上 下
97 / 144
第3章 魔導帝国ハビリオン編

ナイフがいらない…だと…?

しおりを挟む
フェル達がポイズンビーに襲われている

アスキルがそう言った事で俺は慌ててアスキルに話しかける

「どこ!?早く助けに行かないと!」

遠視がどこまで見えるのかわからないけどフェル達と俺達はそんなに離れているわけじゃないと思う…だから早く助けないと…!

「落ち着けっ!…こっちだ!」

アスキルがそう言いながら走り出したので俺もその後ろについていく…その間も心の中ではすごく不安な気持ちでいっぱいだった…

「見えたっ!」

しばらく走っていると前方に小さいながらも誰かがいることがわかった…そしてその近くにいくつもの大きな影があることも…

「…っ!【闇の鎧ダークアーマー】!」

俺は走りながら魔法を展開する…俺の足元から影が伸びてきて鎧を形作りながらまとまっていく…ちなみに剣も作った

「ユウト!?なんだそれは!」

アスキルが俺の方を振り向きながらそう言うが気にしてはいられない
フェル達の戦闘力がどのくらいかはわからないけどポイズンビーの群れに勝てる程強くはないんじゃないか…と思う

「…ん?なんだあれは…?」

ようやく個人を認識出来る距離になってから初めて気付く…フェル達やポイズンビーの他になにか別の魔物みたいなものがいると

「…っ!あれはアントだ!まずいぞ…ポイズンビーのヤツらアントも従えてるのか!」

アスキルが焦ったように言うので俺も焦ってしまう…え?何アントって?アリの事?

ジッとアントという魔物がいるであろう場所を見てみると確かに黒いアリのような生き物がいることがわかる…アリのような…ってあれ…デカくね?アリって言っていいの?

ポイズンビー程の大きさのアリは何故か土の塊と戦っている…あれってもしかしてゴーレム?

ポイズンビーとアントがフェル達が作っただろうゴーレム数体と戦っている…そのゴーレムの背後にはフェル達がいて魔法をポイズンビー達に飛ばしている

…ここから魔法を撃とうにもフェル達に被弾しそう…このまま刺されるの覚悟でヤツらに突っ込むか…

痛いのは嫌だけどダークアーマーを装備してるし大丈夫だろうと思いながらアント達目掛けて突進する

「おいユウト!?そのまま突っ込む気か!?危ない!」

…ふっ…そんなのわかってらぁ…だがな?友を助けるためなら危険な所へも突っ込んでやらぁ!
…なんかごめんなさい

ちょっと恥ずかしい事を心で叫びながら俺は走る…
少し速度が落ちたアスキルを追い越して一番近くいたアントと呼ばれた魔物を剣で切り裂く

「ギャギャッ!!」

闇の剣はまるで豆腐を切るような感覚でアントを切り裂いた

「え!?誰!?」

フェルの声が聞こえるが気にしていられない…ポイズンビーとアント達がこちらに顔を向けて威嚇してくる

「うぉりゃあぁ!!コンチクショー!!」

剣技なんてよくわからないから剣を振り回しまくってアント達に攻撃する
剣はアント達の体をどんどん斬り裂いていきポイズンビー達も剣を警戒して中々こちらに近付けないようだ

時々紫色やら黄色やらのきりが見えたがお構い無しに攻撃を続ける…きっとこれが毒攻撃なんだろうけど俺には効かん!!

「おんどりゃぁぁ!」

近くを飛んでいたハチに向かって剣を振るが回避されてしまった…のでそのまま剣をポイズンビーに投げつける

「てぇい!!」

「ギャッ!」

投げるとは思っていなかったのだろう…ポイズンビーは回避出来ずに串刺しになった…南無

俺は落下するポイズンビーを見ながら再び剣を作り出す…魔力がある限りいくらでも出せるんじゃー!これぞチートじゃー!

「効かんわぁぁ!!」

攻撃してきたアントの牙は鎧に阻まれそのアントを斬り伏せる…

だがポイズンビー達も学習したのか距離をとってきた…だが

「【水の刃ウォータースラッシュ】!」

到着したアスキルが放った水の刃により回避出来なかった1匹のポイズンビーが落ちる

馬鹿め!俺達は魔法が使えるんだよ!!

