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安堵1
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「無事生まれたのね…本当に良かったわ」
「ああ、エマリーの叔母様になるんだよな」
「一応はそうなるけど、良い遊び相手になるでしょうね」
話しているのは、ゾル王国のリガルタ国王とマリエンヌ王妃である。吉報に心からホッとした。
そして、エクシアーヌからの手紙が届いた。
「え?2時間半?嘘でしょう?」
「どうした?」
「ソアリス様、出産2時間半だったそうよ」
「それは、早いな…エクシアーヌは20時間掛かったんだよな?」
「ええ、経産婦だけど、10年のブランクで時間を縮めて来るとはさすがだわ。皆で、あれこれ話している間に生まれて、呆気に取られたそうよ」
アンセムの用意していた、もうそろそろ皆は休みなさいという言葉を発することもなく、出産をしている。
読み進めていたマリエンヌは突然、笑い出した。
「あははは!」
「どうしたんだい?」
「ソアリス様にどうして早く産むことが出来たのか聞いたら、アンセム陛下の文句を叫びながら産んだからじゃないかしらって」
「そ、それは…」
リガルタは同じ立場として何とも言えない気持ちになったが、無事に産まれたのなら、何でもいい気もする。
「アンセム陛下も役に立てたなら良かったって」
「私もそう言うと思う」
「でもソアリス様のお誕生日だったでしょう?だから肉を食べ損ねたことを、悔しがってらしたと」
「それは…」
「仕切り直して、美味しいお肉を食べたそうよ」
「何よりだな」
「もう少し大きくなったら、孫と叔母君にお揃いのドレスを注文してもいいかしら?あなた」
「ああ、勿論だ」
そして、伯母に当たる人物も姪っ子の誕生に安堵していた。
一報は両親から急ぎで届いており、母子ともに無事だと知って、へたり込んだくらいである。
「はあ……良かった、姪っ子ですって」
「そうか、良かった」
「2時間半で生まれたって、どれだけ安産なのよ」
「体に負担が少なくて良かったな」
「本当ね」
まるで母親の意図を汲んだように早く産まれてくれた、王女に感謝した。いくら健康で体力のあるソアリスでも、長時間に渡れば、危険な事にもなったかもしれない。
本当に良かった。
「生まれたの?」
息子たちも気にしていたようで、駆け付けて来た。
「ええ、王女だそうよ」
「女の子か!可愛いだろうな」
「プラチナブロンドですって、ミランお祖母様と、ミフル王女と同じだそうよ。お父様が甘やかしそうって書いてあるわ」
「皆、絶対甘やかすでしょう」
「でもそれを阻止する人がいると思うわよ?」
「え?」
「王妃様ですか」
「ええ、ミフルをミランお祖母様に似ているからと、皆が甘やかした時に、いい大人が全員、怒られたそうよ」
「「ええ!」」
珍しく母も一緒になって怒られたそうで、本当に反省していた。
「もう少ししてから、贈り物を持って会いに行きましょうか」
「そうだな」
クロンデール国内でもバーセム公爵家には、アリルではなく、お姫様抱っこをしたミオト・バーセム公爵が邸に戻って、陣痛が始まったことを報告していた。
ミオトもソワソワして、仕事にならず、そのまま帰っていた。
「リズに頑張るからと伝えて欲しいと」
「え!今日なの?」
「そうなんだ、伝言を伝えに行ったら、蹲ってらして、お運びさせて貰った」
「あなたが運んだの?」
「ああ、リズの名に懸けてって言ったら、笑われていたよ」
「いい誕生日プレゼントになったわね」
「え?」
「あなたに合法的に抱えて貰って、喜んでいると思うわ」
リズにはラッキーと言わんばかりのソアリスの考えは、お見通しである。
「そうかな?いくらでも運ぶんだが」
「いやいや、一国の王妃がなかなか運ばれる機会はないでしょうよ」
