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3 バトンクラブ
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美咲が連れていかれたのは、昇降口の前の、アスファルトのスペースだった。
亜紀がやっと手を離してくれた。
美咲はほっと息をつく。
手首を見ると、亜紀につかまれたところが赤くなっていた。
「体育館、行かないの?」
美咲が手首をさすりながら聞くと、亜紀が首をかしげた。
「なんで?」
「だって、バトンクラブの練習でしょ?」
「うん。だから、ここだよ」
亜紀は、土がこびりついたスニーカーで、ダンダンッとアスファルトを蹴った。
「体育館は、バレーの子たちが使ってるし。あ、こっちのバレーね」
と、亜紀はボールをトスする真似をした。
「ここじゃ、スピンとかやりにくくない?」
美咲が聞くと、一瞬、間があいた。亜紀が首をひねる。
「スピンって?」
「回転のことだよ」
美咲はランドセルを胸に抱えたまま、クルッと一回転してみせた。
「あぁ、回転ね。でも、どうせ本番も外だから、外で練習した方がいいし」
「本番? 発表会とか、あるの?」
美咲は、期待をこめて聞いた。
バトン教室の発表会には出られなくなってしまったが、人前で踊るチャンスはこの学校にもあるかもしれない。
「運動会で踊るの。今月の31日だよ。時間がないけど、それまでに、美咲ちゃんもしっかり覚えてね」
亜紀が、なんだかえらそうに言う。
「運動会かぁ。他には?」
「あとは、10月と2月にクラブ発表会があるよ。10月は文化系のクラブが発表して、バトンクラブとか運動系のクラブは2月にやるんだ」
(運動会と2月の発表会だけかぁ。ちょっとさみしいけど、目標が何もないよりましか)
「あっ。ちえみちゃん! さおりちゃん! こっちこっち」
亜紀が、頭の上で大きく手を振った。
二人の女の子が荷物をいっぱいかかえて、こっちに向かって歩いてくる。
「この子が転入生? 亜紀ちゃんの言ってた」
茶色い紙袋を地面に置きながら、背の高い細身の女の子が美咲の方を見た。ショートボブで、活発そうな印象だ。
美咲ははっとして、背筋を伸ばした。
「中川美咲です」
明るい声で、自己紹介する。
「わたし、山田さおり。6年生だよ。で、こっちが」
と、さおりがもう一人の方を振り返った。
色が白く、少しふっくらしている。マシュマロみたいなほっぺたをしていた。
「わたしも6年。佐藤ちえみ。よろしくね」
ちえみは肩までの髪が内巻きにカールしていて、ほんわかした雰囲気の女の子だ。
「さっそく練習、始めようか。ランドセル、その辺に適当に置いて」
さおりが元気よく言った。
「はい、はーい」
亜紀が返事をすると、さおりが、
「亜紀ちゃんじゃなくて、美咲ちゃんに言ったんだけど」
と笑った。
亜紀が、ランドセルをコンクリートの上にどさっと投げた。美咲は、胸に抱えていたランドセルを、亜紀のランドセルの横にそっと置く。
ちえみが、抱えていたバトンの1本を、「はいっ」と美咲に差し出してきた。
思わず受け取ったバトンを、美咲は眺めた。
銀色のバトンは、端の方が茶色くさびついている。
わたし、自分のバトン持ってきたから、と言おうとして、美咲は言葉をひっこめた。
さおりも亜紀も、古びたバトンを受け取っている。学校の備品なのかもしれない。
みんながこのバトンで練習するなら、自分だけ他のバトンを使うわけにもいかない。
本当は嫌だったけど、みんなに合わせて我慢することも大事だ。そのくらいのことは、美咲だってわかっている。
これからこの学校でバトンを続けるなら、ここは我慢するしかない。美咲は、ぐっとこらえた。
それよりも、他にどんな子たちがバトンクラブに集まってくるのか、美咲は楽しみだった。
