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母娘の再会10
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「お母様がアンセム国王陛下と結婚していたらと言いましたけど、私も母親はがソアリス王妃陛下だったら、こんな人生ではなかったのだろうと思っていますよ」
「…なんて、ことを、言うの…?」
ララシャは今日、一番のショックを受けた。
まさかソアリスの方がいいなんてことは、ララシャにとってこの世で一番あり得ないことであった。
「ソアリスの方がいいなんて、あり得ないわ!あの子は不出来で、欠陥品なのよ!」
もはや誰も口にすることもなくなった、ソアリスへの呼び名であった。
過去を引きずるララシャは今でも、あの頃のソアリスの評価で止まっている。
ピデム王国にいたのだから、多少は無理もないのかもしれないが、現在が見えていない。見ようとしていないからこそである。
キリスとマルシャはその呼び名に、酷い後悔が襲い、胸が苦しくなった。
「欠陥品?欠陥品はお母様の方でしょう?」
「そんなわけないじゃない」
「ではどうして、ソアリス王妃陛下が出来ることが、お母様は出来ないのですか?」
「そんなことあるわけないでしょう!」
「マナー、礼儀作法、共通語…どうして出来ないのですか?」
「それはたまたま苦手だっただけで…」
さすがに出来るとは言えず、また同じようにいいわけを言うしかなかった。
「そんなことを、王子妃だったら言えないはずですよ?ソアリス王妃陛下は王妃である以上、お母様なんかよりよほど、許される立場でありません」
「あの子は口が悪いのよ!汚い言葉を使うの!」
「ええ、だから何です?」
エミアンローズもソアリスに怒鳴られた時、心臓がうるさいほど驚き、思わず涙が零れそうになった。でも、悪いのは自分だと理解が出来ていた。
「あんな風にはなってはいけないという子なの!」
「口が悪いくらい、何も出来ない、何もしないお母様よりいいじゃない」
「お母様は何が得意だったのですか?何なら出来たのですか?」
「…私は、社交が得意だったの!でも披露する場がなくて」
ララシャはいい答えだと思ったが、エミアンローズは溜息を付いた。
「では意味がないじゃないですか」
「だから、そんな場があれば、分かって貰えたのよ」
ララシャはお喋りをして、自分が楽しく過ごすことが、社交だと思っている。
確かにそんなやり取りの中で、有益な情報を得ることも可能ではあるが、ララシャには気付けないだろう。
「どんな話をするのです?」
「そうね、プレゼントに何を貰ったかとか、どんなドレスを注文したかとか」
「そうですか…」
期待通り実にならない話をしていたのだろう。お母様に王子妃として社交をさせなかったことも、王妃にならかったことも、正しい判断でしかない。
エミアンローズは、思わずふっと笑ってしまった。
「お母様は公爵令嬢としても、王子妃としても、本来は生きてはいけなかったでしょうね。なるべくして今の状態になったのではありませんか」
「そんなはずないでしょう!どうしてしまったの?あなたは私の娘なのよ!」
「分かっていますよ、残念ながら、あなたによく似てしまった娘です」
エミアンローズも偉そうに話しているが、自分もソアリスの言葉を借りるなら、言える立場ではない。でも、母に効果があるのは私とお父様だと思っている。
「そうよ、私たちはよく似ているじゃない」
「だからこそ、お母様は今のようになったのでしょう?母親だというのなら、きちんとした姿を見せてください」
「見せて来たじゃない!」
「はあ…どこがですか…何もしていないことを手本にしろということですか?」
「そうじゃないでしょう?どうしてしまったの?」
エミアンローズはララシャを手本にはしていないつもりだったが、無意識に似てしまったことを、話せば話すほど、嫌というほどに実感している。
「…なんて、ことを、言うの…?」
ララシャは今日、一番のショックを受けた。
まさかソアリスの方がいいなんてことは、ララシャにとってこの世で一番あり得ないことであった。
「ソアリスの方がいいなんて、あり得ないわ!あの子は不出来で、欠陥品なのよ!」
もはや誰も口にすることもなくなった、ソアリスへの呼び名であった。
過去を引きずるララシャは今でも、あの頃のソアリスの評価で止まっている。
ピデム王国にいたのだから、多少は無理もないのかもしれないが、現在が見えていない。見ようとしていないからこそである。
キリスとマルシャはその呼び名に、酷い後悔が襲い、胸が苦しくなった。
「欠陥品?欠陥品はお母様の方でしょう?」
「そんなわけないじゃない」
「ではどうして、ソアリス王妃陛下が出来ることが、お母様は出来ないのですか?」
「そんなことあるわけないでしょう!」
「マナー、礼儀作法、共通語…どうして出来ないのですか?」
「それはたまたま苦手だっただけで…」
さすがに出来るとは言えず、また同じようにいいわけを言うしかなかった。
「そんなことを、王子妃だったら言えないはずですよ?ソアリス王妃陛下は王妃である以上、お母様なんかよりよほど、許される立場でありません」
「あの子は口が悪いのよ!汚い言葉を使うの!」
「ええ、だから何です?」
エミアンローズもソアリスに怒鳴られた時、心臓がうるさいほど驚き、思わず涙が零れそうになった。でも、悪いのは自分だと理解が出来ていた。
「あんな風にはなってはいけないという子なの!」
「口が悪いくらい、何も出来ない、何もしないお母様よりいいじゃない」
「お母様は何が得意だったのですか?何なら出来たのですか?」
「…私は、社交が得意だったの!でも披露する場がなくて」
ララシャはいい答えだと思ったが、エミアンローズは溜息を付いた。
「では意味がないじゃないですか」
「だから、そんな場があれば、分かって貰えたのよ」
ララシャはお喋りをして、自分が楽しく過ごすことが、社交だと思っている。
確かにそんなやり取りの中で、有益な情報を得ることも可能ではあるが、ララシャには気付けないだろう。
「どんな話をするのです?」
「そうね、プレゼントに何を貰ったかとか、どんなドレスを注文したかとか」
「そうですか…」
期待通り実にならない話をしていたのだろう。お母様に王子妃として社交をさせなかったことも、王妃にならかったことも、正しい判断でしかない。
エミアンローズは、思わずふっと笑ってしまった。
「お母様は公爵令嬢としても、王子妃としても、本来は生きてはいけなかったでしょうね。なるべくして今の状態になったのではありませんか」
「そんなはずないでしょう!どうしてしまったの?あなたは私の娘なのよ!」
「分かっていますよ、残念ながら、あなたによく似てしまった娘です」
エミアンローズも偉そうに話しているが、自分もソアリスの言葉を借りるなら、言える立場ではない。でも、母に効果があるのは私とお父様だと思っている。
「そうよ、私たちはよく似ているじゃない」
「だからこそ、お母様は今のようになったのでしょう?母親だというのなら、きちんとした姿を見せてください」
「見せて来たじゃない!」
「はあ…どこがですか…何もしていないことを手本にしろということですか?」
「そうじゃないでしょう?どうしてしまったの?」
エミアンローズはララシャを手本にはしていないつもりだったが、無意識に似てしまったことを、話せば話すほど、嫌というほどに実感している。
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