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陰湿夫人2
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それは勝手にファシリアが思っていただけで、誰かから聞かれたわけでも、家族に言われたわけでもない。
王家もロアンスラー公爵家も、ソアリスがいるからこその決断であった。だからこそ、一方的にソアリスをよく思ってもいなかった。だからこそ、自覚もなく、馬鹿にするような言葉が出ていたのだ。
「でもそれはずるいじゃない」
「何がずるい?お前の陰湿な嫌がらせに、どうして巻き込まれなければならないんだ?答えてくれ」
「そ、それは…別に王妃陛下を咎めたかったわけではなく、ララシャ様を」
「ララシャ嬢を咎めるために、利用したとでも言うのか?最低じゃないか」
図星であるために、ファシリアは返す言葉がなかった。
「アプダード侯爵家の縁談も、そんな過去があって、よくも申し込むことが出来たな。メオリールは被害者じゃないか」
メオリールは二十歳になる娘で、年下ではあるが、年齢よりも年上に見えるアプダード侯爵令息にずっと片思いをしている。
「誤解なのよ」
「誤解?ラーバ伯爵夫人が言ったようなことは、なかったというのか?」
「わざとではないの…」
自身の妻がそのようなことをしていたことに、恥ずかしくて堪らない。
「わざと以外にどうやったら、そんなことになるはずがなるんだ?恥ずかしい…そんなことをしていた人間が妻だなんて…本当に恥ずかしいよ」
「そんな言い方をしなくても、私だって…若くて」
「若いからやっていいことではないだろう。アプダード侯爵に申し訳が立たない」
もう疲れたと言って、バート伯爵は私室に戻り、ファシリアはララシャを恥ずかしい目に遭わせて、気分よく眠るはずだったのにと、その日は苛立ちで眠れなかった。
ポーリアはソアリスに夜会でのことを報告した。
ポーリアはソアリスを蔑んだララシャに怒りを感じていたが、ソアリスは自分のことを言われる分には、腹を立てるようなことではないと思っている。
「ララシャは案の定だけど、アッファファはララシャが嫌いだったのね」
「陰湿夫人ですから」
「アッファファより、いい名前じゃない!」
「いえ、そのままですから」
ポーリアと言えば、変わり種を娼婦学生と呼んでいたように、そのまま名付けるが、割と殺傷能力が高い。
「シンプルも良いものよ?」
「いえ、まだまだでございます。こちらから何かアクションは起こしますか?兄も必要ならばと申しておりましたが」
「私に関してだったら、放って置いていいわ。あれは何を言っても、響かないから、こちらが疲弊するだけになるわ」
自分の都合の良い解釈しか出来ないので、話すだけ無駄というものである。
「ですが、私の言葉にはきちんと反応されていましたよ」
「私ではないからよ、ポーリアが言う方が効果的なの」
「そういうことでしたか、いつでもお任せください」
「ええ、ありがとう。もし、二度と会うことがないとなったら、さすがに最後に会って置くわ。それまでは放置よ、放置」
サイラスからも修道院に入れようかともいいと言われたが、まだ立場を少し理解が出来た段階だろうと、返事をしている。
「それより、あなたの方がスッキリした?」
「はい、やはり体液の類は事実だったと思われます」
確認が出来ることではないので、言ったことはなかったが、あの様子から何か仕込んでいたことは町がないと思った。両親と兄にも報告済みで、皆で顔を歪ませた。
「うっわ、髪の毛を編み込むような輩だものね」
「はい、聞いたこともありませんが、おまじないでしょうか?」
「さあ?私も聞いたことがないわ。あんなもの送られて、気持ち悪い以外の感情を持つ人がいるのかしらね?」
好意がある相手でも、嬉しいとは思えないのではないか。
「私も思いました、聞いてみれば良かったです」
「今度、会ったら聞いてみたら?私なら絶対に聞くわ」
