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溜息
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執務室で眉間に皺を寄せて、資料を見ていたソアリスは、本日の手紙を確認していたポーリアの言葉に驚いた。
「ソアリス様、ローティー・オイエンから手紙が届いております」
「え?」
「私も同じように思いました」
「何の用事かしら?気持ち悪いわね」
手紙のやり取りをする関係でもなければ、手紙を貰ったことも初めてである。
「私が読み上げましょうか?」
「お願いしていい?」
ソアリスは王家の管理する病院のスタッフ制服を変更することになり、選んでいるところだった。机の上にはデザイン画で一杯であった。
ポーリアが読み始め、さすがに手紙は甘ったるい文章ではないのだが、キャロラインも護衛も、どんどん目が据わっている。
要約するとララシャから聞いていると思うが、ブリンブリンティーこと、ミリンティーの婚約者を紹介して欲しいということであった。
「はあああああ…ブリンブリンティー」
「何ですかね?これは。勿論、ララシャ嬢から聞いてはおりませんよね?」
「ええ、そんなことをしたら、ロアンスラー公爵に修道院にぶち込まれるわよ」
「ララシャが言ったのか、ローティーの独断なのか…どうしようかしらね。ララシャは関わっていないと、言うつもりなのかしらね?」
ララシャは忘れてしまって、深く考えてもいなかったが、関わっていないと言える微妙なところであった。
「まあいいわ、これはローティーに…ただあの話し方に付き合うのは嫌なのよね」
「叱ったらどうですか?」
「え?」
「ソアリス様が叱ってしまえば、さすがに正そうとするのでは?」
「あれ、わざとではないのでしょう?」
媚びを売るためにやっているとすれば、私にする必要はない。王妃だからではなく、学生の頃から同じ話し方である。
「そうですね、一貫してますからね…でしたら、オイエン侯爵も一緒に呼んではいかがですか」
「そうね!それがいいわね!」
オイエン侯爵は、なぜあの妻をなのかと言いたくなるほど、真面目な方である。
「今でも理由に気付いていないことに、驚きましたが」
「やっぱり分かっていないってことなのかしら?」
「高位貴族に嫁がせようと思ってらっしゃるのでしょう。かと言って、下位貴族に嫁がせても、どうなのでしょうかというところですね」
侯爵家であることから高位貴族に嫁がせることが一般的ではあるが、ミリンティーは高位貴族に敬遠されており、下位貴族もそのような相手だと、利がないと思われている可能性がある。
「そうねえ」
「別々に手紙をご用意しましょうか」
「まあ、ポーリアも悪よのう」
「ほほほほほ」
夫婦としてではなく、それぞれを同時に呼び出す手紙を出し、お互いに話して一緒に来るも良し、知らずに来るも良しというところである。
そして、呼び出した日にまずはオイエン侯爵がやって来た。少し遅れて、ローティー夫人も現れた。
「あなた、どうしてぇ?」
「君も呼ばれていたのか?」
オイエン侯爵にもう一人来ますと言うと分かっていないようだったので、夫婦は話をしてはいないことは明白であった。
「王妃陛下ぁ、ご無沙汰しておりますぅ。この度はありがとうございますぅ」
ソアリスはその一言ですら、既に苛立ちと、疲れを感じた。
「説明をしますので、お座りください」
「はぁい」
ローティーは弾むように歩いて、オイエン侯爵の横に座った。
「ローティー夫人、オイエン侯爵はお手紙の件はご存知なのですか?」
「驚かそうと思ってぇ、言っておりませんのぉ」
「手紙とは、何のことでしょうか」
「読んで貰った方が早いわね」
ポーリアが手紙をトレイに乗せて持って来て、オイエン侯爵に向けた。
「ええ!あなたに読まれるのはぁ、ちょっと恥ずかしいわぁ」
そう言いながら、ローティーはもじもじしていたが、オイエン侯爵は一切見ることもなく、手紙を読み進めた。
