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お披露目2
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まだ幼いので、個別の挨拶はなかったが、ソアリスの両親で、曾祖父母でもあるキリスとマルシャはあまり近付かないようにしながら、3人の姿を目に焼き付けた。
「本当に皆、可愛かったわね」
「ああ、特にケイト殿下は立派だったな。まるでソアリスを見ているようだった」
「ええ、そうね。ソアリスが王太子妃であることが、正しいことだったわね」
今となってはであるが、二人もソアリスの存在が大きくなればなるほど、間違いを実感するようになっていった。
「ララシャが王太子妃になっていたら、王家は側妃を娶るしかなかっただろう」
「ララシャはそれを感じていたのかもしれないわね…だから、リベル殿下に好意を寄せられて、すぐに決めてしまったもの」
「言われたこともあったかもしれないな、プライドが高いから、私たちには言わなかったのかもしれない」
今更、気付いてしまったが、何を言っても仕方ない。既に自業自得という形で、一つの結婚は終わっている。
ソアリスを嫁がせたことに後悔はないが、ソアリスへの接し方を、キリスもマルシャも間違え続け、力を持った娘に敵うはずもない。
邸に戻るとララシャの姿があり、あまりの落差に、間違えた結果が目に見えるような状態となった。後悔を抱えて、残りの人生を生きていくしかない。
王家ではお披露目が終わり、皆で疲れを癒していた。ミオスとエマリーは眠くて愚図っており、休ませるように連れて行かせた。元気なのはケイトだけであった。
今は食べ物を寄こせと騒いでいる。
「大物だったわね…」
ソアリスも流石に娘に驚きを隠せなかった。
「ああ、堂々とした佇まいに、笑顔に、気遣い…」
「だから言ったでしょう?大物だって」
「カイルスの言う通りだったわ」
カイルスはケイトにゼリーを食べさせながら、満足そうに頷いている。
「私も驚きましたわ、堪えるのに必死でしたもの」
「お母様の血なのかしら…」
ミフルとエクルの言葉である。
「まるで一人舞台だったわね…何だか、ばあさまとしては、申し訳なかったわ」
「いや、こればっかりは」
「そうです、ミオスも真似していたくらいですから」
ミオスはケイトに影響されて、手を振っていた。
「エマリーは昨日、夜泣きが酷かったので」
「愚図ってしまうなんて」
「いいえ、それが普通だと思いますわ」
冷静に言ったのはエクルだった。
「ええ、だって手を振ってなんて言っていないもの」
「え?言ったわけじゃないのか?」
皆、抱いていたソアリスが指示したのかと思っていた。
「私が言ったのは大人しくするように言っただけよ。国民の皆様が振っているから、振り返したんでしょうね」
大したものだと言うしかなかった。
「あば~」
「もう終わりだよ、夕食を食べられなくなっちゃうよ?」
「む~」
「また今度ね」
ゼリーが足りないと言っているのだろうと、ケイトに目を向けた。先程の様子が嘘のように、いつも通りの活きの良い娘である。
「ん?ああ!待って、ケイト!」
寝落ちた瞬間で、慌ててカイルスがケイトの頭を掌でキャッチした。慣れた様子で抱っこして、寝かせて来ますと去って行った。
「カイルスも、すっかりお世話する方になってしまったわね」
「ええ、でも二人が一緒にいるととても可愛いのよ」
「そうね、あの二人が一緒にいると、クサクサした気持ちはなくなるわね」
エクルはお世話される方だったカイルスの成長を、どこか寂しい気持ちで見てしまった。でもミフルの可愛いというのは、激しく同意する。
甥と姪も可愛いが、初めての存在なので、距離感を計りかねてしまい、無茶が出来るのは弟と妹になってしまう。
そして眠り落ちる姿に既視感しかないと思い、目をやるのはソアリスである。
