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夜会1
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エクルが結婚して、しばらくして王宮で夜会が開かれた。他国から外交担当や、商会を営んでいる貴族などがやって来ていた。
王家からはアンセムとソアリス、ユリウスとルルエ、マイノスとエクシアーヌが出席し、アリルは妊娠中のため欠席で、ルーファは両親と共に、エクルはブルックスと共に参加していた。
ソアリスは他国の方と一通り話を終えて、学園でマナー教師をして貰っている、シェリー・トリラス次期公爵夫人と話をしていた。
すると、大きな声ではないが、近くで聞き覚えのある声が聞こえて来た。だが、そのような厳しい話し方をするような者ではないことに、ソアリスは驚いた。
「相変わらず、失礼な令嬢ですね。いい加減にしたらどうですか」
「っな!私は心配して」
「なぜ君に心配されなければならない、不愉快だよ」
「何てことをおっしゃるの…信じられない」
ソアリスはメディナに両親を呼ぶように言い、シェリーに席を外すと言うと、私も同席しますと言い、確かにそうだなと思い、よろしくと頷いた。
怒っていたのはルーファで、相手はミリンティー・オイエン侯爵令嬢であった。ルーファは両親から離れて、友人と話していたが、話を終えて離れた際に、ミリンティーに捕まったようだ。
「ルーファ」
「王妃陛下」
ミリンティーもさすがに、ソアリスにすぐさま頭を下げた。
「場所を変えましょう」
「あの、別に大したことではないのです」
「私、あなたに発言の許可を出したかしら?」
ミリンティーは、唇を噛んで、黙った。
素早い速さで、ソアリスは別室に移動し、皆もそれに習ったが、ミリンティーは体が重たく、付いて行けないほどだった。
そして、着いた頃にはハァハァ、ハァハァと息を切らしていた。その姿にソアリスは、何か言いたそうな顔をしたが、冷たい目で見ただけであった。
その部屋は完全にソアリスの空気で包んでいた。ソアリスは、ルルエに突っかかったミーチュア・オードエル公爵令嬢のことを思い出していた。
ミーチュアは前公爵夫人の厳しい指導を受け、マナーを叩き直し、傲慢な考えをへし折られ、親戚とも言える伯爵家の後妻に入った。
後妻か、修道院に入るしか選択肢がなかったのである。
先にバーセム公爵夫妻が到着したが、ソアリスの様子に『リズ~』『公爵~』なんてテンションではないことに、すぐさま気付いた。
しかも、息子であるルーファの横に、ソアリスは両手を組んで座っており、シェリー・トリラスまでもがソアリスに付いている。
ようやく、オイエン侯爵夫妻が到着し、侯爵はその空気に、まだ説明も受けていないが、土下座しようかと思った。
「遅くなりました」
「オイエン侯爵と、ローティー夫人は娘を挟むように座ってください。私は本日、娘であるアリルの代理として、ルーファの横に座ります。バーセム公爵夫妻は、横のソファでいいかしら?」
「は!」「承知いたしました」
バーセム公爵夫妻は、小さく頭を下げた。
四方に置かれたソファで、ソアリスとミリンティーが向き合う見える間に置かれた席に、バーセム公爵とリズ夫人は座った。
「薹が立っておりますが、アリルに顔は似ておりますから。後、ローティー夫人、今日は黙っていてくださる?発言の許可は出しません」
ローティー夫人は戸惑った顔をしたが、すぐさまオイエン侯爵が承知した。
「で、ほぼ聞こえていたのだけど、ミリンティー・オイエン、あなたどうつもりかしら?いえ、まず何を言ったか、オイエン侯爵夫妻と、バーセム公爵夫妻に聞いて貰うべきね。話して頂戴」
「あの…え、えっと」
ミリンティーは、大ごとになるとは思っていなかった。あれからも未婚者のパーティーには何度か行ったが、上手く話すことが出来ないまま、終わっていた。
今日も両親と参加していたが、誰も声を掛けてくれるどころか、知り合いですら、目を合わせようとしない。
