青色に光っており神秘的な雰囲気がある
柱からは土が四方八方に張り巡らされておりまるで蜘蛛の巣みたいな感じだ
…蜂の巣じゃないんかい

賢者先生によると…これがダンジョンコアらしいのでさっさと破壊…いや回収する
ダンジョンコアがあれば好きな場所にダンジョン造れるんじゃね?という考えがあるからだ
…無理かもしれんが

そんな事を考えながら手を伸ばしてダンジョンコアに触れ…このまま回収したらダンジョン崩壊するんじゃない?

《問題ありません》

…そうですかい…

問題無いなら良いかと思い回収する…少し抵抗された気がするがそんなのは関係なく回収は無事完了

(さぁ…戻るか…)

賢者先生によると…
元々クイーンビーの巣なので完全に崩壊しないが…ダンジョン化した部分は崩れる恐れがあるとか
怖いな…さっさと帰ろう

それと捕まっている冒険者や村人達を脱出させるために時間は結構必要だし急がないとね…

クイーンビーを倒した空間に戻り…二人を守っていた結界を解除しながら暗黒魔法を使う
地面から現れた複数の手が二人を持ち上げ運んでいく
こういう時にも便利ですわ【影達の円舞シャドウワルツ

そのまま吹き抜けの空間まで戻り…視界に入った部屋に侵入
部屋の中には魔物の死骸が山のように置かれている

…これも回収っと…

…え?盗み?もうクイーンビーいないし?大丈夫だって!

部屋の中に二人を放置してからコソコソと魔物を回収する
アント達は近くにはいないので余裕を持って全てを回収したその時

ドドドドドッ…

「…ん?え?なに?なんなの?」

地響きのような音と共にダンジョンが揺れ始める
地震かっ!?と思い部屋から出て上を見上げると…

「え…」

滝のような大量の水が落ちてくるところだった





――――――――――――――――――――――――――――――

アオネコさんです

不定期更新としていましたが、週一更新としました!
こんな小説を楽しみに待ってる人…は、いないとは思いますが、申し訳ありませんm(*_ _)m

…これからもよろしくお願いします!




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