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ピデム王国に戻ったリベルは、カリル王太子に報告を行った。
「婚約者を大事に想っているそうなので、婚約は難しそうです…」
「そうか、それなら仕方ない。で、なぜそんな疲れた顔をしているのだ?」
「兄上、ルイスの性癖などは、把握していますか?」
「性癖…?」
一体、何の話をしている?息子の性癖まで父親は把握するものなのか?
「はい、私も気付いていませんでしたが」
「何だ?」
「胸ですよ、女性の胸をどうやら見ているそうで」
「まさか、誰かに言われたのか」
言われたという軽いレベルではない、捲し立てられて、罵られたと言っても過言ではない状態だった。
「はい、王女にも、王妃にも言われました。注意すべきだろうと」
「嘘だろ…」
「女性は視線で気付くそうです。確かに不愉快でしょうね、確認をして、今後のためにも注意するべきだと思います」
鼻毛はその都度、確認すれば済む話だが、不快な態度は改めさせるべきだろう。
「そうだな」
「今日のことはなかったことになったので、いい教訓として受け取りましょう」
「ああ…注意しておこう」
カリルも無視は出来ないことではあるが、事実であれば息子になんて話そうかと気が重くなった。まずは周りに聞いてみるしかない。
そして、重たい足取りで宮に帰ったリベル。
「パパ~」
「エミアン、ただいま」
エミアンローズに抱き着かれ、心は温かくなったが、それでもソアリス王妃からの打撃は相当なものだった。
リベルは王子教育は厳しかったが、それ以外は重圧も第二王子であることから、自由に過ごしていた。ララシャを見初めた際も、相手は王太子の婚約者だと咎められはしたが、ララシャでないと駄目だと言えば、話をしてみてくれることにはなり、無事に結婚することも出来た。
怒られることはあっても、あのような言葉をぶつけられたのは、生まれて初めてであった。ララシャのことは納得して貰ったことから、まさかソアリス王妃が辛い目に遭ったとは思っていなかった。
ララシャに縁談は纏まらなかったことは伝えたが、詳しくはエミアンローズが寝てから、婚約者と結婚するだろうこと、今日のことはなかったことになったと伝えると、ララシャは信じられないと言い出した。
「こんな良い縁談を断るなんて、どうかしているわ」
婚約者がおり、良い縁談だと思われていない状態で、言われた様に胸ばかり見ているとしたら、リベルもそうだなとは言えなかった。エミアンローズに同じような相手だったら、いくら王族だとしても断っていたと思う。
言う通り、せめて一人だけを見ていたのならともかく、不特定多数となれば、愛人で一杯になると思われても仕方がない。ルイスは一人ではなく、多数を求めているのかもしれないとすら思った。
「婚約者と上手くいっているようだから、仕方ないよ」
「絶対に後悔することになるわ」
あの様子だと、もし婚約が上手くいかなかったとしても、ルイスへ後悔することはないだろう。
「義母上はソアリス王妃に暴力を振るっていたのか?」
「あれはソアリスが言うことを聞かないからよ。あの子、そんな昔の話をしていたの?幼稚なんだから」
「知っていたのか?」
ララシャがエミアンローズに手を上げているなどとは思わないが、ロアンスラー公爵家では普通となっていたというのか。今さら口を出すことではないが、おかしいと思わざる得ない。
「私は叩かれたことなんてないわよ?」
「可哀想だとは思わなかったのか?」
「あの子は私と違って出来が悪かったから、仕方ないんじゃない?」
「そうなのか?ならば、相当努力をしたのだろうな」
現王妃であるソアリス王妃が今でも出来が悪いというのは、あり得ないだろう。
ララシャを王太子妃の無駄の権化だと言ったが、否定できなかった。皆、王太子妃ではないから、表に出さなければいいと、匙を投げている。
国王夫妻には今後は接し方を変えなくてはならない。
「婚約者を大事に想っているそうなので、婚約は難しそうです…」
「そうか、それなら仕方ない。で、なぜそんな疲れた顔をしているのだ?」
「兄上、ルイスの性癖などは、把握していますか?」
「性癖…?」
一体、何の話をしている?息子の性癖まで父親は把握するものなのか?
「はい、私も気付いていませんでしたが」
「何だ?」
「胸ですよ、女性の胸をどうやら見ているそうで」
「まさか、誰かに言われたのか」
言われたという軽いレベルではない、捲し立てられて、罵られたと言っても過言ではない状態だった。
「はい、王女にも、王妃にも言われました。注意すべきだろうと」
「嘘だろ…」
「女性は視線で気付くそうです。確かに不愉快でしょうね、確認をして、今後のためにも注意するべきだと思います」
鼻毛はその都度、確認すれば済む話だが、不快な態度は改めさせるべきだろう。
「そうだな」
「今日のことはなかったことになったので、いい教訓として受け取りましょう」
「ああ…注意しておこう」
カリルも無視は出来ないことではあるが、事実であれば息子になんて話そうかと気が重くなった。まずは周りに聞いてみるしかない。
そして、重たい足取りで宮に帰ったリベル。
「パパ~」
「エミアン、ただいま」
エミアンローズに抱き着かれ、心は温かくなったが、それでもソアリス王妃からの打撃は相当なものだった。
リベルは王子教育は厳しかったが、それ以外は重圧も第二王子であることから、自由に過ごしていた。ララシャを見初めた際も、相手は王太子の婚約者だと咎められはしたが、ララシャでないと駄目だと言えば、話をしてみてくれることにはなり、無事に結婚することも出来た。
怒られることはあっても、あのような言葉をぶつけられたのは、生まれて初めてであった。ララシャのことは納得して貰ったことから、まさかソアリス王妃が辛い目に遭ったとは思っていなかった。
ララシャに縁談は纏まらなかったことは伝えたが、詳しくはエミアンローズが寝てから、婚約者と結婚するだろうこと、今日のことはなかったことになったと伝えると、ララシャは信じられないと言い出した。
「こんな良い縁談を断るなんて、どうかしているわ」
婚約者がおり、良い縁談だと思われていない状態で、言われた様に胸ばかり見ているとしたら、リベルもそうだなとは言えなかった。エミアンローズに同じような相手だったら、いくら王族だとしても断っていたと思う。
言う通り、せめて一人だけを見ていたのならともかく、不特定多数となれば、愛人で一杯になると思われても仕方がない。ルイスは一人ではなく、多数を求めているのかもしれないとすら思った。
「婚約者と上手くいっているようだから、仕方ないよ」
「絶対に後悔することになるわ」
あの様子だと、もし婚約が上手くいかなかったとしても、ルイスへ後悔することはないだろう。
「義母上はソアリス王妃に暴力を振るっていたのか?」
「あれはソアリスが言うことを聞かないからよ。あの子、そんな昔の話をしていたの?幼稚なんだから」
「知っていたのか?」
ララシャがエミアンローズに手を上げているなどとは思わないが、ロアンスラー公爵家では普通となっていたというのか。今さら口を出すことではないが、おかしいと思わざる得ない。
「私は叩かれたことなんてないわよ?」
「可哀想だとは思わなかったのか?」
「あの子は私と違って出来が悪かったから、仕方ないんじゃない?」
「そうなのか?ならば、相当努力をしたのだろうな」
現王妃であるソアリス王妃が今でも出来が悪いというのは、あり得ないだろう。
ララシャを王太子妃の無駄の権化だと言ったが、否定できなかった。皆、王太子妃ではないから、表に出さなければいいと、匙を投げている。
国王夫妻には今後は接し方を変えなくてはならない。
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