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第3章 魔導帝国ハビリオン編
なぜか少しシリアス
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ノルス先生の話によるとフェル君の母親…ノルス先生の奥さんは既に亡くなっているらしい
「オーレントにはとても偏った文化があってな…」
オーレントでは獣人至上主義という文化があり獣人以外の種族を迫害したりするし半獣人ですら獣人ではない!ということでいじめられたりするらしい
そして肉食獣人(元の世界でいう肉食動物)が一番地位が高くいつも弱肉強食の世界だという…恐ろしい…
「オーレントは戦闘力があればあるほど良いという考え方だから自然に現帝王はオーレントで一番の戦闘力を持っている獣人になるわけだ」
ノルス先生はそこまで言ってからフゥ…と息を吐く
…この世界じゃそんな文化があるのも仕方ないのかな?獣人は身体能力が高いし…でも俺からすると変な文化だなと思うけど…ノルス先生も呆れてる感じだしみんな少しは俺と同じように思ってるのかも…
そんな中ノルス先生と奥さんは小さい町で兵士として生活していたらしい
「俺達は獣人至上主義の考え方はあまり好きじゃなかったんだ…」
だから2人はコツコツお金を貯めてオーレント大陸から出ようと決めていた…そしてそんな生活を続けていた時にフェル君が生まれたらしい
「フェルが生まれてから俺達は更にオーレント大陸から離れる気持ちが増えたんだ…フェルには俺たちのような危険と隣合わせの生活はしてほしくないし獣人至上主義の考え方が身近にあるのも嫌だったからだ」
オーレントにいれば俺達が教えずとも自然とそういう考え方がある事がフェルに知られてしまう…フェルには自由な考え方をしてほしい…だからこそ2人は急いだ
「それがいけなかったんだ」
ノルス先生は俯くと苦しそうに喋りだした…
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「緊急招集?」
俺は家に届いた手紙を読んでそう呟いた
内容はこの町から少し離れたところに危険性の高い魔物が現れたとのことでその近くの街などにいる軍に属する兵士がその討伐に参加せよ…との命令だった
小さな町の兵士とはいえ俺達夫婦は軍人だ…この討伐に参加する義務がある…だが…
「ノル…」
後ろで手紙を覗いていた妻が俺に声をかける
「ああ…フェルが生まれたからな」
緊急招集は基本的には応じなければならないが夫婦の間に生後1年以下の子供がいれば拒否することが出来る
だから俺はこの緊急招集を拒否しようとした…
「行こう」
だから妻がそう言った事に驚いてしまった
「な!危険だろ!それにフェルもいるんだ!」
「だがこれを見ろよ」
妻が指で手紙の下の方を指した…そこには討伐が成功した時の報酬金が書かれていた
「これだけの纏まったお金が手に入ればすぐにでもこの大陸を出られる」
「っ…しかし!」
妻の言う通りだった…少しづつお金を貯めていた事もありここに書かれている報奨金が手に入ればすぐにでも行動できる…フェルはもうすぐ物心がついてくる…だから急ぎたいのはわかる…だが
「これだけの報奨金ということは災害級…いや…それ以上かもしれないんだ!危険過ぎる!」
俺達はギルドに入っていなかったから魔物のランクはよくわからないが今回の討伐対象がとても危険な相手だとは理解出来る
「フェルは?置いていくつもりか?」
もし俺達がその魔物にやられたりすればフェルは1人になってしまう…そうなれば今までの苦労が全て水の泡だ
「………」
妻は少し俯いて…そして何かを決めたようにこちらに顔を向けた
「俺が行く」
「……え?」
どういうことだ?妻の言葉がいまひとつ理解できない
「どういうことだ…?」
「この報奨金は一人分でも十分な量になる…ノルお前はここでフェルと待っていろ…俺が行ってくる」
「何を言ってる!」
お前は母親だろう!なら俺が行く!…そう言ったが妻の決心は固かった
「フェルはもうミルクじゃなく普通の食事が出来る…ここからは母親でなく父親が育てる番だろ?その父親がいなかったら困る」
「フェルの気持ちはどうするんだ!お前がもし…」
「ははっ…獣人は親離れが早い…それに人間種と違ってそこまで親に強い感情を抱かないだろ?」
だから大丈夫だ…という妻に俺は何も言えなかった…妻の目がもう揺るがないと諦めたからかもしれない
「…必ず帰ってこい」
だから俺はこれしか妻に言えなかった
「ああ」
そう返した妻は木のかごの中で毛布に包まれたフェルの頭を優しく撫でた
・・・
妻が討伐に出てから数日が経った…俺はいつものように仕事を終えて家に帰る
「あぅ…あぅ…」
俺が帰ってきたことがわかったのか今まで寝ていたフェルがパチッと目を開けて俺に手を伸ばす
俺はフェルを抱き上げて頬同士をくっつける
「…母ちゃん早く帰ってくるといいな」
俺がそうポツリと呟いた時…ふと家の外に気配を感じた
俺はすぐにフェルをカゴの中に戻して家のドアを開ける…そこには
「…ノル…ただ…いま…」
そこには妻が立っていた…だが様子がおかしい…鎧はボロボロだしふらついている上に喋りづらそうだ
「…っおい!?どうした!?」
妻は俺を見た後こっちに倒れかかってきた…すぐに運んでベッドに寝かせる
「…ぐ…ノル…」
「喋るな!」
時折辛そうに体を固くする妻を見て原因を探す…血の匂いはしないが…どこか怪我をしているのか?どこだ?なにかの病気?一体…
俺はもう本来の機能を果たせそうにないほどボロボロになった妻の鎧を剥いでいき体を見る…すると
「…っ!これは!?」
妻の体…首元から胸…そして下半身が不快な黒い色に染まっていた…
「…討伐…は成功…した…んだ」
そういって冷や汗をかく顔を動かし笑顔を見せる妻…その討伐対象の魔物にやられたのだろう…だが
「薬は!ポーションは軍にあるだろう!毒ならすぐに…」
「無理…だ」
俺達夫婦は軍人で肉食獣人だとしても階級としては一番下…薬やポーションはほとんど配給されることはない…だがこの状態の妻を誰も手当てしなかったのか!?
