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安堵2
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そして、慌てても仕方ないとリズとミオトは全く減らないお茶を飲んでいたが、バーセム公爵家に満面の笑みのアリルが帰って来た。
「無事、生まれたのね?」
「はい、王女でした。母も無事です。疲れて寝ていたので、話はしていませんけど」
はああああと息を吐き、リズは心から安堵した。
「良かった」
「はい、おそらく最短記録ではないかと…」
「え?」
「2時間半くらいだったと思います」
「凄く長く感じていたけど、確かにそうね、凄い女だわ」
アリルもケイトに会ってから帰ったので、時間は経っていたが、それでも安産と呼べる時間であった。
「はい、妹にも会って来ましたが、その側でぐーぐー寝ていました」
いつもなら死んだように寝ていると表現したいところだが、今日は縁起でもない言葉だったので、誰も口にすることは出来なかった。
「あはははは!生きているなら、何でもいいわ」
「はい」
アリルもその言葉に、リズも実は相当、心配していたのだと実感した。
そして、兄であるサイラスは王家からの発表で、妹が無事出産したことを知った。
「良かった…」
心の底から、何の阿ることもなく、出た言葉であった。
両親もホッとしたが、カイルスの誕生の際も呼ばれることはなかったので、今回も諦めるしかなかったが、贈り物だけでもと思って送り続けている。
姉であるピデム王国のララシャにも届いた。危険な状態になってしまえとは思っていなかったが、面白くないララシャは素直に喜ぶ気持ちにはなれなかった。
「ふーん、女の子だったんだ」
「無事に産まれて、本当に良かった」
「こんなに産むんだったら、やっぱり一人くらい養子にくれても良かったのに。本当に使えないんだから」
リベルは話に乗る気はもうなかった。
「アリルが来ていたら、エミアンにお姉さんがいたのに。でもエミアンは妹が欲しいのよね…ミフルが来てもお姉さんになってしまっていたし。でもこの年で育てるのって、大変よね、持て余しているんじゃないかしら」
リベルは何をお祝いに送ろうか、兄にも何を送るか聞いてみようと考えており、ララシャの言葉は聞こえてはいるが、反応する気はなかった。
「そうだわ、今こそ、頼りにされるべきじゃないかしら。ああ、でも世話するのは面倒よね。そもそも私に似ているのかしら、似ていないと可愛がれる気がしないわ。もう少し大きくなって、考えてもいいわね。でもエミアンも結婚するだろうし、産むならもう少し早く産めば良かったのに、ねえ、あなたそう思わない?」
既にリベルは話すら聞いていなかった。
「ちょっと、リベル!」
「ん?何だ?」
「話を聞いていなかったの?ソアリスの子を私に似ていたら、引き取ってあげてもいいって話よ!」
「は?まだそんな愚かなことを言っているのか?」
いつもの優しい口調ではなく、情けないという馬鹿にしたような口調であったために、ララシャは激高した。
「愚かですって!」
「愚か以外の何者でもないだろう」
「エミアンが妹が欲しい言って言っていたでしょう!忘れたの?」
「それは自分の妹で、人様から奪った妹ではないはずだ」
「人様って、姪なのよ?」
「姪は君のものだとでも言うのか?」
「っな!」
ララシャはただの妹じゃない、ソアリスだからだと思っているが、それは今となっては両親も兄も後悔しており、ララシャが一人だけが変わらないだけで、通用しないとは気付いていない。
「相手はクロンデール王国の王族で、王女なんだぞ?妹だからと調子に乗るな、二度と口にするんじゃない、分かったな?」
「な、何よ、そんな言い方しなくても」
「何度言っても分かっていないからだろう。頭を冷やせ」
不貞腐れたララシャは、謝って来るまでリベルと口を聞かないと意地になっていたが、リベルは必要な会話を一方的に行うだけだった。
危機感のないララシャは、リベルの変化に気付いていなかった。
「無事、生まれたのね?」
「はい、王女でした。母も無事です。疲れて寝ていたので、話はしていませんけど」
はああああと息を吐き、リズは心から安堵した。
「良かった」
「はい、おそらく最短記録ではないかと…」
「え?」
「2時間半くらいだったと思います」
「凄く長く感じていたけど、確かにそうね、凄い女だわ」
アリルもケイトに会ってから帰ったので、時間は経っていたが、それでも安産と呼べる時間であった。
「はい、妹にも会って来ましたが、その側でぐーぐー寝ていました」
いつもなら死んだように寝ていると表現したいところだが、今日は縁起でもない言葉だったので、誰も口にすることは出来なかった。
「あはははは!生きているなら、何でもいいわ」
「はい」
アリルもその言葉に、リズも実は相当、心配していたのだと実感した。
そして、兄であるサイラスは王家からの発表で、妹が無事出産したことを知った。
「良かった…」
心の底から、何の阿ることもなく、出た言葉であった。
両親もホッとしたが、カイルスの誕生の際も呼ばれることはなかったので、今回も諦めるしかなかったが、贈り物だけでもと思って送り続けている。
姉であるピデム王国のララシャにも届いた。危険な状態になってしまえとは思っていなかったが、面白くないララシャは素直に喜ぶ気持ちにはなれなかった。
「ふーん、女の子だったんだ」
「無事に産まれて、本当に良かった」
「こんなに産むんだったら、やっぱり一人くらい養子にくれても良かったのに。本当に使えないんだから」
リベルは話に乗る気はもうなかった。
「アリルが来ていたら、エミアンにお姉さんがいたのに。でもエミアンは妹が欲しいのよね…ミフルが来てもお姉さんになってしまっていたし。でもこの年で育てるのって、大変よね、持て余しているんじゃないかしら」
リベルは何をお祝いに送ろうか、兄にも何を送るか聞いてみようと考えており、ララシャの言葉は聞こえてはいるが、反応する気はなかった。
「そうだわ、今こそ、頼りにされるべきじゃないかしら。ああ、でも世話するのは面倒よね。そもそも私に似ているのかしら、似ていないと可愛がれる気がしないわ。もう少し大きくなって、考えてもいいわね。でもエミアンも結婚するだろうし、産むならもう少し早く産めば良かったのに、ねえ、あなたそう思わない?」
既にリベルは話すら聞いていなかった。
「ちょっと、リベル!」
「ん?何だ?」
「話を聞いていなかったの?ソアリスの子を私に似ていたら、引き取ってあげてもいいって話よ!」
「は?まだそんな愚かなことを言っているのか?」
いつもの優しい口調ではなく、情けないという馬鹿にしたような口調であったために、ララシャは激高した。
「愚かですって!」
「愚か以外の何者でもないだろう」
「エミアンが妹が欲しい言って言っていたでしょう!忘れたの?」
「それは自分の妹で、人様から奪った妹ではないはずだ」
「人様って、姪なのよ?」
「姪は君のものだとでも言うのか?」
「っな!」
ララシャはただの妹じゃない、ソアリスだからだと思っているが、それは今となっては両親も兄も後悔しており、ララシャが一人だけが変わらないだけで、通用しないとは気付いていない。
「相手はクロンデール王国の王族で、王女なんだぞ?妹だからと調子に乗るな、二度と口にするんじゃない、分かったな?」
「な、何よ、そんな言い方しなくても」
「何度言っても分かっていないからだろう。頭を冷やせ」
不貞腐れたララシャは、謝って来るまでリベルと口を聞かないと意地になっていたが、リベルは必要な会話を一方的に行うだけだった。
危機感のないララシャは、リベルの変化に気付いていなかった。
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