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:第33話 「狩人:1」
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:第33話 「狩人:1」
これまでじっと隠れ潜んでいた王立軍は、昨日制圧することができなかった陣地をあっさりと占領できてすっかり油断していた連邦軍に対し、一斉に反撃を開始した。
対戦車砲の発砲はない。
丘と丘の間にある小川に向かって、斜面に沿って下向きに設置されたそれは、仰角が足りず丘の上を狙うことができないのと、別の用途で使うべく準備がされていたからだ。
他の仲間と共にこの場に残って戦うと決めたアランも、標尺板の射距離を八百メートルに合わせ、目を細めながら肉眼で必死に目標を見定めて引き金を引いた。
命中したのかどうかは、わからない。
だが、とにかく敵がいる場所に向かって、撃つ。
伏せ撃ちの姿勢で発砲し、銃を地面に置いた倒木に預けて狙いを逸らさないようにしながら素早くボルトを操作して次弾を薬室に送り込み、また発砲。
装填されていた五発を撃ち切るとクリップに納められた弾薬を押し込み、再び狙いを定める。
人間に向かって、撃っている。
その認識はアランの心に戸惑いと怖れを生じさせたが、今はそれを克服して、平静を保つことができる。
彼はこの場に、自発的に残ると決めたのだ。
覚悟は昨晩の内に定まっている。
後悔がない、といえば嘘になる。
未練だって、数え出せばキリがないほどに出て来るのに違いない。
それでもアランは、戦うためにこの場にいる。
突然射撃を受けた連邦軍の将兵は逃げ惑っていた。
武器を置き、のんびりと休息しようとしていたところだったのだ。
中には鉄兜を脱いでいた者さえもおり、多くの者が発砲音と、近くをかすめて行った弾丸の風切り音に驚いて手に持っていたものを放り出し、砲弾でできたクレーターや戦車の影に飛び込んでいく。
だが、実際に与えることができた被害は軽微なものであった。
小火器による攻撃、しかもスコープなしでアイアンサイトを使用した射撃では十分な精度を確保できず、発射された弾丸の多くは目標を外れてしまったからだ。
しかも、攻撃に参加した王立軍の将兵が少ない。
志願してこの場に残っているのは百名を超える程度でしかなく、また、そこに参加しているのは小火器による射撃を得意としている者ばかりではなかった。
それでも数十名の連邦軍の将兵が死傷することになっていた。
多くの者が無警戒に分隊単位で固まっていたため、精度の低い射撃でも数を撃ち込めばいくらかは命中してしまったのだ。
王立軍側に完全な奇襲を許すという失態を犯してしまったとはいえ、連邦軍の混乱はすぐに収まって行った。
丘の上に顔を出していた兵力はごく一部に過ぎず、その後方にはさらに多くの将兵がひしめいていたからだ。
まだ敵軍が踏みとどまっていた。
その詳細は明らかではないが、どうやらこちらよりはずいぶん、少ないらしい。
そう判断を下した連邦軍の指揮官は即座に臨戦態勢を整えるように命令し、攻撃を開始することを決意していた。
もとより、彼らは王国を占領してしまうつもりなのだ。
王立軍を撃破することはそのために必要な行為であり、ここで敵と接触した、というのならば、兵力で優勢にある以上は躊躇(ちゅうちょ)することなく交戦することを選んでくる。
指揮官から次になにをするべきか、という指針が示されたことで、兵士たちの動揺も収まった。
そして彼らはそれぞれの武器を確認し、分隊ごとに集合して臨戦態勢を整えると、将校が吹き鳴らす鋭い笛の音色を合図として、盾の役割を果たしていた戦車を先頭に押し立てて突撃を開始した。
「よし、もういい! 予定通りに煙幕弾を撃ってくれ! 」
「……了解! 」
その様子を目にしたベイル軍曹がルッカ伍長に命じると、彼女は残っていた弾倉が空になるまで発砲してから持っていた短機関銃を地面の上に放り出し、対戦車砲に取りついた。
これまで射撃を控えていた、分隊にとっての相棒。
その内部には徹甲弾ではなく、煙幕を発生させる発煙弾が仕込まれていた。
照準は、あらかじめ敵が駆け下って来る丘の中腹辺りに定められている。
