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第二章 ドラゴンハンター02 良知美鈴
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夏休み初日。駅前にある鏡張りのビルを前にして、美鈴は胸を高鳴らせていた。
「本当に来ちゃった」
美鈴は10階建てのビルを見上げた。太陽の光が反射して、ビルはダイヤモンドのように輝いていた。
隣には圭吾と祐太、敦也もいる。圭吾以外は緊張した顔をしている。
圭吾が言ったとおり、夏休み前に学校でドラゴンハンター募集の案内が配られた。
ドラゴンハンターを募集していたのは、ジュエル社・ドラゴン研究所。今日から5日間連続で、ドラゴンハンター養成講座があるらしいが、詳しい内容は知らされていない。
祐太と敦也にはドラゴンが見えないという。
だが、祐太と敦也も、圭吾の誘いで講習に参加することになった。訓練でドラゴンが見えるようになれば、ドラゴンハンターになれるらしい。
美鈴はルイも誘ったが、塾の夏期講習があるからと断られた。
「なんだかよくわからないけど、すげービルだな」
祐太がビルを見上げている。圭吾がインターフォンを鳴らした。ガラス扉が開けられると、中から冷たい空気が流れて来た。美鈴はドキドキしながら、ビルの中へ足を踏み入れた。
5階にある会議室は、300人くらいは入れそうな広さだった。
だが、参加者はたったの12人。美鈴たち4人のほかは、別の小学校の児童だった。皆4年生から6年生くらいの子たちで、低学年の子はいなかった。
会議室には、白い長テーブルがズラリと並べられていた。一つのテーブルに椅子が二つずつ置かれている。
圭吾と敦也が一番前の席に座った。その後ろに、祐太と美鈴が座った。
「みなさん、こんにちは」
橋本信二という背の高い男の人が、ドラゴン研究チームのリーダーだと名乗った。
橋本については、事前に圭吾からも話を聞いていた。圭吾は橋本を尊敬しているようで、とにかくすごい人だと言っていた。ドラゴンを操る訓練を、橋本から受けているらしい。
研究チームにはあと二人いた。黒縁メガネの男の人が田中陸、髪を一つに束ねた女の人が神田彩芽。三人とも白衣を着ていた。
橋本のあいさつが終わると、彩芽が一匹のドラゴンが入ったガラスケースを持って、演台に立った。
ガラスケースの大きさは、30センチ四方くらい。中にいるのは、体は青緑色で、黒い目をしたドラゴンだ。ゆっくりとケースの中を歩いている。
「この中にいるドラゴンが見える人は、手をあげてください」
彩芽がよく通る声で言った。
前の席の圭吾が真っ直ぐ右手をあげるのを見て、美鈴も小さく右手をあげた。
祐太と敦也は手をあげなかった。その他の人たちは美鈴より後ろの席に座っていて、誰が手をあげたかわからない。
「二人だけね」
彩芽が言った。
(たった二人だけ?)
美鈴は手をおろした。ドラゴンハンターに興味がある人が集まったのだから、美鈴はドラゴンが見える人がもっといるかと思った。
「では、今手を上げた二人は立ってください」
圭吾が立ちあがるのを見て、美鈴も立ち上がる。なにが始まるのかわからなくて、美鈴は緊張した。手のひらが汗でじっとりとぬれてくる。
「ドラゴンが見えない人は、このままこの部屋でドラゴンについて学んでもらいます」
彩芽がガラスケースをなでながら言った。
「見えた二人は、実践を交えながらドラゴンについて勉強していきましょう。さぁ、二人はわたしについてきて」
彩芽はガラスケースを演台に置いたまま、歩き出した。圭吾がその後に続く。美鈴も彩芽の後を追って会議室を出た。
「では、残ったみなさんには、ぼくが話をしましょう」
会議室からは、黒縁メガネの田中の声が聞こえてきた。
「本当に来ちゃった」
美鈴は10階建てのビルを見上げた。太陽の光が反射して、ビルはダイヤモンドのように輝いていた。
隣には圭吾と祐太、敦也もいる。圭吾以外は緊張した顔をしている。
圭吾が言ったとおり、夏休み前に学校でドラゴンハンター募集の案内が配られた。
ドラゴンハンターを募集していたのは、ジュエル社・ドラゴン研究所。今日から5日間連続で、ドラゴンハンター養成講座があるらしいが、詳しい内容は知らされていない。
祐太と敦也にはドラゴンが見えないという。
だが、祐太と敦也も、圭吾の誘いで講習に参加することになった。訓練でドラゴンが見えるようになれば、ドラゴンハンターになれるらしい。
美鈴はルイも誘ったが、塾の夏期講習があるからと断られた。
「なんだかよくわからないけど、すげービルだな」
祐太がビルを見上げている。圭吾がインターフォンを鳴らした。ガラス扉が開けられると、中から冷たい空気が流れて来た。美鈴はドキドキしながら、ビルの中へ足を踏み入れた。
5階にある会議室は、300人くらいは入れそうな広さだった。
だが、参加者はたったの12人。美鈴たち4人のほかは、別の小学校の児童だった。皆4年生から6年生くらいの子たちで、低学年の子はいなかった。
会議室には、白い長テーブルがズラリと並べられていた。一つのテーブルに椅子が二つずつ置かれている。
圭吾と敦也が一番前の席に座った。その後ろに、祐太と美鈴が座った。
「みなさん、こんにちは」
橋本信二という背の高い男の人が、ドラゴン研究チームのリーダーだと名乗った。
橋本については、事前に圭吾からも話を聞いていた。圭吾は橋本を尊敬しているようで、とにかくすごい人だと言っていた。ドラゴンを操る訓練を、橋本から受けているらしい。
研究チームにはあと二人いた。黒縁メガネの男の人が田中陸、髪を一つに束ねた女の人が神田彩芽。三人とも白衣を着ていた。
橋本のあいさつが終わると、彩芽が一匹のドラゴンが入ったガラスケースを持って、演台に立った。
ガラスケースの大きさは、30センチ四方くらい。中にいるのは、体は青緑色で、黒い目をしたドラゴンだ。ゆっくりとケースの中を歩いている。
「この中にいるドラゴンが見える人は、手をあげてください」
彩芽がよく通る声で言った。
前の席の圭吾が真っ直ぐ右手をあげるのを見て、美鈴も小さく右手をあげた。
祐太と敦也は手をあげなかった。その他の人たちは美鈴より後ろの席に座っていて、誰が手をあげたかわからない。
「二人だけね」
彩芽が言った。
(たった二人だけ?)
美鈴は手をおろした。ドラゴンハンターに興味がある人が集まったのだから、美鈴はドラゴンが見える人がもっといるかと思った。
「では、今手を上げた二人は立ってください」
圭吾が立ちあがるのを見て、美鈴も立ち上がる。なにが始まるのかわからなくて、美鈴は緊張した。手のひらが汗でじっとりとぬれてくる。
「ドラゴンが見えない人は、このままこの部屋でドラゴンについて学んでもらいます」
彩芽がガラスケースをなでながら言った。
「見えた二人は、実践を交えながらドラゴンについて勉強していきましょう。さぁ、二人はわたしについてきて」
彩芽はガラスケースを演台に置いたまま、歩き出した。圭吾がその後に続く。美鈴も彩芽の後を追って会議室を出た。
「では、残ったみなさんには、ぼくが話をしましょう」
会議室からは、黒縁メガネの田中の声が聞こえてきた。
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