「じゃぁ、始めよう」
さおりが明るく言った。
美咲は、さおりに恐る恐るたずねた。
「あのう。他の子たちは? みんなが来るの、待たないの?」
さおりとちえみが、顔を見合わせた。
「亜紀ちゃん、話してないの?」
亜紀が、慌てたように美咲を見た。
「あっ、うん。あのね、美咲ちゃん、バトンクラブはこれで全員なの」
「これで、全員?」
どんな子たちが来るのか楽しみにしていた美咲の気持ちは、行き場をなくしてしまった。
確かに亜紀は、このままじゃクラブがつぶれちゃうとかなんとか言っていたが、そうはいっても……。
「たった、これだけ?」
思わず口をついて出てしまった。
「そう。クラブには4年生から入れるんだけど、6年生が二人に、5年生が一人」
「三人だけ?」
亜紀がうなずいた。
「6年生が卒業して、わたし一人だけになっちゃったら、バトンクラブ、つぶれちゃうかもしれなかったんだ」
「三人以上いなくちゃ、クラブとして認められないの」
さおりが口をはさむと、ちえみと亜紀が、そうそう、とうなずいた。
「だから、美咲ちゃんは、バトンクラブの救世主なんだよ!」
亜紀が大げさなほど目を見開いて、美咲の手をにぎりしめた。
「それでもまだ一人足りないけどね」
さおりが肩をすくめる。
「でも、美咲ちゃんがいれば、なんとかなりそうな気がするんだ」
亜紀が、身を乗り出してきた。
「そんなこと言われても……」
亜紀の期待の大きさに、美咲は逃げ出したいような気持ちになった。
それでもバトンのことを聞かれれば、火がついたように気持ちが燃え上がる。
「バトン、やってたんでしょ? きをつけとかやすめとか、敬礼の姿勢は、説明しなくてもわかるよね?」
さおりが、右手でバトンを回しながら、笑顔で美咲にたずねる。
「アティーズ(きをつけ)、アテンション(やすめ)、サリュート(敬礼)!」
美咲は背筋を伸ばし、かけ声をかけながら、自信満々でポーズをきめた。
「え、なに?」
さおりの笑顔が固まって、眉がクッと真ん中による。
「美咲ちゃん、そういうバトンの専門用語? みたいなのは、わたしたちにはわからないの。小学校のバトンクラブだからさっ」
亜紀が、美咲の背中をバシッと叩く。
「ま、いいや。運動会もうすぐだから、とにかく1曲覚えてもらわなくちゃね。ちょっと見てて」
さおりが言うと、ちえみが、小さなCDプレーヤーのボタンを押した。
さおりを中心に、ちえみと亜紀が横一線に並んだ。
きをつけの姿勢のまま、かかとでリズムをとる。
CDプレーヤーから流れてきたのは、ミッキーマウスマーチ。バトンを回しながら踊る三人は、とても楽しそうだ。
だけど……。
一人一人が自由気ままに踊っていて、三人のリズムはバラバラだった。全然そろっていない。
横一列に並んだフォーメーションは、最初から最後までそのまま。バトンを投げたり側転したりするような華やかな技は、一つも入っていなかった。
簡単なダンスを踊りながら、たまに思い出したようにバトンを回すだけ。幼稚園のお遊戯会みたいだった。バトンはただのお飾りでしかない。
三人が、バトンを楽しんでいるのはわかる。
だが、見ている人を楽しませようという想いは伝わってこない。
それは、美咲が求めているバトントワリングとは、全く違うものだった。美咲は、気持ちがズブズブと沈んでいくのを止められなかった。
新しい学校の友だちと一緒に、学校でバトン。それが一筋の希望の光だったのに。
魔法がとけてしまうには、あまりにも早すぎた。
一曲終わると、息をきらしながら亜紀が言った。
「だいたい、どんな感じかつかめた?」
美咲は、ゆっくりとうなずいた。
「よかった」
亜紀が、満足そうに笑った。
その笑顔を裏切るようで悪いという気持ちもあった。
だが、美咲ははっきりと言った。
「わたし、このバトンクラブには、入れないかもしれない」