「それ…がな?」
妻の話によるとやはり討伐対象の魔物の毒を受けてこうなったらしい…
そしてこの毒は特別な解毒薬でなければ治せないようでその解毒薬の数は少なく…全て上の階級の軍人が使い一番下の軍人達には配給されなかったそうだ
「そ…そんな…」
目の前で弱っている妻を助けられない…俺はその事実に絶望した…
「っ!その薬を買えば!」
特別といっても大きな街なら1本くらいあるだろうと思い行動しようとするが妻に止められる
「俺の…体はもう…もたない…」
息も絶え絶えになっている妻がそう言うがもしかしたら間に合うかもしれないという思いを捨てきれない
「…だからっ!」
妻は急に叫ぶようにそう言って俺の腕を掴む…そんな体のどこに力が…と思うような強さだった
「俺…の事はいい!…フェル…フェルと…お前…は…生きてくれ…!」
思いの全てを託すように強く輝く目に…俺は自然と頷いてしまっていた
「ああ…わかった…!必ずフェルを育ててみせる!だから…だから安心しろ!」
俺は妻の手を両手で掴み強く宣言した…妻はその言葉に笑顔をみせて
「ああ」
そう言った
それが最後の言葉だった
・・・
「あぅ…あぅ…」
腕の中のフェルが俺の顔に手を伸ばしてペタペタ触ってくる
「そうだな…さぁ行くか…」
朝日が降り注ぐ丘の上…俺の目の前には文字を彫った石が置かれている
俺とフェルはこれからアルマデア大陸に渡り生活する…きっとあいつも見守ってくれるだろう…
俺達の背中を押すように一陣の風が吹き抜けた
「オーレントにはとても偏った文化があってな…」
オーレントでは獣人至上主義という文化があり獣人以外の種族を迫害したりするし半獣人ですら獣人ではない!ということでいじめられたりするらしい
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ノルス先生はそこまで言ってからフゥ…と息を吐く
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そんな中ノルス先生と奥さんは小さい町で兵士として生活していたらしい
「俺達は獣人至上主義の考え方はあまり好きじゃなかったんだ…」
だから2人はコツコツお金を貯めてオーレント大陸から出ようと決めていた…そしてそんな生活を続けていた時にフェル君が生まれたらしい
「フェルが生まれてから俺達は更にオーレント大陸から離れる気持ちが増えたんだ…フェルには俺たちのような危険と隣合わせの生活はしてほしくないし獣人至上主義の考え方が身近にあるのも嫌だったからだ」
オーレントにいれば俺達が教えずとも自然とそういう考え方がある事がフェルに知られてしまう…フェルには自由な考え方をしてほしい…だからこそ2人は急いだ
「それがいけなかったんだ」
ノルス先生は俯くと苦しそうに喋りだした…
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「緊急招集?」
俺は家に届いた手紙を読んでそう呟いた
内容はこの町から少し離れたところに危険性の高い魔物が現れたとのことでその近くの街などにいる軍に属する兵士がその討伐に参加せよ…との命令だった
小さな町の兵士とはいえ俺達夫婦は軍人だ…この討伐に参加する義務がある…だが…
「ノル…」
後ろで手紙を覗いていた妻が俺に声をかける
「ああ…フェルが生まれたからな」
緊急招集は基本的には応じなければならないが夫婦の間に生後1年以下の子供がいれば拒否することが出来る
だから俺はこの緊急招集を拒否しようとした…
「行こう」
だから妻がそう言った事に驚いてしまった
「な!危険だろ!それにフェルもいるんだ!」
「だがこれを見ろよ」
妻が指で手紙の下の方を指した…そこには討伐が成功した時の報酬金が書かれていた
「これだけの纏まったお金が手に入ればすぐにでもこの大陸を出られる」
「っ…しかし!」
妻の言う通りだった…少しづつお金を貯めていた事もありここに書かれている報奨金が手に入ればすぐにでも行動できる…フェルはもうすぐ物心がついてくる…だから急ぎたいのはわかる…だが
「これだけの報奨金ということは災害級…いや…それ以上かもしれないんだ!危険過ぎる!」
俺達はギルドに入っていなかったから魔物のランクはよくわからないが今回の討伐対象がとても危険な相手だとは理解出来る