「【火の弾丸ファイヤーバレット】!」

俺から放たれた弾丸はポイズンビー達の真ん中に着弾し炎上した

「ギャギャッ!」

「ギチギチギチッ!」

周りに飛び火したらしく群れが混乱する…そしてここがチャンスとばかりにフェル達も含め全員で攻撃した…
あわれポイズンビー…ついでにアントも…

《…一定の経験値を取得しました…
それによりレベルが上がりました》

お?また上がったわ


そして奴らが消し炭になったところでフェル達の方を振り向くが…みんな驚いているようだった

「大丈夫だったかい?」

アスキルが俺の前では全くと言っていいほど見せないキラキラ美少年スマイルでフェル達に話かける…この変わる速さはもう賞賛ですわ

「は…はい…でもまさか皇子とユウトがこんな所にいるとは思いませんでした」

チラッとこちらを見る4人…話によると今日は森で討伐練習をしようとしていたらしいのだが運悪くポイズンビーの群れに遭遇してしまったらしい…

「助かりました!ありがとうございます皇子!」

4人ともアスキルに頭を下げてお礼を言っている…ちょ…アスキルはウォータースラッシュ使っただけでしょ!?
そんな事を思っていたらフェル達がこちらに来て

「ユウトありがとう!それとその鎧凄いね!!カッコイイ!」

とか言ってくるので少し照れてしまった…なんか俺チョロいな!!
そしてサラマンダー!お前何もやってないだろ!足に引っ付くんじゃない!

・・・


俺達は元ポイズンビー達を回収した後…まぁほとんど消し炭だから残ってるのは魔石ぐらいだけど…臨時会議を開くことにした
会議の内容はもちろんポイズンビー達に関してだ…ちなみに鎧は解除してるよ?


「ポイズンビーとアントが一緒にいるということは危険度が跳ね上がったと言ってもいいだろうね…もちろんクイーンビーは既に発生しているだろう…」

アスキルがキラキラエフェクトを出しながらみんなに話しているが…そしてみんなも頷いているけど俺だけちょっと理解してない…あの…説明を…

そう言うとフェルが丁寧に説明してくれた…ありがたやー!

ポイズンビーはクイーンビーが発生すると巣の拡大と防衛…さらに自分達の支配領域を増やそうと動く…だがいくら【産卵】があるとはいえポイズンビーの数には限りがある…なのでそこで登場するのがアント系の魔物らしい

「アント達に巣の防衛と支配領域の拡大…それと狩りの役目を担ってもらうんだよ」

「なるほど」

そしてポイズンビーは対価としてアント達に食べ物を供給したり繁殖の手伝いをしたりするらしい…
元の世界でもこういう生き方する動物っていた気がするわ…こっちでは規模が違うけど…

「それでね?ポイズンビーがアント達を使役し始めるのは巣が大きくなってからなんだ…だからすぐにでもなんとかしないといけないんだよ」

フェルの説明に納得する…そりゃあどんどん巣を大きくされたらいずれハビリオンまで侵攻してくるんじゃないだろうか…まぁウィアベルさん達もいるし無駄な事だとは思うけどその前に冒険者や近くの村…あるのかわからんが…襲われたら被害は大きくなりそうだ…
というか既に巣は大きくなってるだろうし手遅れなんじゃ…