「寝方もそっくりだな…」
アンセムの呟きに、ソアリスもお茶を飲む振りをして、目を逸らした。
そして、数日後。王家に吉報がやって来た。
「本当に皆、可愛かったわね」
「ああ、特にケイト殿下は立派だったな。まるでソアリスを見ているようだった」
「ええ、そうね。ソアリスが王太子妃であることが、正しいことだったわね」
今となってはであるが、二人もソアリスの存在が大きくなればなるほど、間違いを実感するようになっていった。
「ララシャが王太子妃になっていたら、王家は側妃を娶るしかなかっただろう」
「ララシャはそれを感じていたのかもしれないわね…だから、リベル殿下に好意を寄せられて、すぐに決めてしまったもの」
「言われたこともあったかもしれないな、プライドが高いから、私たちには言わなかったのかもしれない」
今更、気付いてしまったが、何を言っても仕方ない。既に自業自得という形で、一つの結婚は終わっている。
ソアリスを嫁がせたことに後悔はないが、ソアリスへの接し方を、キリスもマルシャも間違え続け、力を持った娘に敵うはずもない。
邸に戻るとララシャの姿があり、あまりの落差に、間違えた結果が目に見えるような状態となった。後悔を抱えて、残りの人生を生きていくしかない。
王家ではお披露目が終わり、皆で疲れを癒していた。ミオスとエマリーは眠くて愚図っており、休ませるように連れて行かせた。元気なのはケイトだけであった。
今は食べ物を寄こせと騒いでいる。
「大物だったわね…」
ソアリスも流石に娘に驚きを隠せなかった。
「ああ、堂々とした佇まいに、笑顔に、気遣い…」
「だから言ったでしょう?大物だって」
「カイルスの言う通りだったわ」
カイルスはケイトにゼリーを食べさせながら、満足そうに頷いている。
「私も驚きましたわ、堪えるのに必死でしたもの」
「お母様の血なのかしら…」
ミフルとエクルの言葉である。
「まるで一人舞台だったわね…何だか、ばあさまとしては、申し訳なかったわ」
「いや、こればっかりは」
「そうです、ミオスも真似していたくらいですから」
ミオスはケイトに影響されて、手を振っていた。
「エマリーは昨日、夜泣きが酷かったので」
「愚図ってしまうなんて」
「いいえ、それが普通だと思いますわ」
冷静に言ったのはエクルだった。
「ええ、だって手を振ってなんて言っていないもの」
「え?言ったわけじゃないのか?」
皆、抱いていたソアリスが指示したのかと思っていた。
「私が言ったのは大人しくするように言っただけよ。国民の皆様が振っているから、振り返したんでしょうね」
大したものだと言うしかなかった。
「あば~」
「もう終わりだよ、夕食を食べられなくなっちゃうよ?」
「む~」
「また今度ね」
ゼリーが足りないと言っているのだろうと、ケイトに目を向けた。先程の様子が嘘のように、いつも通りの活きの良い娘である。
「ん?ああ!待って、ケイト!」
寝落ちた瞬間で、慌ててカイルスがケイトの頭を掌でキャッチした。慣れた様子で抱っこして、寝かせて来ますと去って行った。
「カイルスも、すっかりお世話する方になってしまったわね」
「ええ、でも二人が一緒にいるととても可愛いのよ」
「そうね、あの二人が一緒にいると、クサクサした気持ちはなくなるわね」
エクルはお世話される方だったカイルスの成長を、どこか寂しい気持ちで見てしまった。でもミフルの可愛いというのは、激しく同意する。
甥と姪も可愛いが、初めての存在なので、距離感を計りかねてしまい、無茶が出来るのは弟と妹になってしまう。
そして眠り落ちる姿に既視感しかないと思い、目をやるのはソアリスである。
「寝方もそっくりだな…」
アンセムの呟きに、ソアリスもお茶を飲む振りをして、目を逸らした。
そして、数日後。王家に吉報がやって来た。
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