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エクルの妊娠
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ルルエの妊娠は順調に進み、エクルも第一子を妊娠をして、またも妊娠の連鎖が起こっていた。
「おめでとう」
「おめでとうございます」
「「ありがとうございます」」
エクルは安定期を迎えたので、ブルックスと共に、両陛下に報告に来ていた。
「お母様、今回はさすがにないですわよね?」
「プロフェッショナルばあさまですよ?あるわけないでしょう」
「いやいや、あのチョロチョロしている王女はなんですか?」
ケイトがエクルの持って来てくれたクッキーの缶を掲げて、皆にいいでしょうと自慢しながら、ちまちまと歩いている。
何も知らなければ微笑ましい光景なのではあるが、ここにいる皆はケイトのことを知っているために、全部食べるのではないかとヒヤヒヤしている。
「あれは、大食いモンスターです」
「っふ、失礼しました」
ブルックスが吹き出し、低姿勢で謝っている。
「大食いモンスターって…」
「だって、凄いのよ?ちょっと目を離すと、私の揚げ芋まで食べられてしまったんだから」
「それはお母様の恨みでしょう?」
「本当に怖いのよ。どれだけ食べるのか…あのクッキーも1缶ペロリよ?モンスター以外ないじゃない」
「だから、最初に言ったでしょう?」
お土産として持って来たクッキー缶は、渡す時に、エクルに1日5枚までと約束するなら、あげると言われて貰っていた。
「守るのかしら?私だったら、誰かが食べたとか言って全部食べちゃうもの」
「お母様も同じじゃない…どうなっているのよ…」
「だから、私のようになってはいけないと思って、注意しているのよ」
そんな話をしていると、ちょこんと座ったケイトはクッキー缶を開けて、どれにしようかなと迷っている。
「選んでいる姿だけは可愛いんだがな…」
アンセムが悲壮感たっぷりに呟いた。
横でメイドと護衛が、『あと4枚だけですよ』と、数を教えている。でないと、何枚食べたか分からないと言い出すからである。
「エクル、悪阻は?」
「それがあまりないみたいで、そこはお母様に似たのかもしれないわ」
「まあ、それは良かったわね。でもお母様、カイルスの時だけは酷かったわよ」
「ああ…そうだったわね、毎日、ブツブツ言っていたものね」
「ええ、トマトが生きる源だったわ」
気持ち悪いと言いながらも、トマトを啜り続けていた。
「じゃあ、具合が悪かったらキャンセルしてもいいから、ミフルが嫁ぐ前に皆を集めようと思っているから、付き合って貰えるかしら?」
「ええ、分かったわ」
「ブルックス様も都合が付けば、ご一緒に」
「はい!」
エクルは珍しいなとは思ったが、ミフルとはなかなか会えなくなるので、そこは母親らしいというべきなのだろうかと思っていた。
それよりも横で驚いている父の方が気になった、どうやら聞かされていなかったのだろう。
「ケイト殿下、それは6枚目です」
そんな声が聞こえて、ソアリスがスッと立ち上がった。
「ケイト~!エクルお姉様とお約束したでしょう?」
「これは5みゃいめよ」
「6枚目でございます」
メイドが頭を下げながら、申し訳なさそうに言った。
「ちょんなことないわ」
「お母様に嘘を付くの?」
「あちょもういちまいだけ、ね?」
「約束を守らないのなら、お母様が全部食べます!いいのですか?」
「え?じぇんぶ?」
「そう!ぜーんぶ、お母様が美味しく頂きます」
「ううう…わかりまちた」
悲しみに満ち溢れ、渋い顔をしながら、クッキーを元に戻した。
残りはまた明日にしましょうと、クッキー缶は持って行かれて、ケイトは名残惜しそうな目で見つめていた。
「いつもあんな感じなの?」
「ああ、最近はお母様が食べますが、なかなか効果があるそうだ」
「お母様もペロリでしょうからね」
「ああ、よくおかしい!消えたわ。どうなっているのかしらと言っている…」
「そっくりじゃない…」
