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友人
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王宮に招待したのは初めてであるため、緊張するだろうからと、きょうだいたちも近付いたりすることはなかった。
だが、帰り際にソアリスとカイルスがやって来た。
三人はソアリスの姿に酷い渾名の張本人で、バラしたにも関わらず、きちんと背筋を伸ばした。
「お招きありがとうございました」「「ありがとうございました」」
「こちらこそ、アリルに楽しい時間をありがとうございます。さあ、カイルス、お嬢様たちにお土産をお渡しして」
「はい!」
カイルスはキャロラインから、花束を受け取り、ミコロン、ディーラ、ノークに渡した。皆、ありがとうございますと、感激した様子で受け取っていた。
「母様、またカイルスを使いましたね」
「皆様、婚約者がいるけど、カイルスならば許してくれるでしょう?」
ミコロンにもソルド・マッドリー侯爵令息がいるように、二人にも年上の婚約者がいる。
「それはそうだけど…お母様が渡せばいいじゃない」
「ええ…私に貰っても嬉しくないでしょう」
いや、少なくともミコロンは絶対に喜ぶと思う。
「でも、ありがとうございました」
「どういたしまして」
皆、カイルスに夢中になっており、ミコロンはキャロラインをバシバシ叩いて、可愛い可愛いと悶絶しており、キャロランもそうでしょうと誇らしそうにしている。
ディーラとノークもカイルスの背に合わせて、体制を下げて見つめている。
「アリルおねえさまは、おかあさまににているといわれているのですよ」
「はい、殿下。よく似ておられます」
「うらやましいでしょう?」
「羨ましいのですか?」
「はい、じぶんのおかおが、おかあさまににていたら、かがみをみるたびに、うれしくなりますでしょう?」
カイルスは愁いを帯びた顔をしながら、両手を頬に当てて首を傾け、ディーラとノークは満面の笑み悶えている。
「はい、私もそう思います!」
「ころんちゃん!」
「殿下!」
カイルスとミコロンは握手を交わし、妙な連帯感が生まれていた。
「ミコロンがお母様に影響を受け過ぎです」
「まあ、コロンちゃんが?それは良くないわね」
「良くないとは思っているのですね…」
「当たり前じゃない」
三人は見送られて帰って行き、ソアリスとカイルスも宮に戻った。アリルは今日のことで、さらに三人と近くなれたような気がした。
その後、ミリンティーは表向きは変わらなかったが、婚約者が決まらないことも変わらない。周りに婚約者がいない令嬢も、続々と婚約が決まっていき、気付けばいないのはミリンティーだけになっていた。
「お父様、婚約者はまだ決まりませんの?」
「ああ、話をしてはいるんだが…恐れ多いと言われることが多くてね」
「そうなんですの、侯爵家ですから仕方ないことですけど。でもこのままでは、行き遅れなどと言われてしまうわ」
「まあ、それはよくないわぁ」
オイエン侯爵もミリンティーの婚約を決めたいと思っていたのだが、希望が多くて入学前には決まらなかった。その後も探しているが、国内では高位貴族は婚約者がいる者が多く、伯爵家以下になると恐れ多いと、いい返事を貰えない。
ミリンティーはどこに出しても恥ずかしくないとまでは言わないが、気高さはあるが、高位貴族であれば問題とはされない。幼い頃から、礼儀やマナーも教育もきちんと行い、成績も悪くない。
まさか見た目なのかだろうかとも考えた、妻に似たのか、ふくよかではあるが、貴族としてはガリガリに痩せているより悪いことではなく、目を逸らしたくなるほどではないはずだと考えていた。
学園でのことは学園長の判断で、ミリンティーに処罰があったわけではないので、オイエン侯爵家は知らされないままだった。
そして、学年が上がっても婚約者が出来ることはなかった。
だが、帰り際にソアリスとカイルスがやって来た。
三人はソアリスの姿に酷い渾名の張本人で、バラしたにも関わらず、きちんと背筋を伸ばした。
「お招きありがとうございました」「「ありがとうございました」」
「こちらこそ、アリルに楽しい時間をありがとうございます。さあ、カイルス、お嬢様たちにお土産をお渡しして」
「はい!」
カイルスはキャロラインから、花束を受け取り、ミコロン、ディーラ、ノークに渡した。皆、ありがとうございますと、感激した様子で受け取っていた。
「母様、またカイルスを使いましたね」
「皆様、婚約者がいるけど、カイルスならば許してくれるでしょう?」
ミコロンにもソルド・マッドリー侯爵令息がいるように、二人にも年上の婚約者がいる。
「それはそうだけど…お母様が渡せばいいじゃない」
「ええ…私に貰っても嬉しくないでしょう」
いや、少なくともミコロンは絶対に喜ぶと思う。
「でも、ありがとうございました」
「どういたしまして」
皆、カイルスに夢中になっており、ミコロンはキャロラインをバシバシ叩いて、可愛い可愛いと悶絶しており、キャロランもそうでしょうと誇らしそうにしている。
ディーラとノークもカイルスの背に合わせて、体制を下げて見つめている。
「アリルおねえさまは、おかあさまににているといわれているのですよ」
「はい、殿下。よく似ておられます」
「うらやましいでしょう?」
「羨ましいのですか?」
「はい、じぶんのおかおが、おかあさまににていたら、かがみをみるたびに、うれしくなりますでしょう?」
カイルスは愁いを帯びた顔をしながら、両手を頬に当てて首を傾け、ディーラとノークは満面の笑み悶えている。
「はい、私もそう思います!」
「ころんちゃん!」
「殿下!」
カイルスとミコロンは握手を交わし、妙な連帯感が生まれていた。
「ミコロンがお母様に影響を受け過ぎです」
「まあ、コロンちゃんが?それは良くないわね」
「良くないとは思っているのですね…」
「当たり前じゃない」
三人は見送られて帰って行き、ソアリスとカイルスも宮に戻った。アリルは今日のことで、さらに三人と近くなれたような気がした。
その後、ミリンティーは表向きは変わらなかったが、婚約者が決まらないことも変わらない。周りに婚約者がいない令嬢も、続々と婚約が決まっていき、気付けばいないのはミリンティーだけになっていた。
「お父様、婚約者はまだ決まりませんの?」
「ああ、話をしてはいるんだが…恐れ多いと言われることが多くてね」
「そうなんですの、侯爵家ですから仕方ないことですけど。でもこのままでは、行き遅れなどと言われてしまうわ」
「まあ、それはよくないわぁ」
オイエン侯爵もミリンティーの婚約を決めたいと思っていたのだが、希望が多くて入学前には決まらなかった。その後も探しているが、国内では高位貴族は婚約者がいる者が多く、伯爵家以下になると恐れ多いと、いい返事を貰えない。
ミリンティーはどこに出しても恥ずかしくないとまでは言わないが、気高さはあるが、高位貴族であれば問題とはされない。幼い頃から、礼儀やマナーも教育もきちんと行い、成績も悪くない。
まさか見た目なのかだろうかとも考えた、妻に似たのか、ふくよかではあるが、貴族としてはガリガリに痩せているより悪いことではなく、目を逸らしたくなるほどではないはずだと考えていた。
学園でのことは学園長の判断で、ミリンティーに処罰があったわけではないので、オイエン侯爵家は知らされないままだった。
そして、学年が上がっても婚約者が出来ることはなかった。
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