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私が悲劇のヒロイン3
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「バート伯爵夫人、そしてララシャ嬢、先ほどから聞くに堪えない話をされていますが、不敬な事だと理解して話してらっしゃるのですよね?」
「ラーバ伯爵夫人…」
ファシリアはポーリアの姿に、押し黙った。
「え?どなた?」
「ポーリア・ラーバと申します。ソアリス王妃陛下の侍女を務めております」
「まあ、そうなの?存じ上げないけど?」
ポーリアは思わず、ソアリスが乗り移って、『問題を起こして離縁された、お前の方が存じ上げないけど?』と怒鳴りそうだったが、グッと堪えた。
「あなたは理解されて、話をしているということでいいのですね?」
「…え」
ポーリアはいつも通りに穏やかな表情ではあるが、あまりに冷たい視線に、ララシャは何か引っかかるものがあった。
ララシャを皆から遠ざけ、向き合う形ではなく、横に立ち、耳元で話し掛けた。
「ララシャ嬢、サインされたのですよね?こんな些細な、夜会で調子に乗っていいのですか?」
「それは…でも、姉であることは」
「それに関しては、ロアンスラー公爵に何か言われていませんか?今日のこともおそらく、監視をされていると思いますよ?」
ララシャは辺りを見渡したが、注目を浴びていしまっていて、監視と言われても、誰がサイラスとつながっているのかすら分かっていない。
「そんな…違うの」
「何が違うというのです?あなたが王妃陛下になるですって?そんなことを言ったと知ったら、どうなるか分からないのですか?」
「ファシリアに、乗せられただけなの」
「そうだとしてもですよ、否定するべきでしょう?いつまで過去に縋るつもりですか?それともあなたが何をして、離縁されたのか発表した方がいいですか?私が進言しましょうか?」
「待って…それは」
言えないという事で誤魔化せていたが、公にされたら、私は娘を想ってしたことは伝わらず、事実だけが知らされてしまう。
「今日のように、誰もあなたに構うことはないでしょうね。夜会に呼ばれることもない。今でもまだ、ちやほやされたいのでしょう?」
「もう帰りますから」
「そうですか、ではさようなら」
ララシャは笑顔で夫人たちの元へ戻って、酔って話過ぎてしまったみたいだからと、お先に失礼するわねと慌てて帰って行った。
そして、ララシャに話している間に、気付けば夫の元へ逃げていたファシリアに、ポーリアは自身も夫とファシリアの元へ向かい、会場の端に二人を移動させた。
「バート伯爵夫人、あなたも分かっていて言ったのですわよね?王妃陛下にお伝えしておきますわね」
「王妃陛下?どういうことだ?」
バート伯爵は、ファシリアをじっと見つめた。
「違います。あなた、誤解なのよ」
「貶めたかったくせに?性格が悪いわよね?まあ、あなたは昔から陰湿なことがお好きだものね?」
「誤解です、陰湿だなんて…」
ファシリアは不味いことになったと思って、あの場をそっと離れて、主催者としていただけで、関係ないと思わせたかった。だが、ポーリアが逃がすはずがない。
「あと、甥に断ったのにも関わらず、しつこく縁談を申し込んでくるのを止めてもらえますか?」
ポーリアの兄の17歳の息子に、ファシリアの娘は一度断ったのにも関わらず、何度も何度も縁談を申し込んでいた。
「それは、一度会って貰えればと思ってことで」
「それでは断った意味がないでしょう?」
「でも、会わずにお決めになるなんて、勿体ないと思いませんか」
「あなた自分が何をしたか覚えているのよね?私たち家族はとても不愉快な思いをしたのよ?兄なんて、吐き気を催すようになったのだから」
ポーリアは打って変わって、落ち着いた低い声で恨みを放った。
「ど、どういうことですか?」
「ラーバ伯爵夫人…」
ファシリアはポーリアの姿に、押し黙った。
「え?どなた?」
「ポーリア・ラーバと申します。ソアリス王妃陛下の侍女を務めております」
「まあ、そうなの?存じ上げないけど?」
ポーリアは思わず、ソアリスが乗り移って、『問題を起こして離縁された、お前の方が存じ上げないけど?』と怒鳴りそうだったが、グッと堪えた。
「あなたは理解されて、話をしているということでいいのですね?」
「…え」
ポーリアはいつも通りに穏やかな表情ではあるが、あまりに冷たい視線に、ララシャは何か引っかかるものがあった。
ララシャを皆から遠ざけ、向き合う形ではなく、横に立ち、耳元で話し掛けた。
「ララシャ嬢、サインされたのですよね?こんな些細な、夜会で調子に乗っていいのですか?」
「それは…でも、姉であることは」
「それに関しては、ロアンスラー公爵に何か言われていませんか?今日のこともおそらく、監視をされていると思いますよ?」
ララシャは辺りを見渡したが、注目を浴びていしまっていて、監視と言われても、誰がサイラスとつながっているのかすら分かっていない。
「そんな…違うの」
「何が違うというのです?あなたが王妃陛下になるですって?そんなことを言ったと知ったら、どうなるか分からないのですか?」
「ファシリアに、乗せられただけなの」
「そうだとしてもですよ、否定するべきでしょう?いつまで過去に縋るつもりですか?それともあなたが何をして、離縁されたのか発表した方がいいですか?私が進言しましょうか?」
「待って…それは」
言えないという事で誤魔化せていたが、公にされたら、私は娘を想ってしたことは伝わらず、事実だけが知らされてしまう。
「今日のように、誰もあなたに構うことはないでしょうね。夜会に呼ばれることもない。今でもまだ、ちやほやされたいのでしょう?」
「もう帰りますから」
「そうですか、ではさようなら」
ララシャは笑顔で夫人たちの元へ戻って、酔って話過ぎてしまったみたいだからと、お先に失礼するわねと慌てて帰って行った。
そして、ララシャに話している間に、気付けば夫の元へ逃げていたファシリアに、ポーリアは自身も夫とファシリアの元へ向かい、会場の端に二人を移動させた。
「バート伯爵夫人、あなたも分かっていて言ったのですわよね?王妃陛下にお伝えしておきますわね」
「王妃陛下?どういうことだ?」
バート伯爵は、ファシリアをじっと見つめた。
「違います。あなた、誤解なのよ」
「貶めたかったくせに?性格が悪いわよね?まあ、あなたは昔から陰湿なことがお好きだものね?」
「誤解です、陰湿だなんて…」
ファシリアは不味いことになったと思って、あの場をそっと離れて、主催者としていただけで、関係ないと思わせたかった。だが、ポーリアが逃がすはずがない。
「あと、甥に断ったのにも関わらず、しつこく縁談を申し込んでくるのを止めてもらえますか?」
ポーリアの兄の17歳の息子に、ファシリアの娘は一度断ったのにも関わらず、何度も何度も縁談を申し込んでいた。
「それは、一度会って貰えればと思ってことで」
「それでは断った意味がないでしょう?」
「でも、会わずにお決めになるなんて、勿体ないと思いませんか」
「あなた自分が何をしたか覚えているのよね?私たち家族はとても不愉快な思いをしたのよ?兄なんて、吐き気を催すようになったのだから」
ポーリアは打って変わって、落ち着いた低い声で恨みを放った。
「ど、どういうことですか?」
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