だから、今日はアリルと参加していないことを認識し、一人でいるルーファに、声を掛けてしまったのだ。
王家からはアンセムとソアリス、ユリウスとルルエ、マイノスとエクシアーヌが出席し、アリルは妊娠中のため欠席で、ルーファは両親と共に、エクルはブルックスと共に参加していた。
ソアリスは他国の方と一通り話を終えて、学園でマナー教師をして貰っている、シェリー・トリラス次期公爵夫人と話をしていた。
すると、大きな声ではないが、近くで聞き覚えのある声が聞こえて来た。だが、そのような厳しい話し方をするような者ではないことに、ソアリスは驚いた。
「相変わらず、失礼な令嬢ですね。いい加減にしたらどうですか」
「っな!私は心配して」
「なぜ君に心配されなければならない、不愉快だよ」
「何てことをおっしゃるの…信じられない」
ソアリスはメディナに両親を呼ぶように言い、シェリーに席を外すと言うと、私も同席しますと言い、確かにそうだなと思い、よろしくと頷いた。
怒っていたのはルーファで、相手はミリンティー・オイエン侯爵令嬢であった。ルーファは両親から離れて、友人と話していたが、話を終えて離れた際に、ミリンティーに捕まったようだ。
「ルーファ」
「王妃陛下」
ミリンティーもさすがに、ソアリスにすぐさま頭を下げた。
「場所を変えましょう」
「あの、別に大したことではないのです」
「私、あなたに発言の許可を出したかしら?」
ミリンティーは、唇を噛んで、黙った。
素早い速さで、ソアリスは別室に移動し、皆もそれに習ったが、ミリンティーは体が重たく、付いて行けないほどだった。
そして、着いた頃にはハァハァ、ハァハァと息を切らしていた。その姿にソアリスは、何か言いたそうな顔をしたが、冷たい目で見ただけであった。
その部屋は完全にソアリスの空気で包んでいた。ソアリスは、ルルエに突っかかったミーチュア・オードエル公爵令嬢のことを思い出していた。
ミーチュアは前公爵夫人の厳しい指導を受け、マナーを叩き直し、傲慢な考えをへし折られ、親戚とも言える伯爵家の後妻に入った。
後妻か、修道院に入るしか選択肢がなかったのである。
先にバーセム公爵夫妻が到着したが、ソアリスの様子に『リズ~』『公爵~』なんてテンションではないことに、すぐさま気付いた。
しかも、息子であるルーファの横に、ソアリスは両手を組んで座っており、シェリー・トリラスまでもがソアリスに付いている。
ようやく、オイエン侯爵夫妻が到着し、侯爵はその空気に、まだ説明も受けていないが、土下座しようかと思った。
「遅くなりました」
「オイエン侯爵と、ローティー夫人は娘を挟むように座ってください。私は本日、娘であるアリルの代理として、ルーファの横に座ります。バーセム公爵夫妻は、横のソファでいいかしら?」
「は!」「承知いたしました」
バーセム公爵夫妻は、小さく頭を下げた。
四方に置かれたソファで、ソアリスとミリンティーが向き合う見える間に置かれた席に、バーセム公爵とリズ夫人は座った。
「薹が立っておりますが、アリルに顔は似ておりますから。後、ローティー夫人、今日は黙っていてくださる?発言の許可は出しません」
ローティー夫人は戸惑った顔をしたが、すぐさまオイエン侯爵が承知した。
「で、ほぼ聞こえていたのだけど、ミリンティー・オイエン、あなたどうつもりかしら?いえ、まず何を言ったか、オイエン侯爵夫妻と、バーセム公爵夫妻に聞いて貰うべきね。話して頂戴」
「あの…え、えっと」
ミリンティーは、大ごとになるとは思っていなかった。あれからも未婚者のパーティーには何度か行ったが、上手く話すことが出来ないまま、終わっていた。
今日も両親と参加していたが、誰も声を掛けてくれるどころか、知り合いですら、目を合わせようとしない。
だから、今日はアリルと参加していないことを認識し、一人でいるルーファに、声を掛けてしまったのだ。
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