異世界に来た私のチートは、秩序ある混沌でした。

ぬるちぃるちる

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取りあえず、夕方までに、回れるだけお店を見て回ろう。

靴に付与した効果のおかげか、疲れはない。
疲れたら栄養ドリンクでも呼び出そうと思っていたので、
肩透かしなくらいだと思った。

ウインドウショッピングをしばらく楽しんだけど、色々凄い。
食品サンプルとかじゃない本物の腸詰めが天井からどーんと下がっている。
種類多い、大きい物は大きい!重そう、長い!何人分だよって思う。

すごい迫力だけど、生き物の形をしていないからセーフ。

学生の頃、オーストラリアでホームステイしたとき、市場に連れて行って貰った同級生が、
でっかい豚の顔や、姿かたちそのままで、まるっと皮を剥いだ大きなうさぎがやはり天井から
吊るしてあったとショックを受けていた事を思い出す。

燻製のお店かな?チーズも大きいなあ。
乾燥果物?もしくは野菜のようなものや、魚のようなものも干してある。

一か所では立ち止まらず、どんどん見て回る。
お菓子と木工品、花と香水みたいに、複数のコンテンツを扱うお店もあって外から見るだけでも楽しい。
食事をする所も色々あって、それぞれのお店から全然違う良い匂いがした。

異世界もののファンタジー小説などでお馴染みの、串焼き肉の出店もあったけど、
タレをしっかりつけてあるようで、ものすごく食欲をそそられる匂いがしていたけど、
タレをこぼしそうで、食べてみたいけど躊躇ためらう。
また今度だな!

そして無計画に歩く内に迷路の様な裏路地に入り込んでしまった。

この辺りで売ってるものは、外にものを飾って無い所が多くて、
看板だけでは何を売ってるところか解らない事も多い。
例えばあの、星と虎を合わせたようなマークは……一体何やさん何だろう?

迷っても帰り道くらいスマホに聞けばどうにでもなるからいいやと思って、人気の無い道をどんどん進む。

本当は、薄暗い路地は、森の中より怖いんだけど、ここで引き返したら後で絶対、気になると思うの。

そのまま進んで行くと、少し先にうずくまるように丸くなった
黒っぽい灰色の、薄汚れた生き物らしき何かが紐で繋がれていた。
控えめに言ってとても臭い。
この距離で臭いのだから近寄るともっと凄いのだろう。

何だろう?と思ってじっと見ていると、じっと見られていた。

うわあ、目がある!
生き物なの!?

びっくりしたけれど、更によく見ると、
ボサボサの、元の色が解らない位汚れた毛並みの犬耳の子供のようだ。
初めて使うけど、ボロ雑巾のようなって言う表現は、こういう時に使うんだろうなって思う。

馬鹿なこと考えてるけど、全然冷静なんかじゃなくて、ひどい虐待の現場に身体が震えて泣きそうになる。
どうしてこんな酷い事が出来るのかな?
むき出しの腕は細くて、マッチ棒の様な手足どころか、つまようじみたい。
満足に食べ物を食べてない事が解った。

後の事なんて考えられずに、状況も解らないまま、衝動的に声をかけてしまった。
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