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帰国後2
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「なんて、可愛いんだ」
「心臓が止まるかと思ったわ」
「んまあ~んまあぁぁぁ!」
バーセム前公爵、バーセム前公爵夫人、レイドラ夫人の感想である。ミオトは大真面目に、母の心臓を心配している。
「バーセム前公爵夫妻も、レイドラ様も弱かったのね、ふふっ」
「そうなの。でも、お母様のあんな声、初めて聞いたわよ」
「全てが詰まっていたわね」
ソアリスとリズは笑い合っていたが、リズがふと真顔になった。
「お父様が来たら、さらに大変なことになるわ。失神するかも」
「おじ様?」
「お父様はお母様以上に、小さくて可愛いものに弱いの…」
「おじ様、大きいものね」
ミッドラー前侯爵はミオトと体格は違うが、背が高く、渋い男性である。用事を済ませてから来ることになっているようで、レイドラが先に着いていたのである。
そして、ミッドラー前侯爵が到着し、リズが心構えを、支えが必要かもしれないとミオトが迎えて、ケイトに会わせることになった。
「おじしゃま、けいと・ぐれんばれんでございましゅ」
背が高いので、ケイトはどうしても上目遣いになってしまい、よりにもよってという状態である。
「あぴ」
「え?」
「あぴ?」
あぴ―――――!っと言いながら、反り返ってしまい、ミオトががっしりと後ろから支えた。
「ああ、すまないミオトくん。これはいかん、いかんぞ。娘こそ、孫こそ、可愛いと思っていたが、ここにも至高の可愛さがあったなんて…」
「おじ様、大袈裟だわ」
「何を言っているんだ、ソアリスちゃん!こんな可愛さを凝縮して、私の前に出されたら、私は一体どうすれば…ああ…」
ミッドラー前侯爵は公の場では王妃陛下と呼ぶが、それ以外はソアリスを唯一、ソアリスちゃんと呼ぶ存在である。
「ケイト、おじ様に抱っこしてもらいなさい。背が高いから、楽しいわよ?」
「そんな、そんな、そんな、そんな、そんな」
「そんなを何回、言うの?」
リズが慌てふためく父親に、冷静に指摘した。
「いやにゃの?」
小首を傾げて、ケイトが問うと、ミッドラー前侯爵はついに手を付いてしゃがみこんでしまった。
「嫌なんて、とんでもござません」
ケイトがどーんと抱き着くと、ミッドラー前侯爵は『幸せだぁ~幸せだぁ~生きてて良かった』と言いながら、ケイトを抱きしめて、高い高いまでして貰っていた。
その後、ミフルの結婚式の写真をケイトの解説付きで見ることになり、大人たちの顔は蕩け切ってしまったが、ソアリスは大満足であった。
ピデム王国でも、グレイ殿下とミフル殿下が結婚したことを、ララシャの娘で、ロンド王国の留学を終えたものの、王家で扱いに困る存在になっている、同い年であるエミアンローズも知ることになった。
エミアンローズが見ていたのは、美しい二人が幸せそうに微笑んでいる新聞であった。何かが違えば、自分もそこにいたのではないかと思っていた。
「結婚したのね…」
「ああ、素晴らしい結婚式だったそうだ」
父であるリベルが答えると、エミアンローズは意味深に頷いた。
「そう…」
エミアンローズは王妃陛下から、留学を伸ばしてはどうかという話にもなったのだが、エミアンローズがどうしても帰りたいと言い、これ以上、ロンド王国にも迷惑を掛けられないと思い、戻すことにした。
戻ってからはまだまだ足りない勉強をさせているが、あまり進んでいない。別の国に留学してはどうかと思っているが、エミアンローズは行きたがらない。
「お父様、やっぱり私も結婚がしたいわ」
エミアンローズは留学してから、結婚したいということを口に出すようになった。だが、リベルは楽が出来ると思っているのではないかと危惧しているが、エミアンローズは違うと否定している。
