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解放
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「ルルエ、オードエル公爵のお嬢さんが何を言ったか教えてくれる?」
ソアリスがそっとルルエに問うたのは、ミーチュアに言われた言葉を、ここで言えるかということだった。
「はい、王妃陛下!私が声を掛けていないのにも関わらず、一方的にまだその座にしがみついてらっしゃるの?そろそろ身の程を弁えたら?と」
「何だと!」「申し訳ございません!」
ユリウスは声を上げ、オードエル公爵は目を見開き、すぐに謝罪したが、ルルエはさらに続けた。
「あと、私を無視するの?傲慢な王太子妃様だこと!とも申されました」
あの時、ソアリスが来なければ、もっと言われていただろう。
「ありがとう、ルルエ。オードエル公爵、どういった教育をしているのでしょうか?教えていただける?」
「申し訳ありません!婚約者が出来ないことで、苛立っていたのでしょう。再度教育をやり直させます」
23歳にもなって、教育をやり直しとは相当、恥ずかしいものとなるだろう。
オードエル公爵もミーチュアが側妃になれたらと思ってはいたが、年上であることや、婚約解消のこともあり、打診までは出来ず、今回の件で絶望的となった。
しかも、側妃ではなく正妃を狙っていたのか、愚か過ぎて情けない。
「あなた!」
「お父様!」
「ユリウスとルルエは戻って頂戴。よろしくお願いしますわね」
「「はい」」
二人は部屋から出て行き、ソアリスは三人に向き直った。
「ファーリン夫人、ミーチュア嬢、言いたいことがあればどうぞ」
「ミーチュアがマナー違反をしたのは申し訳ないと思いますが、王太子妃殿下は元は侯爵家の人間ですから、気が緩んだだけで、いつもはちゃんとしておりますの」
「では、ミクシワ前伯爵夫妻を呼びましょうか?」
ミクシワ前伯爵夫妻は、ファーリンの両親である。
「どうしてですか」
「そういうことではありませんか?あなたはルルエが元侯爵令嬢だから蔑んだと言った、元が大事なのですわよね?でしたら、前伯爵夫妻に責任を取って貰わなくてはなりませんね。パパとママを呼びますか?」
「お前!いい加減にしろ」
「あなた…」
「王妃陛下、申し訳ございません」
「パパとママ、呼ばなくてよろしいのですか?」
「呼ばなくていいです」
ソアリスはララシャの知り合いとしてファーリンのことは記憶になかったが、ファーリンのことを知らないわけではない。両親を今でもパパママと呼び、甘やかされて育っていることを知っている。
「ミクシワ伯爵はいたわよね?」
「お兄様は止めてっ!!」
おかげで兄に酷く嫌われており、味方になってくれないことも分かっている。
「あら、大きなお声だこと」
「申し訳ありません」
オードエル公爵は生粋の公爵家の人間であることから、ソアリスから帰っていいと言われるまで、去ることが出来ないことは理解しているため、謝り続けるしかない。
「ミーチュア嬢は申し開きはありますか」
「いえ、申し訳ございませんでした」
「最初に聞きたかったわね、どうして優秀で美しいお姉様である、ミソラ夫人を手本にしなかったの?」
ミソラはミーチュアの姉で、フレイク侯爵家に嫁いでおり、婚約破棄の原因でもある。なぜファーリンを手本にしたのかという意味も含まれている。
ミーチュアは黙ったまま、下を向き、ドレスを握る手に力が入っている。
「とても嫌な気分になったでしょう?それをあなたルルエに言っていたのよ?身を持って、理解が出来たかしら?」
「はい…申し訳ありませんでした」
「その言葉が嘘でないと、証明なさい。帰っていいわ、これ以上、パーティーから離れるわけにも行かないの」
「はい!お時間を取っていただいた上に、大変申し訳ありませんでした」
