魔法召いのリキ・ユナテッド

リオ

文字の大きさ
上 下
40 / 71
魔法召いのブレェス

それぞれの1

しおりを挟む
 各地に、魔物を抹消する者が集うための機関が置かれている。学園から卒業したものは大半そこに所属する。魔物をどう倒すか学んできたのだから当然だが、それがひとつの道だとは限らない。

 魔物を抹消する、同じ目的で集う者たちをひとまとめにいうと隊という。隊がいる機関はいくつかある。まず西にあるのがーー『ブリゲイド』。そこに所属しているフウコとシルビア。フウコは珍しく、ライハルトと同じ場所ではなかった。

「意外ね。あの男と一緒じゃないなんて」
「いたくもないのにずっと一緒で嫌気がさしてね、わざと違うところに入ったの。悪い?」
「別に。いいんじゃない」
「シルビアとの連携の方が上手くいってるし、いい感じ。あんたこそ派遣なんてよくやるわね」
「何かと楽だし、ひとつのとこに留まるのがいやなの。緊急で呼び出されたら来てあげるわ」

 ロザントは派遣としてブリゲイドに来ていた。ターゲットの魔物を倒し用が終わればロザントは去って行った。



 そしてまた別の日。北にある『フォース』からロザントに要請が入った。

「雑魚だ。適当に滅殺する」
「ーー了解」
「(この二人なんなの、作戦というものがないの。まあ雑魚だからいいけど)」

 ロザントは前にする二人に呆れかえっていた。学園を一番に卒業したユークと、追いかけるかたちで卒業したロキ。この組み合わせはなんら不思議ではないが、作戦のなさといい猪突的なところ特にロキ。涼しい顔して魔物に突っ込んでこれまたユークも涼しい顔して援護するかたちでついていって……。

「ロキ、適当すぎるのは良くないよ。って、いつも言ってるよね」
「テキトーが最強とか馬鹿みたいなこと思ってないけど、考えるの面倒だからそういうのはあんたに任せるって、いつも言ってるよな」
「(なんとなく連携になってる……?)」

 喋りながらも魔物を退治している。これもこれである意味ひとつの連携方法なのかも……と思わなくもなかったロザントだった。

 お互い反発しているようでしていない、しているとしたらそれが連携に繋がっていてーー背中の重さを預けあっているかのような、支えあっているといったら少し違う。
 そんなふうに見えると言ったら不本意だとロキは顔をしかめるだろう。本人たちにそんな気がなくとも、戦いにはその人らの絆やらが見えてくる。

 何もしないというわけにはいかず、ロザントは魔法で援護した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

異世界着ぐるみ転生

こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生 どこにでもいる、普通のOLだった。 会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。 ある日気が付くと、森の中だった。 誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ! 自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。 幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り! 冒険者?そんな怖い事はしません! 目指せ、自給自足! *小説家になろう様でも掲載中です

愛されない皇妃~最強の母になります!~

椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』 やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。 夫も子どもも――そして、皇妃の地位。 最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。 けれど、そこからが問題だ。 皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。 そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど…… 皇帝一家を倒した大魔女。 大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!? ※表紙は作成者様からお借りしてます。 ※他サイト様に掲載しております。

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜

二階堂吉乃
ファンタジー
 瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。  白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。  後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。  人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話7話。

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!

桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。 「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。 異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。 初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。 最強主人公はイケメンでハーレム。 脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。 落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。 =主人公は男でも女でも顔が良い。 そして、ハンパなく強い。 そんな常識いりませんっ。 私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。   【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】

処理中です...