「それもそうだな」
「後は無事、生まれることを願うだけね」
「ああ、エマリーの叔母様になるんだよな」
「一応はそうなるけど、良い遊び相手になるでしょうね」
話しているのは、ゾル王国のリガルタ国王とマリエンヌ王妃である。吉報に心からホッとした。
そして、エクシアーヌからの手紙が届いた。
「え?2時間半?嘘でしょう?」
「どうした?」
「ソアリス様、出産2時間半だったそうよ」
「それは、早いな…エクシアーヌは20時間掛かったんだよな?」
「ええ、経産婦だけど、10年のブランクで時間を縮めて来るとはさすがだわ。皆で、あれこれ話している間に生まれて、呆気に取られたそうよ」
アンセムの用意していた、もうそろそろ皆は休みなさいという言葉を発することもなく、出産をしている。
読み進めていたマリエンヌは突然、笑い出した。
「あははは!」
「どうしたんだい?」
「ソアリス様にどうして早く産むことが出来たのか聞いたら、アンセム陛下の文句を叫びながら産んだからじゃないかしらって」
「そ、それは…」
リガルタは同じ立場として何とも言えない気持ちになったが、無事に産まれたのなら、何でもいい気もする。
「アンセム陛下も役に立てたなら良かったって」
「私もそう言うと思う」
「でもソアリス様のお誕生日だったでしょう?だから肉を食べ損ねたことを、悔しがってらしたと」
「それは…」
「仕切り直して、美味しいお肉を食べたそうよ」
「何よりだな」
「もう少し大きくなったら、孫と叔母君にお揃いのドレスを注文してもいいかしら?あなた」
「ああ、勿論だ」
そして、伯母に当たる人物も姪っ子の誕生に安堵していた。
一報は両親から急ぎで届いており、母子ともに無事だと知って、へたり込んだくらいである。
「はあ……良かった、姪っ子ですって」
「そうか、良かった」
「2時間半で生まれたって、どれだけ安産なのよ」
「体に負担が少なくて良かったな」
「本当ね」
まるで母親の意図を汲んだように早く産まれてくれた、王女に感謝した。いくら健康で体力のあるソアリスでも、長時間に渡れば、危険な事にもなったかもしれない。
本当に良かった。
「生まれたの?」
息子たちも気にしていたようで、駆け付けて来た。
「ええ、王女だそうよ」
「女の子か!可愛いだろうな」
「プラチナブロンドですって、ミランお祖母様と、ミフル王女と同じだそうよ。お父様が甘やかしそうって書いてあるわ」
「皆、絶対甘やかすでしょう」
「でもそれを阻止する人がいると思うわよ?」
「え?」
「王妃様ですか」
「ええ、ミフルをミランお祖母様に似ているからと、皆が甘やかした時に、いい大人が全員、怒られたそうよ」
「「ええ!」」
珍しく母も一緒になって怒られたそうで、本当に反省していた。
「もう少ししてから、贈り物を持って会いに行きましょうか」
「そうだな」
クロンデール国内でもバーセム公爵家には、アリルではなく、お姫様抱っこをしたミオト・バーセム公爵が邸に戻って、陣痛が始まったことを報告していた。
ミオトもソワソワして、仕事にならず、そのまま帰っていた。
「リズに頑張るからと伝えて欲しいと」
「え!今日なの?」
「そうなんだ、伝言を伝えに行ったら、蹲ってらして、お運びさせて貰った」
「あなたが運んだの?」
「ああ、リズの名に懸けてって言ったら、笑われていたよ」
「いい誕生日プレゼントになったわね」
「え?」
「あなたに合法的に抱えて貰って、喜んでいると思うわ」
リズにはラッキーと言わんばかりのソアリスの考えは、お見通しである。
「そうかな?いくらでも運ぶんだが」
「いやいや、一国の王妃がなかなか運ばれる機会はないでしょうよ」
「それもそうだな」
「後は無事、生まれることを願うだけね」
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