修正の必要がないことを短い時間で確認すると、伍長は引き金を引き、発煙弾を撃ち込んだ。
「装填完了! 」
これまでと同じように、澱みない動きでミュンター上等兵が次の発煙弾を装填する。
すると、ルッカ伍長はそのまま、少しだけ照準を横にずらしてもう一度引き金を引いていた。
同様の行為が、生き残っていた第二大隊所属の十門の砲すべてから行われていく。
そうして、連邦軍と王立軍との間には濃密な煙幕によるカーテンができあがっていた。
風はほぼ凪いでいるため煙はほとんど垂直に立ち上り、視界を遮る壁となっている。
「よぅし、いい感じだ! 」
作戦で取り決めていた通りの煙幕の出来栄えに満足そうに微笑んだベイル軍曹は、発煙弾の発射はもう十分だ、次は徹甲弾を装填しろと命じた。
アランはG・Jと協力して、弾薬箱の蓋(ふた)をこじ開ける。
中に詰まっているのは、奇跡的に到着した特殊徹甲弾。
タングステンを使用した特殊合金を弾芯に用いた、特別製だ。
大隊に、たったの五十発だけ送り届けられた貴重品。
十門の生き残りで均等に分配したため、B分隊には五発の割り当てがある。
皆の願いを集めながらそれが装填されると、ルッカ伍長は照準を修正し、煙幕の途切れる辺りに狙いをつける。
———王立陸軍が形成した煙幕に戸惑いながらも、連邦軍は突撃をやめてはいなかった。
濃い白煙の向こうからは戦車のエンジン音、キャタピラの軋(きし)む音、そして将校が勇ましく吹き鳴らす号令の笛と、兵士たちがあげる雄叫びが轟(とどろ)いて来ている。
そして、その片鱗(へんりん)が煙幕を突き破ってあらわれた瞬間だった。
「目標、正面、丘を下って来る敵戦車! 距離三百メートル! 速やかに撃てぇっ! 」
肩を強くつかんだベイル軍曹の叫び声に応えるかのように素早く照準を修正したルッカ伍長は、三十七ミリ対戦車砲を咆哮(ほうこう)させる。
放たれた砲弾は、三百メートルの距離を一瞬で飛翔した。
そして斜面を下って来る敵戦車の正面装甲を捉え、———貫徹する。
こちらの攻撃をまったく寄せ付けなかったはずの、鋼鉄の怪物。
対戦車猟兵、狩人たちの手によって仕留められたその巨体から、断末魔が炎となって溢(あふ)れた。
これまでじっと隠れ潜んでいた王立軍は、昨日制圧することができなかった陣地をあっさりと占領できてすっかり油断していた連邦軍に対し、一斉に反撃を開始した。
対戦車砲の発砲はない。
丘と丘の間にある小川に向かって、斜面に沿って下向きに設置されたそれは、仰角が足りず丘の上を狙うことができないのと、別の用途で使うべく準備がされていたからだ。
他の仲間と共にこの場に残って戦うと決めたアランも、標尺板の射距離を八百メートルに合わせ、目を細めながら肉眼で必死に目標を見定めて引き金を引いた。
命中したのかどうかは、わからない。
だが、とにかく敵がいる場所に向かって、撃つ。
伏せ撃ちの姿勢で発砲し、銃を地面に置いた倒木に預けて狙いを逸らさないようにしながら素早くボルトを操作して次弾を薬室に送り込み、また発砲。
装填されていた五発を撃ち切るとクリップに納められた弾薬を押し込み、再び狙いを定める。
人間に向かって、撃っている。
その認識はアランの心に戸惑いと怖れを生じさせたが、今はそれを克服して、平静を保つことができる。
彼はこの場に、自発的に残ると決めたのだ。
覚悟は昨晩の内に定まっている。
後悔がない、といえば嘘になる。
未練だって、数え出せばキリがないほどに出て来るのに違いない。
それでもアランは、戦うためにこの場にいる。
突然射撃を受けた連邦軍の将兵は逃げ惑っていた。
武器を置き、のんびりと休息しようとしていたところだったのだ。
中には鉄兜を脱いでいた者さえもおり、多くの者が発砲音と、近くをかすめて行った弾丸の風切り音に驚いて手に持っていたものを放り出し、砲弾でできたクレーターや戦車の影に飛び込んでいく。
だが、実際に与えることができた被害は軽微なものであった。
小火器による攻撃、しかもスコープなしでアイアンサイトを使用した射撃では十分な精度を確保できず、発射された弾丸の多くは目標を外れてしまったからだ。
