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祖母と孫2
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ソアリスはカイルスと、一緒に行くと言い出したケイトを連れて、オルファーに会いにバーセム公爵家に来ていた。
ミオトとルーファは不在で、リズとアリルとお茶会である。
「今日も凛々しいお顔だわ~素晴らしい造形、愛らしい~ねえ、カイルス」
「はい、凛々しいと思います」
ソアリスが抱き上げているのは、アリルとルーファの息子で、バーセム公爵に似ているオルファーである。
今日も、堀の深い顔で抱き上げられて、逞しく微笑んでいる。
「ソアリスが一番、褒めるわね」
「リズ、可愛くないの?」
「いいえ、可愛いわ。入るならば目の中に入れても痛くないって、本当だと思っているくらいよ」
「でしょう?」
二人の祖母はうんうんと頷いて、満足そうにしている。
「たまに既視感のある凄まじい眼力を感じる時があるわ」
「それはあるわね」
アリルの言葉に、リズが激しく同意した。言わずもがな、ミオト・バーセムに似ているからである。
「けいともめにいれちぇもいいのよ?」
オルファーににこにこしているソアリス向かって、ケイトが言い放った。
「お母様は全面的に遠慮するわ」
「ちょんな~」
「私は入れれるものなら、入れてもいいと思っているよ?」
にっこりと笑って、ケイトを慰めているのは、優しいカイルスである。
「おにしゃま~」
「あなたを目に入れたら、目からおやつはまだか~食事はまだか~足りない足りない~もっと寄こせって、うるさくて堪らないわ」
「おかしゃま、ちょんないいかたよくないわ」
「ふん、絶対言うわよ!私とケイトが合体したら、皆への迷惑が倍になってしまうわ!ああ、恐ろしい」
いーだと言わんばかりに、二人は顔を突き合わせている。
「いつもこの調子で、申し訳ありません」
カイルスが少しすまなそうな顔をして、リズに謝っていた。
「カイルス殿下こそ、大変ですわね」
「いえ、私は二人が言い合っているのが好きなのです」
「まあ、でも分かる気がしますわ。ソアリスが二人いるのか、ケイト殿下が二人いるのか、子どもの頃に本当によく似ているもの」
「お母様のですか」
今でもソアリスが大好きなカイルスは、ソアリスのことなら何でも聞きたい。
「ええ、ソアリスも子どもの頃は絶対に言い返していたもの。お腹が空いたともよく言っていたわ」
「リズ~余計なこと言わないで、私の威厳がなくなるわ」
「大丈夫よ、あなたの威厳はもうちょっとや、そっとではなくならないわ」
ソアリスに向かって威厳がないと言うものは、まずいない。
「それもそれで、どうなのかしら…」
「ほうら、おかしゃまもいっちょじゃない」
ケイトにそう言われて、オルファー皆が私をいじめるわと、お腹に顔をうずめて、グリグリして、たっぷりオルファーを堪能して帰って行った。
そして、王宮に戻って、アンセムにオルファーを絶賛していると、ユリウスとルルエが訪ねて来た。
「ルルエが妊娠しました」
「おめでとう」
「おめでとうございます」
「「ありがとうございます」」
ミオスも三歳になり、出来ることも増えている。
「無理はしないように」
「はい!」
「公務は私とエクシアーヌでやりますから、辛いときは休みなさい」
私が全部とは言わないのが、ソアリスというところである。
「はい、ありがとうございます」
「いいえ、私はプロフェッショナルばあさまですから!いつでもミオスを預かりますわ!とは言っても、前回もそう思っていたのに、自分が妊娠したんですけどね…今回はありませんから、任せなさい」
皆、あの怒涛の日々を思い出し、何とも言えな気持ちになった。
「ルルエが健康で、子どもも健康で、出来れば私に似ないことを祈るばかりっ!」
「ケイトより似ることはないと思いますよ」
「それは間違いないわね」
王宮には久し振りの祝事に、お祝いの言葉で溢れた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日もお読みいただきありがとうございます。
