令和3年お盆物語

ぬるちぃるちる

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お盆明け(16日)

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「あーあ、今年もダメでしたね。」
 まあ、大抵そうですけどねと、
頭から角の生えた、解りやすい地獄の鬼が、男に話しかけていた。
鬼でもキャリア系?の鬼は表向き穏やかそうに見えるタイプが多い。

話しかけられた男は、泣いていた。
久しぶりに見た娘が、自分の思い通りにならなかったから。

男は生前、酔って子供を虐待する解りやすい虐待親だったが、
酔いがさめると、その事を忘れ、周りに指摘されても
逆切れしたり、しつけだと自分を正当化する様な人間だった。

そして小心者だった。
あまりにも自分を正当化しすぎて、それが真実だと思いこむほどに。

閻魔様の前でこれまでの行いを映す水晶、浄玻璃鏡じょうはりのかがみ
酔って真っ赤な顔で、咎無き子供を殴りつける姿が映し出された時、
男は初めて自分の生前の所業と向き合わされた。

泣いたら殴ると言って、口を押さえて必死に耐える子に泣くまで罵声を浴びせ続ける姿も
追い詰められて死にたいと言った子供に、自殺の方法を教える時の様子も
鬼はその時、その場に居た為、男の一生をダイジェストで見ていた。

まあ、鬼という職業的には勉強になったけど、現世うつしよでやったらアウトだよね。

ひとつひとつはどれも大した罪にはならないけれど、
飲酒運転の交通事故で怪我をさせた人より恨まれてるからね。

娘が生きてる間に、許しの心が生まれれば300年位の減刑はあるかもだけど、
ここ500年位のこういったケース見る限り、無理だろうね。

「さあ、お盆休みも終わったし、今日から地獄、再会するよ!
 はい、みんな戻って戻って!」
















**********************
残暑お見舞い申し上げます。
お盆明けましたね。

短い話をブチブチ切ってすみませんでした。
ありきたりな話ですが、最後までお付き合い有難うございました。

昨日は、豪雨で九州の電車が、史上初って言う位止まって、
仕事から帰れなくなりそうでしたが、最後まで更新ほぼ予定通りにできて良かったです。

皆様、まだ雨の続く地域も多いようですが、お怪我に気を付けてお過ごしくださいませ。
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