「えっ! どうして?」
亜紀が、信じられないという顔をして美咲を見つめていた。
亜紀がやっと手を離してくれた。
美咲はほっと息をつく。
手首を見ると、亜紀につかまれたところが赤くなっていた。
「体育館、行かないの?」
美咲が手首をさすりながら聞くと、亜紀が首をかしげた。
「なんで?」
「だって、バトンクラブの練習でしょ?」
「うん。だから、ここだよ」
亜紀は、土がこびりついたスニーカーで、ダンダンッとアスファルトを蹴った。
「体育館は、バレーの子たちが使ってるし。あ、こっちのバレーね」
と、亜紀はボールをトスする真似をした。
「ここじゃ、スピンとかやりにくくない?」
美咲が聞くと、一瞬、間があいた。亜紀が首をひねる。
「スピンって?」
「回転のことだよ」
美咲はランドセルを胸に抱えたまま、クルッと一回転してみせた。
「あぁ、回転ね。でも、どうせ本番も外だから、外で練習した方がいいし」
「本番? 発表会とか、あるの?」
美咲は、期待をこめて聞いた。
バトン教室の発表会には出られなくなってしまったが、人前で踊るチャンスはこの学校にもあるかもしれない。
「運動会で踊るの。今月の31日だよ。時間がないけど、それまでに、美咲ちゃんもしっかり覚えてね」
亜紀が、なんだかえらそうに言う。
「運動会かぁ。他には?」
「あとは、10月と2月にクラブ発表会があるよ。10月は文化系のクラブが発表して、バトンクラブとか運動系のクラブは2月にやるんだ」
(運動会と2月の発表会だけかぁ。ちょっとさみしいけど、目標が何もないよりましか)
「あっ。ちえみちゃん! さおりちゃん! こっちこっち」
亜紀が、頭の上で大きく手を振った。
二人の女の子が荷物をいっぱいかかえて、こっちに向かって歩いてくる。
「この子が転入生? 亜紀ちゃんの言ってた」
茶色い紙袋を地面に置きながら、背の高い細身の女の子が美咲の方を見た。ショートボブで、活発そうな印象だ。
美咲ははっとして、背筋を伸ばした。
「中川美咲です」
明るい声で、自己紹介する。
「わたし、山田さおり。6年生だよ。で、こっちが」
と、さおりがもう一人の方を振り返った。
色が白く、少しふっくらしている。マシュマロみたいなほっぺたをしていた。
「わたしも6年。佐藤ちえみ。よろしくね」
ちえみは肩までの髪が内巻きにカールしていて、ほんわかした雰囲気の女の子だ。
「さっそく練習、始めようか。ランドセル、その辺に適当に置いて」
さおりが元気よく言った。
「はい、はーい」
亜紀が返事をすると、さおりが、
「亜紀ちゃんじゃなくて、美咲ちゃんに言ったんだけど」
と笑った。
亜紀が、ランドセルをコンクリートの上にどさっと投げた。美咲は、胸に抱えていたランドセルを、亜紀のランドセルの横にそっと置く。
ちえみが、抱えていたバトンの1本を、「はいっ」と美咲に差し出してきた。
思わず受け取ったバトンを、美咲は眺めた。
銀色のバトンは、端の方が茶色くさびついている。
わたし、自分のバトン持ってきたから、と言おうとして、美咲は言葉をひっこめた。
さおりも亜紀も、古びたバトンを受け取っている。学校の備品なのかもしれない。
みんながこのバトンで練習するなら、自分だけ他のバトンを使うわけにもいかない。
本当は嫌だったけど、みんなに合わせて我慢することも大事だ。そのくらいのことは、美咲だってわかっている。
これからこの学校でバトンを続けるなら、ここは我慢するしかない。美咲は、ぐっとこらえた。
それよりも、他にどんな子たちがバトンクラブに集まってくるのか、美咲は楽しみだった。
「じゃぁ、始めよう」
さおりが明るく言った。
美咲は、さおりに恐る恐るたずねた。
「あのう。他の子たちは? みんなが来るの、待たないの?」
さおりとちえみが、顔を見合わせた。
