私のバラ色ではない人生

野村にれ

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仁義なき対決1

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 サイラスの元へソアリスから、3日後の午前中に向かうという連絡が入り、大きく息を吸い込んで、ゆっくりと吐き出した。

「最大限のお迎えをするように」
「は!何に変えましても!」

 執事を呼び出して、ソアリスが訪れるので、準備をするように話すと、腰を抜かして、転がったくらいである。

 両親にもソアリスが訪れることはまだ話していなかった。落ち着かなくなるだろうし、万が一予定が変わることがあるかもしれないと思ったからである。

「父上、母上、ソアリスが3日後の午前中にララシャのことで、こちらを訪れることになりました」

 キリスは息を吸い込んだまま止まり、マルシャは目を見開き、何か話そうとしているようだが、驚き過ぎて声が出ないようであった。仕方ないので、サイラスは動き出すまで待つことにした。

「…本当なのか」
「呼び出されることはあるかと思っていたけど…」

 両親も手紙のことを了承しているので、王城に呼び出されることはあるかもしれないとは思っていた。

「はい、失礼のないようにお願いします」
「勿論だ」「当たり前じゃない」
「この邸では、当たり前ではないから言っているんです」
「わ、分かっている」「そうよね、分かったわ」

 ソアリスにとってロアンスラー公爵邸は、良い記憶のある場所ではない。

 ララシャの処遇が決まると言っていい場で、もてなすような状況ではないのだが、両親はソアリスをもてなそうと必死になっているが、ソアリスの好きな物も分からないのである。

 正直、私もソアリスの好きな物は自力ではわからない。

 そして、3日後になった。時間はソアリスに公務があり、決まっていなかったので、ロアンスラー公爵邸では朝から、いつ来るかとソワソワした状態であった。

 ララシャにはソアリスが来ることは伝えていない。予定もあるわけがないので、伝える必要もないというところであった。

 ロアンスラー公爵邸に、二十年以上振りにソアリスが降り立った。

「久し振りだけど、懐かしさは、そんなにないわね~」

 ソアリスは久し振りの実家を見てどう思うか、自分でも分からなかったが、懐かしさも思い入れもないことに気付いてしまった。

 門番も二度とないかもしれない、王妃陛下が訪れることに、緊張感を持ちながらも、素早く門を開けて、ホッとしていた。

「おかしゃま、ここがじっかね」
「一応、そうね」

 ソアリスと手を繋いで一緒にいるのは、7人も子どもがいるにも関わらず、連れてきた懐刀は、最近2歳になったばかりのケイト第四王女である。

 ミフルも学園の最終学年となり、エスザール王国に嫁ぐ日は一年を切っている。

 ケイトはお喋りは得意だが、まだ大人のように早く喋ろうとすると、上手く口が回らないらしいが、口調は2歳とは思えない。

「きにょぼりしていたって、きいたわ」
「誰に聞いたの?」
「おとしゃまと、ゆりうすにいしゃまと、まいのすにいしゃまと、みふるねいしゃまと、かいするにいしゃまと」
「全員じゃない…」
「うん、じぇいん」

 そんな話をしていると、続いて現れたのはサリエスト・オードエル公爵、そして娘であるミソラ・フレイク。ミソラがいるので、ソアリスの侍女は、今日はメディナ・コンクレットだけである。

 ポーリアとキャロラインは、今日はルルエに付いて貰っている。

 とは言っても、公爵と侯爵夫人、次期侯爵夫人という、相手によっては震え上がる高位貴族の集団となっている。

 馬車がやって来て、サイラスは迎え出ようと思っていたが、一人で来るとは思っていなかったが、まさかケイト王女殿下と、サリエスト・オードエル公爵とやって来るとは全く想像していなかった。

 だが、ソアリスがララシャのように考えなしということはあり得ないので、何か意図があるのだろうと考えて、迎えに出た。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

本日もお読みいただき、ありがとうございます。

1日1話のままになっており、申し訳ございません。
ここから直接対決となります。

そして、息抜きとして書いていた作品を、
本日17時に公開するようにしております。

この作品とは全く違いギャクのような話です。

よろしければ、箸休めにでもお読みください。
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