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仁義なき対決13
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「そうよ、もし夫人の仕事があれば、私に任せてくださいませ」
不出来であることを曝したはずなのに、あたかも夫人の仕事が出来るかのような口振りである。この様子で出来もしないことを、出来るかのように振舞っていた。
それに加えて、今の今まで領地に行くように言われたはずなのに、何を言っているんだという話である。
「いいえ、結構です」
「そんな、遠慮なさらないで。色々とお困りになることがございますでしょう?」
「いいえ」
オードエル公爵は結婚前はこの手の女性に何人も言い寄られており、その際の記憶を思い出し、本来なら口も利きたくない。
「まあ、私でしたら、お役に立てますわ」
「領地に行かれるはずでは?」
「ご心配なさらないで、サリエスト様が必要だとおっしゃるならば、そのようなことにはなりませんわ」
「お断りします」
「まあ、どうして?お兄様、サリエスト様が必要だとおっしゃるのだから、領地には行かなくていいわよね?」
皆、冷めた目で見ていたが、ソアリスは明らかに、友人だったはずの夫人の、元夫になったオードエル公爵に言い寄っている様子に吐き気がした。
「気持ちわりぃな!」
「っな!あなたは黙っていて」
「本当に頭が悪いな、脳味噌がねえのか!私が指示したんだよ!ロアンスラー公爵の判断でどうにかなる話ではない!しかもオードエル公爵は断っているじゃないか!やっぱり聞こえていないのか?」
ついに母国語でキレてしまったが、無理のない状態である。
ここまで怒った様子はなかなかないので、ロアンスラー公爵側はケイトは大丈夫かと思ったが、まるで聞いていない様子で、メイドにお茶を入れて貰っていた。さすが肝が据わっている、ソアリスにそっくりだとホッとした。
「違うわ!」
「ずっとお断りしています」
相変わらずオードエル公爵は、ララシャを見ることもしない。
「…ど、どうして」
「どうしてじゃねえ!お前さ、仮にも友人だった人間の夫に言い寄るって、どんな神経してんだ?」
「力になりたいと思って何がいけないの?」
「問題を起こして、国に不利益をもたらした、ソファが沈むほど肥え太った中年の求愛なんて、誰も見たくないんだよ!鳥のように舞ってくれた方がまだいい、いや、肥え太って舞えないか。横たわっているのがお似合いだもんな!」
ララシャを集約したような表現に、メディナとミソラは拍手を送りたい気持ちになった。しかも、ソアリスの場合は実の姉であるために、他者に比べて、見たくないことも比ではないだろう。
ケイトにお茶を入れていたメイドは、横たわったという言葉に、どうして知っているのかと、驚いた。
「だから私は中年ではないわ!」
「中年だよ!私が中年なんだから、お前は熟年か?熟してんのか?」
「私には孫はいないわ」
「祖母になっても、会えないかもしれないもんな」
エミアンローズがどこまで更生が出来るかによって、彼女の人生は決まって来るだろう。正直、結婚が出来るかも分からない、そもそも出産したところで、ララシャに会いに来るかも分からない。
「っな!」
「孫は可愛いぞ~おばあちゃまって、可愛くて、柔らかくて、ふわふわだぞ」
横に同じような個体がいるのだが、ミオスとエマリーを思い出して、ソアリスは言い放った。
「エミアンローズは私を大好きなんだから」
「へえ、じゃあ大人しく、領地に行きなさい」
「だから、オードエル公爵の力になってあげるって言っているの!」
ソアリスは出たと思っていた、自分の要望が通るまで同じことを繰り返している。
「お前が力になれるはずがないだろうが!オードエル公爵の評判が下がるわ!人気者だなんて言うなよ、そんな風に言っていた友人は、もう社交界にいねぇんだよ!」
「その喋り方、止めなさいって言っているでしょう!恥ずかしい」
「誰よりも、お前にピッタリの話し方だよ!」
不出来であることを曝したはずなのに、あたかも夫人の仕事が出来るかのような口振りである。この様子で出来もしないことを、出来るかのように振舞っていた。
それに加えて、今の今まで領地に行くように言われたはずなのに、何を言っているんだという話である。
「いいえ、結構です」
「そんな、遠慮なさらないで。色々とお困りになることがございますでしょう?」
「いいえ」
オードエル公爵は結婚前はこの手の女性に何人も言い寄られており、その際の記憶を思い出し、本来なら口も利きたくない。
「まあ、私でしたら、お役に立てますわ」
「領地に行かれるはずでは?」
「ご心配なさらないで、サリエスト様が必要だとおっしゃるならば、そのようなことにはなりませんわ」
「お断りします」
「まあ、どうして?お兄様、サリエスト様が必要だとおっしゃるのだから、領地には行かなくていいわよね?」
皆、冷めた目で見ていたが、ソアリスは明らかに、友人だったはずの夫人の、元夫になったオードエル公爵に言い寄っている様子に吐き気がした。
「気持ちわりぃな!」
「っな!あなたは黙っていて」
「本当に頭が悪いな、脳味噌がねえのか!私が指示したんだよ!ロアンスラー公爵の判断でどうにかなる話ではない!しかもオードエル公爵は断っているじゃないか!やっぱり聞こえていないのか?」
ついに母国語でキレてしまったが、無理のない状態である。
ここまで怒った様子はなかなかないので、ロアンスラー公爵側はケイトは大丈夫かと思ったが、まるで聞いていない様子で、メイドにお茶を入れて貰っていた。さすが肝が据わっている、ソアリスにそっくりだとホッとした。
「違うわ!」
「ずっとお断りしています」
相変わらずオードエル公爵は、ララシャを見ることもしない。
「…ど、どうして」
「どうしてじゃねえ!お前さ、仮にも友人だった人間の夫に言い寄るって、どんな神経してんだ?」
「力になりたいと思って何がいけないの?」
「問題を起こして、国に不利益をもたらした、ソファが沈むほど肥え太った中年の求愛なんて、誰も見たくないんだよ!鳥のように舞ってくれた方がまだいい、いや、肥え太って舞えないか。横たわっているのがお似合いだもんな!」
ララシャを集約したような表現に、メディナとミソラは拍手を送りたい気持ちになった。しかも、ソアリスの場合は実の姉であるために、他者に比べて、見たくないことも比ではないだろう。
ケイトにお茶を入れていたメイドは、横たわったという言葉に、どうして知っているのかと、驚いた。
「だから私は中年ではないわ!」
「中年だよ!私が中年なんだから、お前は熟年か?熟してんのか?」
「私には孫はいないわ」
「祖母になっても、会えないかもしれないもんな」
エミアンローズがどこまで更生が出来るかによって、彼女の人生は決まって来るだろう。正直、結婚が出来るかも分からない、そもそも出産したところで、ララシャに会いに来るかも分からない。
「っな!」
「孫は可愛いぞ~おばあちゃまって、可愛くて、柔らかくて、ふわふわだぞ」
横に同じような個体がいるのだが、ミオスとエマリーを思い出して、ソアリスは言い放った。
「エミアンローズは私を大好きなんだから」
「へえ、じゃあ大人しく、領地に行きなさい」
「だから、オードエル公爵の力になってあげるって言っているの!」
ソアリスは出たと思っていた、自分の要望が通るまで同じことを繰り返している。
「お前が力になれるはずがないだろうが!オードエル公爵の評判が下がるわ!人気者だなんて言うなよ、そんな風に言っていた友人は、もう社交界にいねぇんだよ!」
「その喋り方、止めなさいって言っているでしょう!恥ずかしい」
「誰よりも、お前にピッタリの話し方だよ!」
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