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詰問
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「誤魔化すのは止めなさい」
「あなたぁ、嘘じゃないかもしれないじゃないのぉ」
「事実関係も確認した」
「えぇ?何だって言うのぉ?ミリンちゃん、きちんとお話してぇ」
「…」
「自分の口で言わなくていいんだな?言い訳は聞かないぞ?」
「知らないわっ!」
ブレオンは、ローティーとマイオンに、エルムート伯爵がしてくれた話を元に、王家も高位貴族はほぼ知っていると思ったいい方がいいと話した。
「サンリ嬢の伯爵家もご存知だった」
サンリはマイオンの婚約者である。
「は?サンリも?」
「サンリ嬢には言わなかったそうだ、マイオンに問題があるわけではないからと…言い辛かったというのもあるんだろう」
「何やってるんだよ、姉さん!恥ずかしいな」
「そ、そんなことが原因だなんて思わなかったの!」
そうかなとは思ったこともあったが、違うと考えないようにしていた。
「問題があると思われて当然だろう」
「でもぉ、ミリンちゃんがしたわけではないのでしょ?」
「お母様…」
ローティーはミリンティーが問題を起こしたわけではないからと、深刻に考えていなかった。
「では何のために、そんなことを言ったんだ?」
「可哀想だと思ったのでしょぉ?」
「君は黙っていなさい」
ブレオンはローティーに言い放ち、マイオンもそうだよと賛同したため、ローティーは黙るしかなかった。
「怒られていたから、可哀想だと思ったの」
「怒られるに決まっているじゃないか!ミリンティーのせいで、伯爵家以下の令嬢は口を出せなくなってしまったそうじゃないか!何をやっているんだ」
「そんなぁ…」
ローティーは素直なので、すぐさま黙っていられなくなっていた。
「でもそんなに悪いことなの?」
「お前は婚約者にベタベタと言い寄られても、馴れ馴れしくしてもいいと思われているのだぞ?お前が先導したとも思っている者もいるかもしれない。関わりたくないと思われて当然だろう、令嬢にも嫌われて…」
「そんなつもりはなかったわ」
ミリンティーは寛容で素敵な令嬢を演出したかっただけで、そんな風に見られているとは思わなかった。友人だと思っていた令嬢からも学園を卒業してからは、誘っても遠回しに断られ、疎遠となっていた。
「浅慮だな…愛人も、女性を侍らせても構わない人間だと言っていたんだよ。お前はそのような考えだったのか?その割には婚約者の条件に、不貞は許さないと言っていなかったか?」
「私は…そんなこと言っていないわ」
言っていなくても、言動を見れば、そう言った考えであることは分かる。非難するまではしなくとも、関わりたくないと思うのは当然だろう。
政略結婚で、お互い仕方なく結婚した者同士ならば、割り切った考えを持っていてもおかしくはないが、まだ婚約関係の間柄で、波風を立てられた人たちからは怒りを買っているかもしれない。
だからこそミリンティーは敬遠されたのだ。
「誤解を解くこと出来ないのぉ?」
「はあ…君はもし、周りに婚約者いる令息たちに馴れ馴れしい令嬢がいたら、仲良くしたいか?しかも擁護している令嬢も同じだろう?自分の、友人の婚約者だったら、腹が立たないか?」
「それはぁ…」
ローティーもどちらの令嬢と仲良くしたいとは思えない、嫌っていたと思う。
「縁談はミリンティーにも、実はあったんだ」
「聞いてないわぁ」
ブレオンはすぐに話してしまうローティーにも、言っていなかった。
「え?どうして言ってくれなかったのよ!」
ミリンティーは、大きな声で机を叩いて、立ち上がり、ブレオンを見下ろした。
「2人いた」
「ほら、私に居ないわけないと思っていたのよ!」
「だが、調査をしたら2人とも愛人がおり、借金もあった」
「…え?」
「意味は分かるだろう?」
「あなたぁ、嘘じゃないかもしれないじゃないのぉ」
「事実関係も確認した」
「えぇ?何だって言うのぉ?ミリンちゃん、きちんとお話してぇ」
「…」
「自分の口で言わなくていいんだな?言い訳は聞かないぞ?」
「知らないわっ!」
ブレオンは、ローティーとマイオンに、エルムート伯爵がしてくれた話を元に、王家も高位貴族はほぼ知っていると思ったいい方がいいと話した。
「サンリ嬢の伯爵家もご存知だった」
サンリはマイオンの婚約者である。
「は?サンリも?」
「サンリ嬢には言わなかったそうだ、マイオンに問題があるわけではないからと…言い辛かったというのもあるんだろう」
「何やってるんだよ、姉さん!恥ずかしいな」
「そ、そんなことが原因だなんて思わなかったの!」
そうかなとは思ったこともあったが、違うと考えないようにしていた。
「問題があると思われて当然だろう」
「でもぉ、ミリンちゃんがしたわけではないのでしょ?」
「お母様…」
ローティーはミリンティーが問題を起こしたわけではないからと、深刻に考えていなかった。
「では何のために、そんなことを言ったんだ?」
「可哀想だと思ったのでしょぉ?」
「君は黙っていなさい」
ブレオンはローティーに言い放ち、マイオンもそうだよと賛同したため、ローティーは黙るしかなかった。
「怒られていたから、可哀想だと思ったの」
「怒られるに決まっているじゃないか!ミリンティーのせいで、伯爵家以下の令嬢は口を出せなくなってしまったそうじゃないか!何をやっているんだ」
「そんなぁ…」
ローティーは素直なので、すぐさま黙っていられなくなっていた。
「でもそんなに悪いことなの?」
「お前は婚約者にベタベタと言い寄られても、馴れ馴れしくしてもいいと思われているのだぞ?お前が先導したとも思っている者もいるかもしれない。関わりたくないと思われて当然だろう、令嬢にも嫌われて…」
「そんなつもりはなかったわ」
ミリンティーは寛容で素敵な令嬢を演出したかっただけで、そんな風に見られているとは思わなかった。友人だと思っていた令嬢からも学園を卒業してからは、誘っても遠回しに断られ、疎遠となっていた。
「浅慮だな…愛人も、女性を侍らせても構わない人間だと言っていたんだよ。お前はそのような考えだったのか?その割には婚約者の条件に、不貞は許さないと言っていなかったか?」
「私は…そんなこと言っていないわ」
言っていなくても、言動を見れば、そう言った考えであることは分かる。非難するまではしなくとも、関わりたくないと思うのは当然だろう。
政略結婚で、お互い仕方なく結婚した者同士ならば、割り切った考えを持っていてもおかしくはないが、まだ婚約関係の間柄で、波風を立てられた人たちからは怒りを買っているかもしれない。
だからこそミリンティーは敬遠されたのだ。
「誤解を解くこと出来ないのぉ?」
「はあ…君はもし、周りに婚約者いる令息たちに馴れ馴れしい令嬢がいたら、仲良くしたいか?しかも擁護している令嬢も同じだろう?自分の、友人の婚約者だったら、腹が立たないか?」
「それはぁ…」
ローティーもどちらの令嬢と仲良くしたいとは思えない、嫌っていたと思う。
「縁談はミリンティーにも、実はあったんだ」
「聞いてないわぁ」
ブレオンはすぐに話してしまうローティーにも、言っていなかった。
「え?どうして言ってくれなかったのよ!」
ミリンティーは、大きな声で机を叩いて、立ち上がり、ブレオンを見下ろした。
「2人いた」
「ほら、私に居ないわけないと思っていたのよ!」
「だが、調査をしたら2人とも愛人がおり、借金もあった」
「…え?」
「意味は分かるだろう?」
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