オードエル公爵は王妃陛下をパーティーから離れさせていることに、改めて気付き、深く頭を下げて、二人を連れて帰って行った。
ソアリスがそっとルルエに問うたのは、ミーチュアに言われた言葉を、ここで言えるかということだった。
「はい、王妃陛下!私が声を掛けていないのにも関わらず、一方的にまだその座にしがみついてらっしゃるの?そろそろ身の程を弁えたら?と」
「何だと!」「申し訳ございません!」
ユリウスは声を上げ、オードエル公爵は目を見開き、すぐに謝罪したが、ルルエはさらに続けた。
「あと、私を無視するの?傲慢な王太子妃様だこと!とも申されました」
あの時、ソアリスが来なければ、もっと言われていただろう。
「ありがとう、ルルエ。オードエル公爵、どういった教育をしているのでしょうか?教えていただける?」
「申し訳ありません!婚約者が出来ないことで、苛立っていたのでしょう。再度教育をやり直させます」
23歳にもなって、教育をやり直しとは相当、恥ずかしいものとなるだろう。
オードエル公爵もミーチュアが側妃になれたらと思ってはいたが、年上であることや、婚約解消のこともあり、打診までは出来ず、今回の件で絶望的となった。
しかも、側妃ではなく正妃を狙っていたのか、愚か過ぎて情けない。
「あなた!」
「お父様!」
「ユリウスとルルエは戻って頂戴。よろしくお願いしますわね」
「「はい」」
二人は部屋から出て行き、ソアリスは三人に向き直った。
「ファーリン夫人、ミーチュア嬢、言いたいことがあればどうぞ」
「ミーチュアがマナー違反をしたのは申し訳ないと思いますが、王太子妃殿下は元は侯爵家の人間ですから、気が緩んだだけで、いつもはちゃんとしておりますの」
「では、ミクシワ前伯爵夫妻を呼びましょうか?」
ミクシワ前伯爵夫妻は、ファーリンの両親である。
「どうしてですか」
「そういうことではありませんか?あなたはルルエが元侯爵令嬢だから蔑んだと言った、元が大事なのですわよね?でしたら、前伯爵夫妻に責任を取って貰わなくてはなりませんね。パパとママを呼びますか?」
「お前!いい加減にしろ」
「あなた…」
「王妃陛下、申し訳ございません」
「パパとママ、呼ばなくてよろしいのですか?」
「呼ばなくていいです」
ソアリスはララシャの知り合いとしてファーリンのことは記憶になかったが、ファーリンのことを知らないわけではない。両親を今でもパパママと呼び、甘やかされて育っていることを知っている。
「ミクシワ伯爵はいたわよね?」
「お兄様は止めてっ!!」
おかげで兄に酷く嫌われており、味方になってくれないことも分かっている。
「あら、大きなお声だこと」
「申し訳ありません」
オードエル公爵は生粋の公爵家の人間であることから、ソアリスから帰っていいと言われるまで、去ることが出来ないことは理解しているため、謝り続けるしかない。
「ミーチュア嬢は申し開きはありますか」
「いえ、申し訳ございませんでした」
「最初に聞きたかったわね、どうして優秀で美しいお姉様である、ミソラ夫人を手本にしなかったの?」
ミソラはミーチュアの姉で、フレイク侯爵家に嫁いでおり、婚約破棄の原因でもある。なぜファーリンを手本にしたのかという意味も含まれている。
ミーチュアは黙ったまま、下を向き、ドレスを握る手に力が入っている。
「とても嫌な気分になったでしょう?それをあなたルルエに言っていたのよ?身を持って、理解が出来たかしら?」
「はい…申し訳ありませんでした」
「その言葉が嘘でないと、証明なさい。帰っていいわ、これ以上、パーティーから離れるわけにも行かないの」
「はい!お時間を取っていただいた上に、大変申し訳ありませんでした」
オードエル公爵は王妃陛下をパーティーから離れさせていることに、改めて気付き、深く頭を下げて、二人を連れて帰って行った。
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