私のバラ色ではない人生

野村にれ

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対処1

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 一方、オイエン侯爵家は、帰りの馬車でブレオンはマイオンに何があったかを説明し、ローティーは重く受け止めたようで声を出さなかった。

 ミリンティーは不満に、恥ずかしさに、苛立ちと様々な気持が渦巻いていた。

「何がしたかったんだよ!愛人にでもなるつもりだったのか」
「違うわ!」
「じゃあ、何だ?離縁して、自分と結婚したいとでも言ってもらえるとでも思ったのか?そんなはずないじゃないか」

 二人が離縁するなど考えていたわけではない。学園の頃から、二人は仲が良かった。それでもミリンティーとは違って、当時から順調に婚約期間を得て結婚した、何も持っていない自信と比べた矛先は、丁度いなかったアリルに向かった。

 もしルーファが不満があって、私を求めてくれるなら受け入れることは可能ではあったが、現実になるとまでは思っていない。

 久し振りに優越感に浸りたかった、そんな思いだった。

 だが、言うべきではなかったと、今となっては思っている。

「…悪かったと思っているわ」
「甘い対処にはしない。覚悟しておきなさい」

 ミリンティーもさすがに、謝って済む問題ではないとは分かっている。踏み外してしまったようなものだったが、ソアリスに言ったのは半ばやけくそであった。

 同級生という気持ちが強かったが、今では二人は時期公爵夫妻となる存在である。その前も、ミリンティーより身分は高かったのだが、振りかざすようなことをしていなかったので、立場の違いを薄く感じてしまっていた。

 自身でも痩せているとは思っていない、学園を卒業してから、さらに体重は増えていた。ストレスだといいわけをして、自分のせいではない、母親に似てしまったせいだと、努力したかと問われれば答えられない。

 恥ずかしい話し方の母親ですら、結婚が出来たのだから、私は素敵な令息と結婚できると、幼い頃から口にしたことはないが、母を馬鹿にして生きていた。

 だが、私は婚約者も結婚も出来ずいることが、変わることのない現実である。

「…はい」
「決まるまで部屋で謹慎していなさい」

 きっと、年の離れた後妻に嫁がされるのだろう。パーティーも噂になっていたと言われて、もう行くことは出来ないと思っていたので、丁度いいのかもしれない。

 幸せになどなれるとは思えないが、侯爵家に残っても、嫁いでも惨めな思いをすることになるのかもしれない。

 ミリンティーは大人しく謹慎をして、その間にブレオン、ローティー、マイオン、ブレオンの両親、ローティーの両親も交えて、話し合った。

 そして、三日後、手配なども整えて、ようやくミリンティーは呼び出され、両家の祖父母もいることに驚いた。

「皆で話し合った。この国の修道院」
「え、待ってください。修道院って…私は」

 まさか修道院に入れられるとは思っていなかった。私はそこまでのことをしたのか、アリルはいくら公爵家に嫁いだが、王女ではないはずだ。

「まだ続きがある」
「あ…そうだったのですね」

 ミリンティーは、あからさまにホッとした様子を見せた。

「申し訳ありませんでした」
「修道院か、イルヤ王国の第三王子の側妃のような立場か、伯爵家の後妻か」
「イルヤ王国…側妃…?」

 ミリンティーが食いついたのは、側妃だった。

 イルヤ王国は小国であることは知っているが、それでも側妃は側妃だ。だが、第三王子ということは第一、第二がおり、側妃ということは正妃がいることになる。

「側妃は、正妃がいるということですよね?」
「側妃ではない」
「え?」
「私は側妃のような立場と言ったはずだ。正妃も側妃もおらず、皆が妃という扱いになる。現在4人いらっしゃるそうだ」
「4…人?」

 まさかそんなにいるとは思わず、ミリンティーは考え込んだ。
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