「フェルは?置いていくつもりか?」
もし俺達がその魔物にやられたりすればフェルは1人になってしまう…そうなれば今までの苦労が全て水の泡だ
「………」
妻は少し俯いて…そして何かを決めたようにこちらに顔を向けた
「俺が行く」
「……え?」
どういうことだ?妻の言葉がいまひとつ理解できない
「どういうことだ…?」
「この報奨金は一人分でも十分な量になる…ノルお前はここでフェルと待っていろ…俺が行ってくる」
「何を言ってる!」
お前は母親だろう!なら俺が行く!…そう言ったが妻の決心は固かった
「フェルはもうミルクじゃなく普通の食事が出来る…ここからは母親でなく父親が育てる番だろ?その父親がいなかったら困る」
「フェルの気持ちはどうするんだ!お前がもし…」
「ははっ…獣人は親離れが早い…それに人間種と違ってそこまで親に強い感情を抱かないだろ?」
だから大丈夫だ…という妻に俺は何も言えなかった…妻の目がもう揺るがないと諦めたからかもしれない
「…必ず帰ってこい」
だから俺はこれしか妻に言えなかった
「ああ」
そう返した妻は木のかごの中で毛布に包まれたフェルの頭を優しく撫でた
・・・
妻が討伐に出てから数日が経った…俺はいつものように仕事を終えて家に帰る
「あぅ…あぅ…」
俺が帰ってきたことがわかったのか今まで寝ていたフェルがパチッと目を開けて俺に手を伸ばす
俺はフェルを抱き上げて頬同士をくっつける
「…母ちゃん早く帰ってくるといいな」
俺がそうポツリと呟いた時…ふと家の外に気配を感じた
俺はすぐにフェルをカゴの中に戻して家のドアを開ける…そこには
「…ノル…ただ…いま…」
そこには妻が立っていた…だが様子がおかしい…鎧はボロボロだしふらついている上に喋りづらそうだ
「…っおい!?どうした!?」
妻は俺を見た後こっちに倒れかかってきた…すぐに運んでベッドに寝かせる
「…ぐ…ノル…」
「喋るな!」
時折辛そうに体を固くする妻を見て原因を探す…血の匂いはしないが…どこか怪我をしているのか?どこだ?なにかの病気?一体…
俺はもう本来の機能を果たせそうにないほどボロボロになった妻の鎧を剥いでいき体を見る…すると
「…っ!これは!?」
妻の体…首元から胸…そして下半身が不快な黒い色に染まっていた…
「…討伐…は成功…した…んだ」
そういって冷や汗をかく顔を動かし笑顔を見せる妻…その討伐対象の魔物にやられたのだろう…だが
「薬は!ポーションは軍にあるだろう!毒ならすぐに…」
「無理…だ」
俺達夫婦は軍人で肉食獣人だとしても階級としては一番下…薬やポーションはほとんど配給されることはない…だがこの状態の妻を誰も手当てしなかったのか!?
「それ…がな?」
妻の話によるとやはり討伐対象の魔物の毒を受けてこうなったらしい…
そしてこの毒は特別な解毒薬でなければ治せないようでその解毒薬の数は少なく…全て上の階級の軍人が使い一番下の軍人達には配給されなかったそうだ
「そ…そんな…」
目の前で弱っている妻を助けられない…俺はその事実に絶望した…
「っ!その薬を買えば!」
特別といっても大きな街なら1本くらいあるだろうと思い行動しようとするが妻に止められる
「俺の…体はもう…もたない…」
息も絶え絶えになっている妻がそう言うがもしかしたら間に合うかもしれないという思いを捨てきれない
「…だからっ!」
妻は急に叫ぶようにそう言って俺の腕を掴む…そんな体のどこに力が…と思うような強さだった
「俺…の事はいい!…フェル…フェルと…お前…は…生きてくれ…!」
思いの全てを託すように強く輝く目に…俺は自然と頷いてしまっていた
「ああ…わかった…!必ずフェルを育ててみせる!だから…だから安心しろ!」
俺は妻の手を両手で掴み強く宣言した…妻はその言葉に笑顔をみせて
「ああ」
そう言った
それが最後の言葉だった
・・・
「あぅ…あぅ…」
腕の中のフェルが俺の顔に手を伸ばしてペタペタ触ってくる
「そうだな…さぁ行くか…」
朝日が降り注ぐ丘の上…俺の目の前には文字を彫った石が置かれている
俺とフェルはこれからアルマデア大陸に渡り生活する…きっとあいつも見守ってくれるだろう…
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