異世界に来た私のチートは、秩序ある混沌でした。

ぬるちぃるちる

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15.交換

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手っ取り早く、小さめのアクセサリを呼び出して質に入れよう。
通貨のある世界なら質屋くらい有るだろう。

まだきちんと世界観が掴めてないのに、あまり大きなものを出して、盗んだと思われるのも困る。
質屋をナビして貰おうと、コップを置いて、鞄からスマホを取り出した。

「そのバックはマジックバックだろ?それと交換でどうだ?」
 マジックバックって何だろう?と思ったけど、バック自体は普通のバックだ。 
重さが軽減して感じる位の付加しかつけてない。

「いや、普通のバックだけど?」
 コンプライアンスの精神に基づいた情報開示をすると、不審そうな顔をされた。

「やっぱり、こいつとマジックバックじゃ、マジックバックの方が価値があるってことだろ?
 惜しくなっても仕方ない。そんな嘘、つかなくて良い。」
 全然信じてない。
何故だし。

「いや、交換しよう!この子とこのバックならよろこんで!
 ただし、思ってたのと違うとか言って、返品はなしな。
 って言うか、この子は返さないぞ。さあ、小指を出して!」
 男は言われた通りに指を出した。
それに小指を絡めて、歌う。

「ゆびきりげんまん嘘ついたら、はりせんぼんのーます。指切った。」
 二人の指が光って消える。
思った通り、異世界から呼び出した歌にもちゃんと効果はあった。
あの部屋で歌ってない歌はどうか解らないけど、一人暮らしだったから、
家事する時意味も無く、色々、歌っていたから多分行けると思ったんだよね。

「お、お前、魔法使いか……。」
 後ずさる男の肩に約束通り鞄をかけて、子供の首にかかった紐をほどき、自力で立てない子供を抱き上げた。

紐は簡単に解けた。
まるでこの子が逃げても良いとでも言うかのように。
いや、動けないから逃げられないだろうし、逃げても行くあてもないだろうと言う事かもしれない。
この子は、ここでゆっくりと死ぬのを待ってたのだろうか。
沢山の楽しい事も、美味しいものもまだ知らないままに。

……それにしても、本当にくさいなあ。
……抱きしめた身体の、熱すぎる体温に、匂いだけじゃない何かが、鼻の奥にツンと突き刺さった。
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