「これは…」
「後から勝手に言われては困りますので、直接、お断りしようと思いまして、お呼び出ししましたの」
「ソアリス様、ローティー・オイエンから手紙が届いております」
「え?」
「私も同じように思いました」
「何の用事かしら?気持ち悪いわね」
手紙のやり取りをする関係でもなければ、手紙を貰ったことも初めてである。
「私が読み上げましょうか?」
「お願いしていい?」
ソアリスは王家の管理する病院のスタッフ制服を変更することになり、選んでいるところだった。机の上にはデザイン画で一杯であった。
ポーリアが読み始め、さすがに手紙は甘ったるい文章ではないのだが、キャロラインも護衛も、どんどん目が据わっている。
要約するとララシャから聞いていると思うが、ブリンブリンティーこと、ミリンティーの婚約者を紹介して欲しいということであった。
「はあああああ…ブリンブリンティー」
「何ですかね?これは。勿論、ララシャ嬢から聞いてはおりませんよね?」
「ええ、そんなことをしたら、ロアンスラー公爵に修道院にぶち込まれるわよ」
「ララシャが言ったのか、ローティーの独断なのか…どうしようかしらね。ララシャは関わっていないと、言うつもりなのかしらね?」
ララシャは忘れてしまって、深く考えてもいなかったが、関わっていないと言える微妙なところであった。
「まあいいわ、これはローティーに…ただあの話し方に付き合うのは嫌なのよね」
「叱ったらどうですか?」
「え?」
「ソアリス様が叱ってしまえば、さすがに正そうとするのでは?」
「あれ、わざとではないのでしょう?」
媚びを売るためにやっているとすれば、私にする必要はない。王妃だからではなく、学生の頃から同じ話し方である。
「そうですね、一貫してますからね…でしたら、オイエン侯爵も一緒に呼んではいかがですか」
「そうね!それがいいわね!」
オイエン侯爵は、なぜあの妻をなのかと言いたくなるほど、真面目な方である。
「今でも理由に気付いていないことに、驚きましたが」
「やっぱり分かっていないってことなのかしら?」
「高位貴族に嫁がせようと思ってらっしゃるのでしょう。かと言って、下位貴族に嫁がせても、どうなのでしょうかというところですね」
侯爵家であることから高位貴族に嫁がせることが一般的ではあるが、ミリンティーは高位貴族に敬遠されており、下位貴族もそのような相手だと、利がないと思われている可能性がある。
「そうねえ」
「別々に手紙をご用意しましょうか」
「まあ、ポーリアも悪よのう」
「ほほほほほ」
夫婦としてではなく、それぞれを同時に呼び出す手紙を出し、お互いに話して一緒に来るも良し、知らずに来るも良しというところである。
そして、呼び出した日にまずはオイエン侯爵がやって来た。少し遅れて、ローティー夫人も現れた。
「あなた、どうしてぇ?」
「君も呼ばれていたのか?」
オイエン侯爵にもう一人来ますと言うと分かっていないようだったので、夫婦は話をしてはいないことは明白であった。
「王妃陛下ぁ、ご無沙汰しておりますぅ。この度はありがとうございますぅ」
ソアリスはその一言ですら、既に苛立ちと、疲れを感じた。
「説明をしますので、お座りください」
「はぁい」
ローティーは弾むように歩いて、オイエン侯爵の横に座った。
「ローティー夫人、オイエン侯爵はお手紙の件はご存知なのですか?」
「驚かそうと思ってぇ、言っておりませんのぉ」
「手紙とは、何のことでしょうか」
「読んで貰った方が早いわね」
ポーリアが手紙をトレイに乗せて持って来て、オイエン侯爵に向けた。
「ええ!あなたに読まれるのはぁ、ちょっと恥ずかしいわぁ」
そう言いながら、ローティーはもじもじしていたが、オイエン侯爵は一切見ることもなく、手紙を読み進めた。
「これは…」
「後から勝手に言われては困りますので、直接、お断りしようと思いまして、お呼び出ししましたの」
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