そして、数日後、ユリウス、マイノス、アリル、エクル、ミフル、カイルス、ケイトが集められて、それぞれの妻や夫も集まることになった。
「おめでとう」
「おめでとうございます」
「「ありがとうございます」」
エクルは安定期を迎えたので、ブルックスと共に、両陛下に報告に来ていた。
「お母様、今回はさすがにないですわよね?」
「プロフェッショナルばあさまですよ?あるわけないでしょう」
「いやいや、あのチョロチョロしている王女はなんですか?」
ケイトがエクルの持って来てくれたクッキーの缶を掲げて、皆にいいでしょうと自慢しながら、ちまちまと歩いている。
何も知らなければ微笑ましい光景なのではあるが、ここにいる皆はケイトのことを知っているために、全部食べるのではないかとヒヤヒヤしている。
「あれは、大食いモンスターです」
「っふ、失礼しました」
ブルックスが吹き出し、低姿勢で謝っている。
「大食いモンスターって…」
「だって、凄いのよ?ちょっと目を離すと、私の揚げ芋まで食べられてしまったんだから」
「それはお母様の恨みでしょう?」
「本当に怖いのよ。どれだけ食べるのか…あのクッキーも1缶ペロリよ?モンスター以外ないじゃない」
「だから、最初に言ったでしょう?」
お土産として持って来たクッキー缶は、渡す時に、エクルに1日5枚までと約束するなら、あげると言われて貰っていた。
「守るのかしら?私だったら、誰かが食べたとか言って全部食べちゃうもの」
「お母様も同じじゃない…どうなっているのよ…」
「だから、私のようになってはいけないと思って、注意しているのよ」
そんな話をしていると、ちょこんと座ったケイトはクッキー缶を開けて、どれにしようかなと迷っている。
「選んでいる姿だけは可愛いんだがな…」
アンセムが悲壮感たっぷりに呟いた。
横でメイドと護衛が、『あと4枚だけですよ』と、数を教えている。でないと、何枚食べたか分からないと言い出すからである。
「エクル、悪阻は?」
「それがあまりないみたいで、そこはお母様に似たのかもしれないわ」
「まあ、それは良かったわね。でもお母様、カイルスの時だけは酷かったわよ」
「ああ…そうだったわね、毎日、ブツブツ言っていたものね」
「ええ、トマトが生きる源だったわ」
気持ち悪いと言いながらも、トマトを啜り続けていた。
「じゃあ、具合が悪かったらキャンセルしてもいいから、ミフルが嫁ぐ前に皆を集めようと思っているから、付き合って貰えるかしら?」
「ええ、分かったわ」
「ブルックス様も都合が付けば、ご一緒に」
「はい!」
エクルは珍しいなとは思ったが、ミフルとはなかなか会えなくなるので、そこは母親らしいというべきなのだろうかと思っていた。
それよりも横で驚いている父の方が気になった、どうやら聞かされていなかったのだろう。
「ケイト殿下、それは6枚目です」
そんな声が聞こえて、ソアリスがスッと立ち上がった。
「ケイト~!エクルお姉様とお約束したでしょう?」
「これは5みゃいめよ」
「6枚目でございます」
メイドが頭を下げながら、申し訳なさそうに言った。
「ちょんなことないわ」
「お母様に嘘を付くの?」
「あちょもういちまいだけ、ね?」
「約束を守らないのなら、お母様が全部食べます!いいのですか?」
「え?じぇんぶ?」
「そう!ぜーんぶ、お母様が美味しく頂きます」
「ううう…わかりまちた」
悲しみに満ち溢れ、渋い顔をしながら、クッキーを元に戻した。
残りはまた明日にしましょうと、クッキー缶は持って行かれて、ケイトは名残惜しそうな目で見つめていた。
「いつもあんな感じなの?」
「ああ、最近はお母様が食べますが、なかなか効果があるそうだ」
「お母様もペロリでしょうからね」
「ああ、よくおかしい!消えたわ。どうなっているのかしらと言っている…」
「そっくりじゃない…」
そして、数日後、ユリウス、マイノス、アリル、エクル、ミフル、カイルス、ケイトが集められて、それぞれの妻や夫も集まることになった。
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