令和3年お盆物語

ぬるちぃるちる

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お盆三日目(15日)

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いい加減にしてほしい!
三日続けて父の夢とか、どんな嫌がらせなのか!

今日の夢の父は、死の半年くらい前の、
一日中椅子に座っていた頃の父だった。
靴下の中の左足が変色してパンパンにむくんでいる事を私は知っている。

老いと病で父の迷惑度が下がるかと言えばそんな事は無く、
突然、まだそんな声出るんだと言う位大声で叫んだり、
妄言を吐き散らしたり、相変わらず迷惑な存在だった。

そんな父も現実にはもうこの世に居ない訳で……。

迎え火も焚いてない。
きゅうりも供えてない。
お墓に迎えにも行っていない。
仏壇に蝋燭も線香もあげてない。

なのに、何故なのか!
いや……、だからなのか?

呪われた?
ばちが当たると言うのはおかしい。

だって、物心ついた時から、いや、恐らくそれ以前から
私を言葉で貶め、暴力をふるい続けた父がやっと死んだのだ。

そんなクズでも死んで仏になったから大事にしろと言うのなら、
生きてる間に私がどうふるまおうと仏になれるのだから
結局同じことなのだ。
自分の心が必要無いと思うなら、お参りする必要はない。

生きている間に許せなかった父を
死んでから敬うとか有り得ないのだ。

明日はもうお盆明け。
今日は綺麗な夢が見れるか、もういっそ何も夢を見ないで眠りたい。
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