本日は17時に、もう1話投稿させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
ミオトとルーファは不在で、リズとアリルとお茶会である。
「今日も凛々しいお顔だわ~素晴らしい造形、愛らしい~ねえ、カイルス」
「はい、凛々しいと思います」
ソアリスが抱き上げているのは、アリルとルーファの息子で、バーセム公爵に似ているオルファーである。
今日も、堀の深い顔で抱き上げられて、逞しく微笑んでいる。
「ソアリスが一番、褒めるわね」
「リズ、可愛くないの?」
「いいえ、可愛いわ。入るならば目の中に入れても痛くないって、本当だと思っているくらいよ」
「でしょう?」
二人の祖母はうんうんと頷いて、満足そうにしている。
「たまに既視感のある凄まじい眼力を感じる時があるわ」
「それはあるわね」
アリルの言葉に、リズが激しく同意した。言わずもがな、ミオト・バーセムに似ているからである。
「けいともめにいれちぇもいいのよ?」
オルファーににこにこしているソアリス向かって、ケイトが言い放った。
「お母様は全面的に遠慮するわ」
「ちょんな~」
「私は入れれるものなら、入れてもいいと思っているよ?」
にっこりと笑って、ケイトを慰めているのは、優しいカイルスである。
「おにしゃま~」
「あなたを目に入れたら、目からおやつはまだか~食事はまだか~足りない足りない~もっと寄こせって、うるさくて堪らないわ」
「おかしゃま、ちょんないいかたよくないわ」
「ふん、絶対言うわよ!私とケイトが合体したら、皆への迷惑が倍になってしまうわ!ああ、恐ろしい」
いーだと言わんばかりに、二人は顔を突き合わせている。
「いつもこの調子で、申し訳ありません」
カイルスが少しすまなそうな顔をして、リズに謝っていた。
「カイルス殿下こそ、大変ですわね」
「いえ、私は二人が言い合っているのが好きなのです」
「まあ、でも分かる気がしますわ。ソアリスが二人いるのか、ケイト殿下が二人いるのか、子どもの頃に本当によく似ているもの」
「お母様のですか」
今でもソアリスが大好きなカイルスは、ソアリスのことなら何でも聞きたい。
「ええ、ソアリスも子どもの頃は絶対に言い返していたもの。お腹が空いたともよく言っていたわ」
「リズ~余計なこと言わないで、私の威厳がなくなるわ」
「大丈夫よ、あなたの威厳はもうちょっとや、そっとではなくならないわ」
ソアリスに向かって威厳がないと言うものは、まずいない。
「それもそれで、どうなのかしら…」
「ほうら、おかしゃまもいっちょじゃない」
ケイトにそう言われて、オルファー皆が私をいじめるわと、お腹に顔をうずめて、グリグリして、たっぷりオルファーを堪能して帰って行った。
そして、王宮に戻って、アンセムにオルファーを絶賛していると、ユリウスとルルエが訪ねて来た。
「ルルエが妊娠しました」
「おめでとう」
「おめでとうございます」
「「ありがとうございます」」
ミオスも三歳になり、出来ることも増えている。
「無理はしないように」
「はい!」
「公務は私とエクシアーヌでやりますから、辛いときは休みなさい」
私が全部とは言わないのが、ソアリスというところである。
「はい、ありがとうございます」
「いいえ、私はプロフェッショナルばあさまですから!いつでもミオスを預かりますわ!とは言っても、前回もそう思っていたのに、自分が妊娠したんですけどね…今回はありませんから、任せなさい」
皆、あの怒涛の日々を思い出し、何とも言えな気持ちになった。
「ルルエが健康で、子どもも健康で、出来れば私に似ないことを祈るばかりっ!」
「ケイトより似ることはないと思いますよ」
「それは間違いないわね」
王宮には久し振りの祝事に、お祝いの言葉で溢れた。
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本日もお読みいただきありがとうございます。
本日は17時に、もう1話投稿させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
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