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5.楽

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湯船で無く、お風呂に入るイメージを浮かべる。
お湯が必要みたいな?

シャワーヘッドが現れた。
心の中でRPGっぽい勝利のファンファーレが流れる。

で、どうしろと……。
……お湯、出ろ!

試しに念じて見たら出て来た。
ワイヤレスシャワーヘッド……。
お湯、どこから来てるの?

江戸時代の水芸を思い出した。

はい。
使い方把握。
水圧も温度調節も完璧。

なるほどー。
そこはかとなく可能って、こんな感じか。

スマホに念じる。
元々日常生活防水だけど、ものすごい水圧、温度差にも強くなれ。
落ちても壊れるな、もうほんと、すっごい感じで!
いっそ鈍器とか凶器レベルで丈夫になれ!

よし、これで、雨にも風にも夏の暑さにも負けないスマホになったはず。
私は、雨にも風にも夏の暑さにも負けるけど。

呼び出せるものは、あの部屋にあった・・・ものって事は、過去あった物でも良いのかな?
大好きだったけど、廃番になって買えなくなった薔薇の入浴剤を念じる。

「やったー!!」
 結果は大成功。
懐かしい、ピンクの缶に大歓喜した。

「近くに誰かいる?」
 質問の相手はスマホ。

『誰もいないよ。』
 望んだ答えが得られたのでお風呂タイムだ。
フリースや冷蔵庫は使わないので元の空間?に戻している。
また必要な時に、望んだ状態で呼び出せばいいよね。
洗濯、お手入れ不要だなんて素敵すぎ!

入浴剤を入れると、大好きな香りがしてきた。
でも空気のこもった浴室と、森の中ではちょっと違うように感じる。
少し爽やかかもしれない。

服を脱いで中に浸かると、ちゃぷんと音がした。
お風呂の中ででスマホをいじる。

「近くの町はどこ?徒歩何分?」
 何気に帰れない宣告されたし、このまま森に居ても飽きるよね。
あれ?コミュ症ではないかと思ってたけれど、意外と自分、適応能力高くない?

『平民向け商人の町、バルヘント。徒歩は靴によるんじゃない?』
 ああ、靴を呼び出すときに最適化すれば良いのか。

「ストリートビュー的なやつ希望。」
 スマホに映る町の中を興味深く覗く。

よし!ファンタジーなRPGに多い中世ヨーロッパ風の街並みだ。
指を画面でスライドさせて人や店、道を眺める。
幼児でもコンピュータ言語的なものを、理解可能な未来都市が出てきたらどうしようかと思ってた。
今後も、SFよりファンタジーで頼みますよ!
この世界の神様!

下らない事を考えながら街並みチェックを続ける。

黒髪の通行人もいる。
「黒髪?異世界人だー!」って展開にはならないっぽい。

人の顔は明るい。
子供もいる。
治安は悪くないっぽい。
やたらと、ぽいぽいいってるけど、仕方ないもんね。
解んないんだから。

道の様子を見た感じ、衛生面も問題なさそうだ。
さっきから、動物の耳がちらちらしてるんだけど……。
「獣人居るの?装備アイテムとかじゃないよね?」
 
『獣人居るよ。装備アイテムもあるよ。』
 何でも有りだな。

「この世界って魔法もあるの?」
『有るよ。』

すごーい!
でも、汚部屋チートのおかげで今のとこ不自由なさそうだからその内おいおいね。
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