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魔法召いのブレェス

裏切りと、再会3

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 学園を後にし、行き合った馬車に乗り一番近い北のフォースに向かった。

「あれは手違いで」
「全討伐機関の力を借りたいと書いてあったが」
「だからそれは違うんです!」

 以前、状袋を渡した男の人に声をかけた。
 どうやらあの状袋の中にあった文書には、ある黒ドラゴンを学園に連行するようにといったものが書かれていたらしい。
 リキは全力で否定するが、新しい文書がなければ信用されないようだ。

 どうすれば……。
 途方もない。

 唯一頼りになるユキはもういない。フェリスたちはドラゴン探しを未だしているだろう。
 移動手段でもあったユキの存在がなくなったのは大きい。ドラゴンであるユキの背中に乗ってフォースに来たときは、馬車で来たよりも断然早かった。

 フェリスと合流できるのは何日も先のことだろう。それまで一人でできることはなんだろうか。自分だけでできることなんてあるんだろうか。

「どうしたんだ?」

 考え込んでいたリキははっとして後ろを振り向く。そこには前ここに来たときと同じくロキとユークがいた。
 なぜかその二人の存在に泣きそうになった。



 サラビエル講師の行為をリキは二人に話した。
 ロキは目を見開いてびっくりしていたが、ユークはそれほど驚いていなかったように見える。
 協力する、と言われたときすぐに理解できなかったが、理解した瞬間リキは失望から解き放たれたような気がした。



 馬車の移動中、リキの隣にいるロキが目の前にいるユークに不思議そうに問う。

「なんかお前それほど驚いてなかったよな?」

 リキからサラビエル講師の話を聞いて驚きで言葉がでなかったロキを置いて、ユークは『それでどうするの?』と即リキに聞いていた。

「やっぱりな、って感じだったかな。ずっと前リキがフェリスと旅をすることになったときサラビエル講師が言ってたんだ。人間とドラゴンは共存できない、いつか人間を滅ぼす元凶となるものならこちらが先に滅ぼすまでだ、って」

 これからどうすればいいのか不安に思っているリキとは正反対に清々しい顔をするユーク、納得いっていないようなロキを連れ馬車は西のブリゲイドを目指す。
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