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ミレスゴート公爵家の夜会4
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「でも…」
「私はクロンデール王国、ソアリス王妃陛下の侍女です。ソアリス王妃陛下が、フローラ王女をお呼びです。誰に従うべきか分かりますね?」
そう言って、キャロラインは王家から貰い受けた、侍女の証である、小さな懐中時計のクロンデール王国の紋章を見せた。
流石に王女の侍女であることから、高位貴族であり、目を見開いた。
「承知しました」
すぐさま、侍女はフローラ王女の元へ行き、耳元で事情を話すと、えっと言いながら辺りを見渡したが、ソアリスは既にいない。
「王女殿下、ご案内いたします」
キャロラインはフローラ王女に、美しい姿勢で右手を出した。
「どうして!」
「逆らうということでしたら、それでも構いません」
キャロラインも高位貴族夫人であり、こういった場に慣れている。
「い、いえ…参ります」
さすがにクロンデール王国の王妃陛下に目を付けられ、無視したとなれば、ロンド王国で不味いことになることはフローラにも分かった。
どうして、王妃陛下がいるのかと、ドレスの裾をぎゅうっと握りしめた。
「ごきげんよう、フローラ王女殿下」
フローラが入室すると、応接室のソファで圧倒的な存在感を放っていたのは、間違いなくクロンデール王国の王妃陛下だった。
ソアリスを知らないということは、ロンド王国王女としてあり得ないことである。
「はい、お初にお目にかかります」
「ええ、お座りになって」
「はい…」
フローラはそっと、ソアリスの目の前に腰を下ろし、後ろに侍女と護衛が控えた。
「ロンド王国の王女なのですよね?」
「…はい」
どうしてそんな当たりえ前のことを聞くのかと、フローラは不思議に思った。
「先ほども言っていたものね?王女なのよ!と、何を揉めていたの?大人しくしているように言われたのに、出来ていなかったから?」
「っ」
「だから王女なのよ!なんて、なぜ言ったの?」
「…」
「王女だから敬って当然だと思って?王女である私が男性に声を掛けあげたのに、ちやほやしてくれない。手応えがなかったのかしら?」
「…」
「なるほど、不味いことになっているのは分かっているから、答えないという選択をする質なのね」
ソアリスはポンポンと自身の頬を叩き、何かを考えているかのようだったが、その前にずっと口にはしていなかったが、どうしても気になることがあった。
「フローラ王女、ちょっとその前に一つ、質問してもいいかしら?」
「…」
フローラは自分の不利な事しか聞かれないだろうと思って、また答えない選択をした。
「じゃあ、侍女でいいわ!あなたがフローラ王女の侍女ね?」
「はい!」
後ろに控えていた侍女は、ビクッとしたが、一歩前に出て、しっかりと答えた。
「フローラ王女のドレスは誰が選んだの?」
「王女殿下でございます」
「このようなデザインしかなかったの?」
ソアリスは気になっていたのは、フローラのドレスであった。無理矢理、これしかなくて着せられたのならば、仕方ないと考えていた。
もしかしたら、何らかの嫌がらせとも取れるドレスであったためである。
「いいえ、他にもございました」
「持って来てもらったの?」
「いえ、お店に行って、購入いたしました」
「あなたは、注意はしなかったの?」
「私は他のデザインがいいのではないかと申し上げましたが、王女殿下がこちらがいいとおっしゃられて」
「っな!」
フローラはいつも着ないようなドレスを着ており、王女に相応しくないドレスだと言われているのだろうと、振り向いて侍女を睨んだ。
「ありがとう、下がっていいわ」
「はい」
フローラのドレスは色はワインレッドで、胸元が開いているという言葉では済ませられないほど、豊満な胸が零れ落ちそうになっており、もう少しで乳首すら見えるのではないかという胸元が強調された物であった。
そう、ソアリスに言わせれば、乳房丸出しのドレスである。
「私はクロンデール王国、ソアリス王妃陛下の侍女です。ソアリス王妃陛下が、フローラ王女をお呼びです。誰に従うべきか分かりますね?」
そう言って、キャロラインは王家から貰い受けた、侍女の証である、小さな懐中時計のクロンデール王国の紋章を見せた。
流石に王女の侍女であることから、高位貴族であり、目を見開いた。
「承知しました」
すぐさま、侍女はフローラ王女の元へ行き、耳元で事情を話すと、えっと言いながら辺りを見渡したが、ソアリスは既にいない。
「王女殿下、ご案内いたします」
キャロラインはフローラ王女に、美しい姿勢で右手を出した。
「どうして!」
「逆らうということでしたら、それでも構いません」
キャロラインも高位貴族夫人であり、こういった場に慣れている。
「い、いえ…参ります」
さすがにクロンデール王国の王妃陛下に目を付けられ、無視したとなれば、ロンド王国で不味いことになることはフローラにも分かった。
どうして、王妃陛下がいるのかと、ドレスの裾をぎゅうっと握りしめた。
「ごきげんよう、フローラ王女殿下」
フローラが入室すると、応接室のソファで圧倒的な存在感を放っていたのは、間違いなくクロンデール王国の王妃陛下だった。
ソアリスを知らないということは、ロンド王国王女としてあり得ないことである。
「はい、お初にお目にかかります」
「ええ、お座りになって」
「はい…」
フローラはそっと、ソアリスの目の前に腰を下ろし、後ろに侍女と護衛が控えた。
「ロンド王国の王女なのですよね?」
「…はい」
どうしてそんな当たりえ前のことを聞くのかと、フローラは不思議に思った。
「先ほども言っていたものね?王女なのよ!と、何を揉めていたの?大人しくしているように言われたのに、出来ていなかったから?」
「っ」
「だから王女なのよ!なんて、なぜ言ったの?」
「…」
「王女だから敬って当然だと思って?王女である私が男性に声を掛けあげたのに、ちやほやしてくれない。手応えがなかったのかしら?」
「…」
「なるほど、不味いことになっているのは分かっているから、答えないという選択をする質なのね」
ソアリスはポンポンと自身の頬を叩き、何かを考えているかのようだったが、その前にずっと口にはしていなかったが、どうしても気になることがあった。
「フローラ王女、ちょっとその前に一つ、質問してもいいかしら?」
「…」
フローラは自分の不利な事しか聞かれないだろうと思って、また答えない選択をした。
「じゃあ、侍女でいいわ!あなたがフローラ王女の侍女ね?」
「はい!」
後ろに控えていた侍女は、ビクッとしたが、一歩前に出て、しっかりと答えた。
「フローラ王女のドレスは誰が選んだの?」
「王女殿下でございます」
「このようなデザインしかなかったの?」
ソアリスは気になっていたのは、フローラのドレスであった。無理矢理、これしかなくて着せられたのならば、仕方ないと考えていた。
もしかしたら、何らかの嫌がらせとも取れるドレスであったためである。
「いいえ、他にもございました」
「持って来てもらったの?」
「いえ、お店に行って、購入いたしました」
「あなたは、注意はしなかったの?」
「私は他のデザインがいいのではないかと申し上げましたが、王女殿下がこちらがいいとおっしゃられて」
「っな!」
フローラはいつも着ないようなドレスを着ており、王女に相応しくないドレスだと言われているのだろうと、振り向いて侍女を睨んだ。
「ありがとう、下がっていいわ」
「はい」
フローラのドレスは色はワインレッドで、胸元が開いているという言葉では済ませられないほど、豊満な胸が零れ落ちそうになっており、もう少しで乳首すら見えるのではないかという胸元が強調された物であった。
そう、ソアリスに言わせれば、乳房丸出しのドレスである。
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