令和3年お盆物語

ぬるちぃるちる

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お盆の入り(13日)

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久しぶりに父の夢を見た。
3年前に、肺がんで死んだ父。

肝臓(お酒)で死ぬと思っていたが、
肺(たばこ)で死んだか、とかそういう感じの父だった。

お酒を飲んでは、暴力をふるい、翌日には忘れている
そんな父の夢なんかなんで今さら見たんだろう。

内容は普通の夢っぽい夢で、
父が死んでからしばらく、白い祭壇が家の座敷に有った頃の夢。

左右に、花かごや、白黒紫のリボンのかかった缶詰のかごが
並べてある祭壇の中央には、父の遺影が飾られていた。

家族葬にしたので、
お参りに来る人も少ない。

そんな部屋で、お客さんを待っていると、

祭壇の裏から
「ばあー。」
 と言いながら、幽霊っぽい三角形の布を頭に巻いた、
寒色寄りの、血色の悪い、白い着物姿の父が出て来た。

何とも言えない怒りが瞬時に沸いた私は、父を殴って蹴って殴った。
子供の頃の私に父がいつもしていたように……。

そうすると父は、私がいつもそうしていたように、頭を抱えて丸くなっていた。

父はね、死んだから、私の前に、もう、出て、来ないんだよ!
そう思いながら、殴って蹴って……、ああ、夢か……。

と思ったら目が覚めた。
夢だった。

お盆だからと言って父の事なんて考えなかったけど、
変な夢見ちゃった。

変なの。
私の名誉のために言うが、生きている父に暴力を振るった事はないよ。
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