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災い来たる6
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「まあ、もういいわ。エミアンローズ殿下は、勉強や語学も堪能なのよね?」
「えっ、ええ、勿論よ」
「そうよね、そうでないと王太子殿下の婚約者に、なんて言わないわよね?」
「ええ、だからエミアンローズの良さを、あなたからも言って欲しいのよ」
クロンデール王国の王妃からも、助言があれば、スムーズに進むだろうと考えた。婚約者の母親だということは、もう考えていない。
「想い合っているのではないの?グレイ殿下に伝えて貰えばいいじゃない」
「そ、それはそうだけど、まだ知り合っても間がないから」
ララシャはどれだけ危ない橋を渡っているのか、分かっていないのだろうか。
「そうなの?」
「だから王家にも言って欲しいの」
「今日、初めて会ったのに、良さなんて分からないわ」
「可愛くて、優秀だと言ってくれればいいわ」
エミアンローズは集中力がないだけで、勉強は真面目に受けさえすれば、出来ると信じている。それが出来ていないという意味だとは、ララシャは思っていない。
「それは成績を見ないと分からないわ。エスザール王国が確認するでしょうけど」
「え?」
「まさかエスザール王国の王家が、優秀だと自称する母親の言葉を、鵜呑みにするとでも思っているの?もう16歳なんだから、難易度の高いことが要求されるわよ。分かるわよね?あなたも少なからず、受けていたのだから」
「勿論よ、分かっているわ」
戻ったら教師に優秀だと書いて貰えばいいと思っていた。
「成績を誤魔化して、困るのは本人だものね。語学なんて話せませんでは済まないもの」
「そ、そうね」
ララシャの変わり易い表情に、おそらく勉強も出来ないのだろうと判断した。まるでララシャと同じように育てられており、リベル殿下はどう考えているのか、聞いてみたいほどだった。
「じゃあ、そろそろ帰ってくれる?」
「待って!ちゃんと言ってくれるのよね?」
「何を?」
「だから、エミアンをグレイ殿下の婚約者にしてくれるのかってことよ」
「はあ…だから、国の話になるって言っているでしょう?」
「そうじゃなくて、ソアリスが言えばいいでしょう?もうしっかりしてよ、姪の結婚が掛かっているのよ?」
ララシャはリベルにも反対されているので、ソアリスに力になって貰わないと、エミアンローズの願いを叶えてやれない、王太子妃の母親になれるチャンスは、今回しかないかもしれないと必死である。
やっぱりララシャ様は素晴らしいと、再び返り咲きたいとずっと思っていた。
だから公務には出席は出来ないが、リベルとエミアンローズとエスザール王国に行った際に、グレイ殿下を素敵、格好いいと言い出し、結婚したいかと聞くと『うん!エミアン、あの人と結婚する』と言った時は、絶対に纏めなければと思った。
婚約者がソアリスの娘だと聞いた時には、運も味方しているとすら思った。ソアリスなら、私の言うことを聞くはずだと、ここまでやって来たのだ。
「ねえ、私も可愛い娘の婚約の話なのよ?私が怒っていないとでも思っているの?」
「そ、それは」
「そっくりそのまま言葉を返されるとは思わないの?」
「でも、従兄同士なんだから、似ているエミアンローズが選ばれるのは…無理ともないというか、仕方ないことじゃないかしら」
「顔が似ていると言っているの?」
「そうよ」
「ミフルと?」
「そうよ」
ララシャもミフルを見たことがないのだと悟った。ララシャはせめてものフォローのつもりだったのだろうが、的外れである。
「キャロライン、ミフルを呼んで来て貰える?どうせ知ることになるでしょうから」
「はい!」
「そうね、お詫びしたいわ」
その言葉に、愚かにもほどがあるだろうと溜息を付いた。
「えっ、ええ、勿論よ」
「そうよね、そうでないと王太子殿下の婚約者に、なんて言わないわよね?」
「ええ、だからエミアンローズの良さを、あなたからも言って欲しいのよ」
クロンデール王国の王妃からも、助言があれば、スムーズに進むだろうと考えた。婚約者の母親だということは、もう考えていない。
「想い合っているのではないの?グレイ殿下に伝えて貰えばいいじゃない」
「そ、それはそうだけど、まだ知り合っても間がないから」
ララシャはどれだけ危ない橋を渡っているのか、分かっていないのだろうか。
「そうなの?」
「だから王家にも言って欲しいの」
「今日、初めて会ったのに、良さなんて分からないわ」
「可愛くて、優秀だと言ってくれればいいわ」
エミアンローズは集中力がないだけで、勉強は真面目に受けさえすれば、出来ると信じている。それが出来ていないという意味だとは、ララシャは思っていない。
「それは成績を見ないと分からないわ。エスザール王国が確認するでしょうけど」
「え?」
「まさかエスザール王国の王家が、優秀だと自称する母親の言葉を、鵜呑みにするとでも思っているの?もう16歳なんだから、難易度の高いことが要求されるわよ。分かるわよね?あなたも少なからず、受けていたのだから」
「勿論よ、分かっているわ」
戻ったら教師に優秀だと書いて貰えばいいと思っていた。
「成績を誤魔化して、困るのは本人だものね。語学なんて話せませんでは済まないもの」
「そ、そうね」
ララシャの変わり易い表情に、おそらく勉強も出来ないのだろうと判断した。まるでララシャと同じように育てられており、リベル殿下はどう考えているのか、聞いてみたいほどだった。
「じゃあ、そろそろ帰ってくれる?」
「待って!ちゃんと言ってくれるのよね?」
「何を?」
「だから、エミアンをグレイ殿下の婚約者にしてくれるのかってことよ」
「はあ…だから、国の話になるって言っているでしょう?」
「そうじゃなくて、ソアリスが言えばいいでしょう?もうしっかりしてよ、姪の結婚が掛かっているのよ?」
ララシャはリベルにも反対されているので、ソアリスに力になって貰わないと、エミアンローズの願いを叶えてやれない、王太子妃の母親になれるチャンスは、今回しかないかもしれないと必死である。
やっぱりララシャ様は素晴らしいと、再び返り咲きたいとずっと思っていた。
だから公務には出席は出来ないが、リベルとエミアンローズとエスザール王国に行った際に、グレイ殿下を素敵、格好いいと言い出し、結婚したいかと聞くと『うん!エミアン、あの人と結婚する』と言った時は、絶対に纏めなければと思った。
婚約者がソアリスの娘だと聞いた時には、運も味方しているとすら思った。ソアリスなら、私の言うことを聞くはずだと、ここまでやって来たのだ。
「ねえ、私も可愛い娘の婚約の話なのよ?私が怒っていないとでも思っているの?」
「そ、それは」
「そっくりそのまま言葉を返されるとは思わないの?」
「でも、従兄同士なんだから、似ているエミアンローズが選ばれるのは…無理ともないというか、仕方ないことじゃないかしら」
「顔が似ていると言っているの?」
「そうよ」
「ミフルと?」
「そうよ」
ララシャもミフルを見たことがないのだと悟った。ララシャはせめてものフォローのつもりだったのだろうが、的外れである。
「キャロライン、ミフルを呼んで来て貰える?どうせ知ることになるでしょうから」
「はい!」
「そうね、お詫びしたいわ」
その言葉に、愚かにもほどがあるだろうと溜息を付いた。
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