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妊婦2
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「さすがに寝れませんわね…」
「やはり痛いのですか」
「ええ、私は1日掛かりましたから」
ルルエは初産であったために、正確には26時間も掛かった。エクシアーヌもルルエを見て、自分も覚悟をしていた。
「そうでしたわね、お義母様は?」
「ん?ルルエの後で、非常に言い辛いわ」
「早かったのですね…」
その様子にルルエも、さすがに気付いてしまった。
「ユリウスの時が最高で、8時間くらいだったかしら?」
「私のほぼ3分の1です」
「他の方はいかがでしたか?」
「ミフルまでは3時間以下で、カイルスは4時間くらいだったかしら?でも今回は分からないわよね」
「それはそうですね」「そうですね」
そう言いながらも、ハツラツとした様子に、何だか早いような気がすると思う、ルルエとエクシアーヌであった。
そして、ソアリスは妊娠5ヶ月目に入った。妊娠していると頭では分かっていたが、無茶はしなかったが、ずっと本当になのかと思っていた。
「本当に妊娠しているのかと、ちょっと疑っていたのだけど、今日初めて胎動があって、ようやく本当だと思ったわ」
「はい?疑っていたのですか?」
ソアリスは小刻みに素直に頷いている。
「だって、43なのに、もうすぐ44だけど。ロペス医師を疑っていたのではなく、自分の身体を疑っていたのよ」
「実感が出来たのなら良かったです。話し掛けたりしてくださいね」
「ばあさまですよ、っあ、間違えたわ。最近、すっかりばあさまモードだったから」
「お母様でございます」
当たり前のことを言い合うソアリスとロペス医師。
そして、ソアリスのお腹も目立ち始めたので、発表することとなった。妊娠6ヶ月となっていた。エクシアーヌは出産予定日まで1ヶ月を切っていた。
本日、王家から発表があるとされ、エクシアーヌの出産が、早まったのだろうと皆が思っていた。
「ソアリス王妃陛下が、第七子をご懐妊されたことを発表いたします。年齢を考慮して、発表は控えておりましたが、出産は3ヶ月後を予定しております」
結果、知らなかった貴族も、国民も耳を疑うことになった。当の本人ですら、半信半疑だったのだから無理もないことだろう。
さも当たり前に発表している、広報を務める大臣にも伝えてはいなかったので、大変なことになった。
この大臣は妻の不貞で、ログハウスを購入したラセール伯爵である。子どもたちも成人したので、離縁して、不貞妻は実家に戻された。
「申し訳ありません、耳が遠くなったのでしょうか?もう一度、よろしいですか」
「それ、同じことを私も医師にやったわよ」
その言葉に伯爵は事実だと分かって、絶句して停止した後、なぜか立ち上がろうとして、椅子から転げ落ちた。
「大丈夫?」
護衛が立たせており、腰が砕けたのかと思った。
「申し訳ありません、失礼ながら驚きまして…はい」
「43よ、もうすぐ44だけど」
聞いてもいないが、聞きにくいだろうと思い、ソアリスが答えている。
「はい、おめでとうございます」
「顔が引き攣っているわよ!大丈夫、今のところ順調だから」
「それは良かったです。いつ生まれるのでしょうか」
「3ヶ月後くらいかしら?」
「はひ?」
口元がおかしくなっているが、構わずにソアリスは話を続ける。
「もうね、6ヶ月なのよ。それでお腹も目立ちだしたから、発表して貰おうということになって。エクシアーヌの出産もあるから、その前にね」
「はい、さようでございますね、早々にいたしましょう。しつこいようですが、お体は大丈夫なのですよね?」
「ええ、毎日診察されているから」
「そうしてください」
「調整して、明日、いえ、明後日には発表しましょう」
そして、発表された懐妊発表は、その日の国一番の話題となった。他国にも伝わることになり、それぞれに驚かれることになる。
「やはり痛いのですか」
「ええ、私は1日掛かりましたから」
ルルエは初産であったために、正確には26時間も掛かった。エクシアーヌもルルエを見て、自分も覚悟をしていた。
「そうでしたわね、お義母様は?」
「ん?ルルエの後で、非常に言い辛いわ」
「早かったのですね…」
その様子にルルエも、さすがに気付いてしまった。
「ユリウスの時が最高で、8時間くらいだったかしら?」
「私のほぼ3分の1です」
「他の方はいかがでしたか?」
「ミフルまでは3時間以下で、カイルスは4時間くらいだったかしら?でも今回は分からないわよね」
「それはそうですね」「そうですね」
そう言いながらも、ハツラツとした様子に、何だか早いような気がすると思う、ルルエとエクシアーヌであった。
そして、ソアリスは妊娠5ヶ月目に入った。妊娠していると頭では分かっていたが、無茶はしなかったが、ずっと本当になのかと思っていた。
「本当に妊娠しているのかと、ちょっと疑っていたのだけど、今日初めて胎動があって、ようやく本当だと思ったわ」
「はい?疑っていたのですか?」
ソアリスは小刻みに素直に頷いている。
「だって、43なのに、もうすぐ44だけど。ロペス医師を疑っていたのではなく、自分の身体を疑っていたのよ」
「実感が出来たのなら良かったです。話し掛けたりしてくださいね」
「ばあさまですよ、っあ、間違えたわ。最近、すっかりばあさまモードだったから」
「お母様でございます」
当たり前のことを言い合うソアリスとロペス医師。
そして、ソアリスのお腹も目立ち始めたので、発表することとなった。妊娠6ヶ月となっていた。エクシアーヌは出産予定日まで1ヶ月を切っていた。
本日、王家から発表があるとされ、エクシアーヌの出産が、早まったのだろうと皆が思っていた。
「ソアリス王妃陛下が、第七子をご懐妊されたことを発表いたします。年齢を考慮して、発表は控えておりましたが、出産は3ヶ月後を予定しております」
結果、知らなかった貴族も、国民も耳を疑うことになった。当の本人ですら、半信半疑だったのだから無理もないことだろう。
さも当たり前に発表している、広報を務める大臣にも伝えてはいなかったので、大変なことになった。
この大臣は妻の不貞で、ログハウスを購入したラセール伯爵である。子どもたちも成人したので、離縁して、不貞妻は実家に戻された。
「申し訳ありません、耳が遠くなったのでしょうか?もう一度、よろしいですか」
「それ、同じことを私も医師にやったわよ」
その言葉に伯爵は事実だと分かって、絶句して停止した後、なぜか立ち上がろうとして、椅子から転げ落ちた。
「大丈夫?」
護衛が立たせており、腰が砕けたのかと思った。
「申し訳ありません、失礼ながら驚きまして…はい」
「43よ、もうすぐ44だけど」
聞いてもいないが、聞きにくいだろうと思い、ソアリスが答えている。
「はい、おめでとうございます」
「顔が引き攣っているわよ!大丈夫、今のところ順調だから」
「それは良かったです。いつ生まれるのでしょうか」
「3ヶ月後くらいかしら?」
「はひ?」
口元がおかしくなっているが、構わずにソアリスは話を続ける。
「もうね、6ヶ月なのよ。それでお腹も目立ちだしたから、発表して貰おうということになって。エクシアーヌの出産もあるから、その前にね」
「はい、さようでございますね、早々にいたしましょう。しつこいようですが、お体は大丈夫なのですよね?」
「ええ、毎日診察されているから」
「そうしてください」
「調整して、明日、いえ、明後日には発表しましょう」
そして、発表された懐妊発表は、その日の国一番の話題となった。他国にも伝わることになり、それぞれに驚かれることになる。
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