私のバラ色ではない人生

野村にれ

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ロンド王国王妃2

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 ソアリスは子どもたちの侍女や従者に間違っていると思ったら止めなさい、止められない場合は私を呼びなさいと伝えていた。

 止められなかったのはソアリスを探す幼いカイルスと、突っ込んでいく幼いケイトだけである。

 カイルスは健気な様子でソアリスを求めているのを、我々には止められませんと、とても悲痛な顔で訴えられた。ケイトは言わずもがな、物理的に我々の想像を超えるので止められないと、別の悲痛さで訴えることになった。

 アンセムと幼い内は許容しようということになり、カイルスは今は成長し、ケイトもおそらく成長すれば大丈夫だろうと信じることにした。

「姪のエミアンローズがご指導いただき、お世話になったと聞いておりましたので、フローラ王女に驚いたのです」
「はい…エミアンローズ王女も、最初は出来ないことばかりでしたが、ロンド王国を離れる頃には良くなっていたと思います」

 ソアリスはその言葉で、この人は結局、甘いのだろうと思った。

「でも、エミアンローズも良くはなったのかもしれませんが、マナーも礼儀もなっていませんでした」
「…それは」
「責めているわけではないのです。エミアンローズは他国の王女ですから、王妃陛下に多くを求めるのは違うでしょう。ですが、フローラ王女は違いますでしょう?」
「…はい」
「どうして叩き直さなかったのかと思いまして」

 エミアンローズも両親が駄目なら、当時の国王夫妻や王太子夫妻が、叩き直すべきだったと思うが、サブリナはエミアンローズを指導していたような人間であり、フローラを叩き直さなかったことが理解が出来ない。

「…え?」
「私の娘ではないからと思っているのですか?本来、謝りに来るのも母親である側妃だろうと思っているのですか?」
「そのようなことは、あり得ません」

 サブリナは激しく首を横に振った。

「そうなのですか?」
「はい、私は王妃として、側妃の娘でも王女が、ご迷惑をお掛けしたお詫びにと真摯に思っております」
「まあ…私にももし側妃が産んだ子がいて、側妃が死んでいる、もしくは瀕死なら仕方ないと思うかもしれませんけど、母親だと言うのならお前が行って、乳房丸出し娘に代わって、頭をこすりつけて謝罪して来いと言いますけど?」

 本日の侍女、メディナとポーリアはついにフローラ王女は、乳房丸出し娘になったのだと思った。

 そして、もしそのような側妃がいたならば、絶対に言うだろうな、きっと酷い言葉を最大限に使って言い放つだろうなと、心の中で同意した。

 サブリナはソアリスの外面しか知らなかったが、フローラの件で、同じ王妃として注意をしてくれたことは理解していたが、フローラが凄い人だったと少し怯えていた理由が分かった。

 異常に口が回り、追い詰めていく質だと気付いた。

「いくら何も出来ない者だったとしても、頭をこすりつけて謝罪くらい出来ますでしょう?」
「あの…側妃の謝罪を求めるということですか?」
「いえ、そうではありません。今の話は私だとするならばですから、頭をこすりつけるのを見て、溜飲が下がるだけですから」

 横でもっとだ!もっとと言っていそうではあるが、そのくらいしないと乳房丸出し娘に関して、ソアリスの溜飲は下がらない。

「サブリナ王妃陛下が、どうしてフローラ王女を叩き直さなかったのかが、分からないのです」
「…え」
「良しとはしてらっしゃらなかったのでしょう?」
「はい、そうです」
「側妃の子でも、関係ないとおっしゃった。エミアンローズを指導をしていただいたように、王妃陛下は指導に足る人物。それなのに、フローラ王女には適用しないのですか?」

 妙なところが気になるソアリスであったが、悪い口で言うならば、指導に当たれるような王妃だと言っているのに、何でお前のところの王女は乳を丸出しにして、男漁りをしているんだ?である。
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