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畜生2
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ソアリスは色気のあると言われていたキリスに似ているので、顔立ちは派手な方である。だが、華美な装飾は必要な時以外は、素早く動けないと、煩わしいと嫌がるので、最低限しかしない。
それでも美しく見せているのは、日々の運動と食事と睡眠。だが本人に自覚はなく、メイドたちのおかげで美しくして貰っていると思っている。
「ソアリスは見た目に全く気を遣う気がない…運動も好きなことはあるが、樽になりたくない気持ちが強いからな」
ソアリスは絶対に樽になりたくないと思っており、子どもたちにも節制というほどではないが、そこだけは厳しく言っている。
ゆえに大食いのケイトにも、厳しいのである。
「王妃陛下はならないとは思っておりましたが、ララシャ嬢を見た後だと、絶対とは言えませんからね」
「ああ…」
皆、ガリガリだったララシャが樽になって、唖然としたのである。そして、ソアリスの絶対になりたくない気持ちも、さらに理解することが出来たとも言える。
「ソファが沈んでおったそうだ」
「え?」
「ロアンスラー公爵邸に行っただろう?その時に、ララシャ嬢のところだけが沈んでいたそうだ、ソアリスもメディナ夫人も、ケイトまでも言っておった」
「ケイト殿下も?」
オーランもケイトには、グリグリも何度もされており、カイルス殿下ですら言葉が達者だと思っていたのに、規格外であることは分かっている。
「ぎちぎち、みちみちという音がしていたと言われたよ」
「ぎちぎち、みちみち…臨場感のある表現ですね」
「ああ、ララシャ嬢に馬鹿にされたとも分かったようで、言い返したそうだ」
「殿下なら言い返せるでしょうね」
普通の二歳は言い返せないが、ケイト殿下なら言い返せることは分かる。
「しかも、ララシャ嬢のことも顔は小さいから、可愛くないぬいぐるみみたい言っていた…」
「王妃陛下の血ですね…可愛くないという表現の仕方が…」
「ああ、毎日思っている。視点が同じなんだろうな。ユリウスがケイトが国王になった方がいいのかもしれないとすら言っていたよ」
「似合いそうではありますがね」
「ああ…」
アンセムも、あのあまり動じない、肝の座った様子は上のユリウス、マイノスではなく、カイルス、そしてケイトに見られると思っている。
「だが、ソアリス本人は向いていないと思っているからな。それも変わらない」
「妹は、今でも王妃陛下には絶対に逆らわないと誓っております」
続いて黙って話を聞いていたクイオが話を始め、妹といえば側妃になろうとした、愚かな妖精リパールである。
「あれは…まあ、妹が悪かったからな」
ソアリスの本気を生で見たというべき瞬間で、忘れることは出来ない。
「はい、王妃陛下にやられて、両親、祖父母に怒られたにも関わらず、友人に王妃陛下が怖かったと言って回ったそうですが、王妃陛下に『あら~男勝りのテクニシャンじゃないの?今日も励んでる?』と言われて、心が折れたようです」
「そうだったのか?」
ソアリスに敵認定されれば、言われていてもおかしくはない。ソアリスにとっては、挨拶くらいの感覚であろう。
「ええ、バーセム公爵夫人と、レイドラ・ミッドラー前侯爵夫人が参戦して、地獄を見たと言っておりました…」
「それは、恐ろしいな」
ボソリと言ったのはオーランである。バーセム公爵夫人ことリズは迫力のある美人で、ソアリスのように直接的な言葉を使うことはないがとても鋭く、その母・レイドラ前侯爵夫人は言わずもがなである。
「はい、体が震えたそうです。ですが、いい罰になったと家族全員で感謝したくらいです。本人も、今も怖いというのもありますが、合わせる顔がないと、きちんと反省しております」
「ソアリスはララシャ嬢という化け物を、ずっと相手にしていたからな…」
ソアリスにとって話の通じる相手、言葉で効果のある相手は、楽である。
それでも美しく見せているのは、日々の運動と食事と睡眠。だが本人に自覚はなく、メイドたちのおかげで美しくして貰っていると思っている。
「ソアリスは見た目に全く気を遣う気がない…運動も好きなことはあるが、樽になりたくない気持ちが強いからな」
ソアリスは絶対に樽になりたくないと思っており、子どもたちにも節制というほどではないが、そこだけは厳しく言っている。
ゆえに大食いのケイトにも、厳しいのである。
「王妃陛下はならないとは思っておりましたが、ララシャ嬢を見た後だと、絶対とは言えませんからね」
「ああ…」
皆、ガリガリだったララシャが樽になって、唖然としたのである。そして、ソアリスの絶対になりたくない気持ちも、さらに理解することが出来たとも言える。
「ソファが沈んでおったそうだ」
「え?」
「ロアンスラー公爵邸に行っただろう?その時に、ララシャ嬢のところだけが沈んでいたそうだ、ソアリスもメディナ夫人も、ケイトまでも言っておった」
「ケイト殿下も?」
オーランもケイトには、グリグリも何度もされており、カイルス殿下ですら言葉が達者だと思っていたのに、規格外であることは分かっている。
「ぎちぎち、みちみちという音がしていたと言われたよ」
「ぎちぎち、みちみち…臨場感のある表現ですね」
「ああ、ララシャ嬢に馬鹿にされたとも分かったようで、言い返したそうだ」
「殿下なら言い返せるでしょうね」
普通の二歳は言い返せないが、ケイト殿下なら言い返せることは分かる。
「しかも、ララシャ嬢のことも顔は小さいから、可愛くないぬいぐるみみたい言っていた…」
「王妃陛下の血ですね…可愛くないという表現の仕方が…」
「ああ、毎日思っている。視点が同じなんだろうな。ユリウスがケイトが国王になった方がいいのかもしれないとすら言っていたよ」
「似合いそうではありますがね」
「ああ…」
アンセムも、あのあまり動じない、肝の座った様子は上のユリウス、マイノスではなく、カイルス、そしてケイトに見られると思っている。
「だが、ソアリス本人は向いていないと思っているからな。それも変わらない」
「妹は、今でも王妃陛下には絶対に逆らわないと誓っております」
続いて黙って話を聞いていたクイオが話を始め、妹といえば側妃になろうとした、愚かな妖精リパールである。
「あれは…まあ、妹が悪かったからな」
ソアリスの本気を生で見たというべき瞬間で、忘れることは出来ない。
「はい、王妃陛下にやられて、両親、祖父母に怒られたにも関わらず、友人に王妃陛下が怖かったと言って回ったそうですが、王妃陛下に『あら~男勝りのテクニシャンじゃないの?今日も励んでる?』と言われて、心が折れたようです」
「そうだったのか?」
ソアリスに敵認定されれば、言われていてもおかしくはない。ソアリスにとっては、挨拶くらいの感覚であろう。
「ええ、バーセム公爵夫人と、レイドラ・ミッドラー前侯爵夫人が参戦して、地獄を見たと言っておりました…」
「それは、恐ろしいな」
ボソリと言ったのはオーランである。バーセム公爵夫人ことリズは迫力のある美人で、ソアリスのように直接的な言葉を使うことはないがとても鋭く、その母・レイドラ前侯爵夫人は言わずもがなである。
「はい、体が震えたそうです。ですが、いい罰になったと家族全員で感謝したくらいです。本人も、今も怖いというのもありますが、合わせる顔がないと、きちんと反省しております」
「ソアリスはララシャ嬢という化け物を、ずっと相手にしていたからな…」
ソアリスにとって話の通じる相手、言葉で効果のある相手は、楽である。
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