「亜紀ちゃん、話してないの?」
亜紀が、慌てたように美咲を見た。
「あっ、うん。あのね、美咲ちゃん、バトンクラブはこれで全員なの」
「これで、全員?」
どんな子たちが来るのか楽しみにしていた美咲の気持ちは、行き場をなくしてしまった。
確かに亜紀は、このままじゃクラブがつぶれちゃうとかなんとか言っていたが、そうはいっても……。
「たった、これだけ?」
思わず口をついて出てしまった。
「そう。クラブには4年生から入れるんだけど、6年生が二人に、5年生が一人」
「三人だけ?」
亜紀がうなずいた。
「6年生が卒業して、わたし一人だけになっちゃったら、バトンクラブ、つぶれちゃうかもしれなかったんだ」
「三人以上いなくちゃ、クラブとして認められないの」
さおりが口をはさむと、ちえみと亜紀が、そうそう、とうなずいた。
「だから、美咲ちゃんは、バトンクラブの救世主なんだよ!」
亜紀が大げさなほど目を見開いて、美咲の手をにぎりしめた。
「それでもまだ一人足りないけどね」
さおりが肩をすくめる。
「でも、美咲ちゃんがいれば、なんとかなりそうな気がするんだ」
亜紀が、身を乗り出してきた。
「そんなこと言われても……」
亜紀の期待の大きさに、美咲は逃げ出したいような気持ちになった。
それでもバトンのことを聞かれれば、火がついたように気持ちが燃え上がる。
「バトン、やってたんでしょ? きをつけとかやすめとか、敬礼の姿勢は、説明しなくてもわかるよね?」
さおりが、右手でバトンを回しながら、笑顔で美咲にたずねる。
「アティーズ(きをつけ)、アテンション(やすめ)、サリュート(敬礼)!」
美咲は背筋を伸ばし、かけ声をかけながら、自信満々でポーズをきめた。
「え、なに?」
さおりの笑顔が固まって、眉がクッと真ん中による。
「美咲ちゃん、そういうバトンの専門用語? みたいなのは、わたしたちにはわからないの。小学校のバトンクラブだからさっ」
亜紀が、美咲の背中をバシッと叩く。
「ま、いいや。運動会もうすぐだから、とにかく1曲覚えてもらわなくちゃね。ちょっと見てて」
さおりが言うと、ちえみが、小さなCDプレーヤーのボタンを押した。
さおりを中心に、ちえみと亜紀が横一線に並んだ。
きをつけの姿勢のまま、かかとでリズムをとる。
CDプレーヤーから流れてきたのは、ミッキーマウスマーチ。バトンを回しながら踊る三人は、とても楽しそうだ。
だけど……。
一人一人が自由気ままに踊っていて、三人のリズムはバラバラだった。全然そろっていない。
横一列に並んだフォーメーションは、最初から最後までそのまま。バトンを投げたり側転したりするような華やかな技は、一つも入っていなかった。
簡単なダンスを踊りながら、たまに思い出したようにバトンを回すだけ。幼稚園のお遊戯会みたいだった。バトンはただのお飾りでしかない。
三人が、バトンを楽しんでいるのはわかる。
だが、見ている人を楽しませようという想いは伝わってこない。
それは、美咲が求めているバトントワリングとは、全く違うものだった。美咲は、気持ちがズブズブと沈んでいくのを止められなかった。
新しい学校の友だちと一緒に、学校でバトン。それが一筋の希望の光だったのに。
魔法がとけてしまうには、あまりにも早すぎた。
一曲終わると、息をきらしながら亜紀が言った。
「だいたい、どんな感じかつかめた?」
美咲は、ゆっくりとうなずいた。
「よかった」
亜紀が、満足そうに笑った。
その笑顔を裏切るようで悪いという気持ちもあった。
だが、美咲ははっきりと言った。
「わたし、このバトンクラブには、入れないかもしれない」
「えっ! どうして?」
亜紀が、信じられないという顔をして美咲を見つめていた。
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