いや…それは言うまい…











しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

神様お願い!~神様のトバッチリで異世界に転生したので心穏やかにスローライフを送りたい~

きのこのこ
ファンタジー
旧題:神様お願い!〜神様のトバッチリを受けた定年おっさんは異世界に転生して心穏やかにスローライフを送りたい〜 突然白い発光体の強い光を浴びせられ異世界転移?した俺事、石原那由多(55)は安住の地を求めて異世界を冒険する…? え?謎の子供の体?謎の都市?魔法?剣?魔獣??何それ美味しいの?? 俺は心穏やかに過ごしたいだけなんだ! ____________________________________________ 突然謎の白い発光体の強い光を浴びせられ強制的に魂だけで異世界転移した石原那由多(55)は、よちよち捨て子幼児の身体に入っちゃった! 那由多は左眼に居座っている神様のカケラのツクヨミを頼りに異世界で生きていく。 しかし左眼の相棒、ツクヨミの暴走を阻止できず、チート?な棲家を得て、チート?能力を次々開花させ異世界をイージーモードで過ごす那由多。「こいつ《ツクヨミ》は勝手に俺の記憶を見るプライバシークラッシャーな奴なんだ!」 そんな異世界は優しさで満ち溢れていた(え?本当に?) 呪われてもっふもふになっちゃったママン(産みの親)と御親戚一行様(やっとこ呪いがどうにか出来そう?!)に、異世界のめくるめくグルメ(やっと片鱗が見えて作者も安心)でも突然真夜中に食べたくなっちゃう日本食も完全完備(どこに?!)!異世界日本発福利厚生は完璧(ばっちり)です!(うまい話ほど裏がある!) 謎のアイテム御朱印帳を胸に(え?)今日も平穏?無事に那由多は異世界で日々を暮らします。 ※一つの目的にどんどん事を突っ込むのでスローな展開が大丈夫な方向けです。 ⭐︎第16回ファンタジー小説大賞にて奨励賞受賞を頂きました!読んで投票して下さった読者様、並びに選考してくださったスタッフ様に御礼申し上げますm(_ _)m今後とも宜しくお願い致します。

その男、有能につき……

大和撫子
BL
 俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか? 「君、どうかしたのかい?」  その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。  黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。  彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。  だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。  大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?  更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!

え?私、最強なんですか?~チートあるけど自由気ままに過ごしたい~

猫野 狗狼
ファンタジー
神様の手違いで転生してしまう主人公ナナキ、ちょっとボケた神様はステータスすらとんでもないことにしちゃって…!?ナナキの所に神様やら聖獣やら精霊王やら集まってくるけど、周りの人達のおかげで今日も今日とて元気に暮らせます。そして、自分からやらかすナナキだけどほとんど無自覚にやっています。そんな女の子が主人公の話です。 表紙は、左上がハデス、真ん中がナナキ、右上がゼウス、ナナキの隣がアポロ、右下がヘファイストスです。 ド素人な私が描いた絵なので下手だと思いますが、こんな感じのキャラクターなんだとイメージして頂けたら幸いです。他の人達も描きたかったのですが、入りきりませんでした。すいません。 稚拙ですが、楽しんでもらえたら嬉しいです。 お気に入り700人突破!ありがとうございます。

【完結】父を探して異世界転生したら男なのに歌姫になってしまったっぽい

おだししょうゆ
BL
超人気芸能人として活躍していた男主人公が、痴情のもつれで、女性に刺され、死んでしまう。 生前の行いから、地獄行き確定と思われたが、閻魔様の気まぐれで、異世界転生することになる。 地獄行き回避の条件は、同じ世界に転生した父親を探し出し、罪を償うことだった。 転生した主人公は、仲間の助けを得ながら、父を探して旅をし、成長していく。 ※含まれる要素 異世界転生、男主人公、ファンタジー、ブロマンス、BL的な表現、恋愛 ※小説家になろうに重複投稿しています

主人公の兄になったなんて知らない

さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を レインは知らない自分が神に愛されている事を 表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

天涯孤独になった少年は、元兵士の優しいオジサンと幸せに生きる

ir(いる)
BL
ファンタジー。最愛の父を亡くした後、恋人(不倫相手)と再婚したい母に騙されて捨てられた12歳の少年。30歳の元兵士の男性との出会いで傷付いた心を癒してもらい、恋(主人公からの片思い)をする物語。 ※序盤は主人公が悲しむシーンが多いです。 ※主人公と相手が出会うまで、少しかかります(28話) ※BL的展開になるまでに、結構かかる予定です。主人公が恋心を自覚するようでしないのは51話くらい? ※女性は普通に登場しますが、他に明確な相手がいたり、恋愛目線で主人公たちを見ていない人ばかりです。 ※同性愛者もいますが、異性愛が主流の世界です。なので主人公は、男なのに男を好きになる自分はおかしいのでは?と悩みます。 ※主人公のお相手は、保護者として主人公を温かく見守り、支えたいと思っています。

処理中です...