「はい、そうします」
ファシリアは、次会った際に、確実に問い詰められることになる。
王家もロアンスラー公爵家も、ソアリスがいるからこその決断であった。だからこそ、一方的にソアリスをよく思ってもいなかった。だからこそ、自覚もなく、馬鹿にするような言葉が出ていたのだ。
「でもそれはずるいじゃない」
「何がずるい?お前の陰湿な嫌がらせに、どうして巻き込まれなければならないんだ?答えてくれ」
「そ、それは…別に王妃陛下を咎めたかったわけではなく、ララシャ様を」
「ララシャ嬢を咎めるために、利用したとでも言うのか?最低じゃないか」
図星であるために、ファシリアは返す言葉がなかった。
「アプダード侯爵家の縁談も、そんな過去があって、よくも申し込むことが出来たな。メオリールは被害者じゃないか」
メオリールは二十歳になる娘で、年下ではあるが、年齢よりも年上に見えるアプダード侯爵令息にずっと片思いをしている。
「誤解なのよ」
「誤解?ラーバ伯爵夫人が言ったようなことは、なかったというのか?」
「わざとではないの…」
自身の妻がそのようなことをしていたことに、恥ずかしくて堪らない。
「わざと以外にどうやったら、そんなことになるはずがなるんだ?恥ずかしい…そんなことをしていた人間が妻だなんて…本当に恥ずかしいよ」
「そんな言い方をしなくても、私だって…若くて」
「若いからやっていいことではないだろう。アプダード侯爵に申し訳が立たない」
もう疲れたと言って、バート伯爵は私室に戻り、ファシリアはララシャを恥ずかしい目に遭わせて、気分よく眠るはずだったのにと、その日は苛立ちで眠れなかった。
ポーリアはソアリスに夜会でのことを報告した。
ポーリアはソアリスを蔑んだララシャに怒りを感じていたが、ソアリスは自分のことを言われる分には、腹を立てるようなことではないと思っている。
「ララシャは案の定だけど、アッファファはララシャが嫌いだったのね」
「陰湿夫人ですから」
「アッファファより、いい名前じゃない!」
「いえ、そのままですから」
ポーリアと言えば、変わり種を娼婦学生と呼んでいたように、そのまま名付けるが、割と殺傷能力が高い。
「シンプルも良いものよ?」
「いえ、まだまだでございます。こちらから何かアクションは起こしますか?兄も必要ならばと申しておりましたが」
「私に関してだったら、放って置いていいわ。あれは何を言っても、響かないから、こちらが疲弊するだけになるわ」
自分の都合の良い解釈しか出来ないので、話すだけ無駄というものである。
「ですが、私の言葉にはきちんと反応されていましたよ」
「私ではないからよ、ポーリアが言う方が効果的なの」
「そういうことでしたか、いつでもお任せください」
「ええ、ありがとう。もし、二度と会うことがないとなったら、さすがに最後に会って置くわ。それまでは放置よ、放置」
サイラスからも修道院に入れようかともいいと言われたが、まだ立場を少し理解が出来た段階だろうと、返事をしている。
「それより、あなたの方がスッキリした?」
「はい、やはり体液の類は事実だったと思われます」
確認が出来ることではないので、言ったことはなかったが、あの様子から何か仕込んでいたことは町がないと思った。両親と兄にも報告済みで、皆で顔を歪ませた。
「うっわ、髪の毛を編み込むような輩だものね」
「はい、聞いたこともありませんが、おまじないでしょうか?」
「さあ?私も聞いたことがないわ。あんなもの送られて、気持ち悪い以外の感情を持つ人がいるのかしらね?」
好意がある相手でも、嬉しいとは思えないのではないか。
「私も思いました、聞いてみれば良かったです」
「今度、会ったら聞いてみたら?私なら絶対に聞くわ」
「はい、そうします」
ファシリアは、次会った際に、確実に問い詰められることになる。
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