しかも、攻撃に参加した王立軍の将兵が少ない。
志願してこの場に残っているのは百名を超える程度でしかなく、また、そこに参加しているのは小火器による射撃を得意としている者ばかりではなかった。
それでも数十名の連邦軍の将兵が死傷することになっていた。
多くの者が無警戒に分隊単位で固まっていたため、精度の低い射撃でも数を撃ち込めばいくらかは命中してしまったのだ。
王立軍側に完全な奇襲を許すという失態を犯してしまったとはいえ、連邦軍の混乱はすぐに収まって行った。
丘の上に顔を出していた兵力はごく一部に過ぎず、その後方にはさらに多くの将兵がひしめいていたからだ。
まだ敵軍が踏みとどまっていた。
その詳細は明らかではないが、どうやらこちらよりはずいぶん、少ないらしい。
そう判断を下した連邦軍の指揮官は即座に臨戦態勢を整えるように命令し、攻撃を開始することを決意していた。
もとより、彼らは王国を占領してしまうつもりなのだ。
王立軍を撃破することはそのために必要な行為であり、ここで敵と接触した、というのならば、兵力で優勢にある以上は躊躇(ちゅうちょ)することなく交戦することを選んでくる。
指揮官から次になにをするべきか、という指針が示されたことで、兵士たちの動揺も収まった。
そして彼らはそれぞれの武器を確認し、分隊ごとに集合して臨戦態勢を整えると、将校が吹き鳴らす鋭い笛の音色を合図として、盾の役割を果たしていた戦車を先頭に押し立てて突撃を開始した。
「よし、もういい! 予定通りに煙幕弾を撃ってくれ! 」
「……了解! 」
その様子を目にしたベイル軍曹がルッカ伍長に命じると、彼女は残っていた弾倉が空になるまで発砲してから持っていた短機関銃を地面の上に放り出し、対戦車砲に取りついた。
これまで射撃を控えていた、分隊にとっての相棒。
その内部には徹甲弾ではなく、煙幕を発生させる発煙弾が仕込まれていた。
照準は、あらかじめ敵が駆け下って来る丘の中腹辺りに定められている。
修正の必要がないことを短い時間で確認すると、伍長は引き金を引き、発煙弾を撃ち込んだ。
「装填完了! 」
これまでと同じように、澱みない動きでミュンター上等兵が次の発煙弾を装填する。
すると、ルッカ伍長はそのまま、少しだけ照準を横にずらしてもう一度引き金を引いていた。
同様の行為が、生き残っていた第二大隊所属の十門の砲すべてから行われていく。
そうして、連邦軍と王立軍との間には濃密な煙幕によるカーテンができあがっていた。
風はほぼ凪いでいるため煙はほとんど垂直に立ち上り、視界を遮る壁となっている。
「よぅし、いい感じだ! 」
作戦で取り決めていた通りの煙幕の出来栄えに満足そうに微笑んだベイル軍曹は、発煙弾の発射はもう十分だ、次は徹甲弾を装填しろと命じた。
アランはG・Jと協力して、弾薬箱の蓋(ふた)をこじ開ける。
中に詰まっているのは、奇跡的に到着した特殊徹甲弾。
タングステンを使用した特殊合金を弾芯に用いた、特別製だ。
大隊に、たったの五十発だけ送り届けられた貴重品。
十門の生き残りで均等に分配したため、B分隊には五発の割り当てがある。
皆の願いを集めながらそれが装填されると、ルッカ伍長は照準を修正し、煙幕の途切れる辺りに狙いをつける。
———王立陸軍が形成した煙幕に戸惑いながらも、連邦軍は突撃をやめてはいなかった。
濃い白煙の向こうからは戦車のエンジン音、キャタピラの軋(きし)む音、そして将校が勇ましく吹き鳴らす号令の笛と、兵士たちがあげる雄叫びが轟(とどろ)いて来ている。
そして、その片鱗(へんりん)が煙幕を突き破ってあらわれた瞬間だった。
「目標、正面、丘を下って来る敵戦車! 距離三百メートル! 速やかに撃てぇっ! 」
肩を強くつかんだベイル軍曹の叫び声に応えるかのように素早く照準を修正したルッカ伍長は、三十七ミリ対戦車砲を咆哮(ほうこう)させる。
放たれた砲弾は、三百メートルの距離を一瞬で飛翔した。
そして斜面を下って来る敵戦車の正面装甲を捉え、———貫徹する。
こちらの攻撃をまったく寄せ付けなかったはずの、鋼鉄の怪物。
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