「聞いては貰っているんだが」
「でも、従妹で、同じ王女が結婚したのに…」
「心臓が止まるかと思ったわ」
「んまあ~んまあぁぁぁ!」
バーセム前公爵、バーセム前公爵夫人、レイドラ夫人の感想である。ミオトは大真面目に、母の心臓を心配している。
「バーセム前公爵夫妻も、レイドラ様も弱かったのね、ふふっ」
「そうなの。でも、お母様のあんな声、初めて聞いたわよ」
「全てが詰まっていたわね」
ソアリスとリズは笑い合っていたが、リズがふと真顔になった。
「お父様が来たら、さらに大変なことになるわ。失神するかも」
「おじ様?」
「お父様はお母様以上に、小さくて可愛いものに弱いの…」
「おじ様、大きいものね」
ミッドラー前侯爵はミオトと体格は違うが、背が高く、渋い男性である。用事を済ませてから来ることになっているようで、レイドラが先に着いていたのである。
そして、ミッドラー前侯爵が到着し、リズが心構えを、支えが必要かもしれないとミオトが迎えて、ケイトに会わせることになった。
「おじしゃま、けいと・ぐれんばれんでございましゅ」
背が高いので、ケイトはどうしても上目遣いになってしまい、よりにもよってという状態である。
「あぴ」
「え?」
「あぴ?」
あぴ―――――!っと言いながら、反り返ってしまい、ミオトががっしりと後ろから支えた。
「ああ、すまないミオトくん。これはいかん、いかんぞ。娘こそ、孫こそ、可愛いと思っていたが、ここにも至高の可愛さがあったなんて…」
「おじ様、大袈裟だわ」
「何を言っているんだ、ソアリスちゃん!こんな可愛さを凝縮して、私の前に出されたら、私は一体どうすれば…ああ…」
ミッドラー前侯爵は公の場では王妃陛下と呼ぶが、それ以外はソアリスを唯一、ソアリスちゃんと呼ぶ存在である。
「ケイト、おじ様に抱っこしてもらいなさい。背が高いから、楽しいわよ?」
「そんな、そんな、そんな、そんな、そんな」
「そんなを何回、言うの?」
リズが慌てふためく父親に、冷静に指摘した。
「いやにゃの?」
小首を傾げて、ケイトが問うと、ミッドラー前侯爵はついに手を付いてしゃがみこんでしまった。
「嫌なんて、とんでもござません」
ケイトがどーんと抱き着くと、ミッドラー前侯爵は『幸せだぁ~幸せだぁ~生きてて良かった』と言いながら、ケイトを抱きしめて、高い高いまでして貰っていた。
その後、ミフルの結婚式の写真をケイトの解説付きで見ることになり、大人たちの顔は蕩け切ってしまったが、ソアリスは大満足であった。
ピデム王国でも、グレイ殿下とミフル殿下が結婚したことを、ララシャの娘で、ロンド王国の留学を終えたものの、王家で扱いに困る存在になっている、同い年であるエミアンローズも知ることになった。
エミアンローズが見ていたのは、美しい二人が幸せそうに微笑んでいる新聞であった。何かが違えば、自分もそこにいたのではないかと思っていた。
「結婚したのね…」
「ああ、素晴らしい結婚式だったそうだ」
父であるリベルが答えると、エミアンローズは意味深に頷いた。
「そう…」
エミアンローズは王妃陛下から、留学を伸ばしてはどうかという話にもなったのだが、エミアンローズがどうしても帰りたいと言い、これ以上、ロンド王国にも迷惑を掛けられないと思い、戻すことにした。
戻ってからはまだまだ足りない勉強をさせているが、あまり進んでいない。別の国に留学してはどうかと思っているが、エミアンローズは行きたがらない。
「お父様、やっぱり私も結婚がしたいわ」
エミアンローズは留学してから、結婚したいということを口に出すようになった。だが、リベルは楽が出来ると思っているのではないかと危惧しているが、エミアンローズは違うと否定している。
「聞いては貰っているんだが」
「でも、従妹で、同じ王女が結婚したのに…」
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