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無作法な縁談2
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「私は婚約者と共に生きたいと思っております」
アリルはルイス殿下が下心満載で、自分を見ていたことに気付いてはいた。だが、虫唾が走っただけで、そもそもルーファと婚約を解消する気など全くない。
「公爵より王家の方がいいではないか」
「公爵家だから嫁ぐ訳ではありません、婚約者の家だから嫁ぐのです」
「ルイスは良き王となるはずだ、支えてやってくれぬか」
「お断りします。婚約者がいなかったとしても、ルイス殿下には正直あまりいい印象は持ちませんでした」
「なぜだ?」
すぐに了承して貰えると思っていた、リベルは驚いていた。
「話をしながら、隙を見てやたらと胸部を覗き込もうとしておりました。しかも私だけではなくです」
ルイスは他の令嬢とも話しながら、同じように胸部を見ていた。
「ふけちゅーふけちゅー」
ソアリスは言わせようとしているのではなく、どうやらソアリスの小声をカイルスが拾って発している。
「っそれは、この国の女性たちが魅力的であったのであろう」
「むりがある~」
カイルスが言葉も上達しているので、高性能過ぎる。ソアリスの小声がダダ漏れだ、しかも当人は何も言ってませんけど?という澄ました顔を崩さない。
リベルも流石に5歳児の言葉に怒鳴りつけることは出来ない。
「リベル殿下、アリルもこう言っていますので、この話は元からなかったことにしましょう」
「いや、ララシャも、アリル王女が嫁ぐことを喜んでいるんだ」
「またララシャ妃ですか…」
「エミアンローズの姉のような存在になって欲しいと思っている」
アリルもきょうだいたちも、リベルとララシャ夫妻が、勝手にルイス殿下の婚約者にして、暮らさせようとしていたことを聞いている。
エクルを自分が産んだようにするつもりだったことも、知っている。了承することはなかっただろうが、エクルはアンセムに似ているので、あり得ない。
その後、夫妻にも子どもが生まれて話はなくなったが、不愉快な存在であることに変わりはない。
姉?私は既にエクルとミフルとカイルスの姉である。会ったこともないが、従妹にはなるだろうが、姉になんてなりたくない。
ソアリスがララシャと会いたくないことも聞いていたが、今日はどうしても援護射撃が欲しかったので、一緒について来て欲しいと頼んだのだ。
もれなくカイルスも付いて来てしまったが、荒んだ心を落ち着かせてくれる存在として、適任である。
「婚約にララシャ妃は関係のない話だ」
「ララシャは一目見た時から、アリル王女を気に入っているのだ。とても穏やかで優しい女性だ」
「その伯母のために嫁げと言っているのですか?」
「いや、そうではないが、他国ともなれば知り合いがいた方がいいだろう?」
「幼い頃に会っただけなのにですか?」
「きっとお互い気に入るはずだよ、顔立ちも似ているんだ」
似ていると言われて、顔が歪みそうになった。母の姉妹なので仕方ないのかもしれないが、何だか嫌な気持ちになった。
そういえば、エクシアーヌ様が、その伯母であるララシャの体重が増えたと言っていたが、太ったままなのだろうか。そんな相手に似ているなんて、毎日運動も欠かしていないのに、馬鹿にしないで欲しい。
「私は両親ときょうだいの近くにもいたいという気持ちがあります、特にカイルスはまだ幼いですから」
カイルスはソアリスの温かさで、眠くなったのか、うとうとしている。
「王妃はどう思う?いい話だとは思わないか」
まさかソアリスに振るとは思わなかったが、アンセムの怒りも今日は相当なものとなっていた。
「ソアリス、正直に言っていい。これは公式な場ではない。そう判断していい」
アリルは父が母に悪い口を開いていいと判断したと察したが、このような展開は初めてである。きょうだいたちに後で、何か言われるだろうなとすら考えていた。
ソアリスはいいの?と、とても喜々とした顔をしており、寝てしまったカイルスはメイドによって部屋に戻された。
アリルはルイス殿下が下心満載で、自分を見ていたことに気付いてはいた。だが、虫唾が走っただけで、そもそもルーファと婚約を解消する気など全くない。
「公爵より王家の方がいいではないか」
「公爵家だから嫁ぐ訳ではありません、婚約者の家だから嫁ぐのです」
「ルイスは良き王となるはずだ、支えてやってくれぬか」
「お断りします。婚約者がいなかったとしても、ルイス殿下には正直あまりいい印象は持ちませんでした」
「なぜだ?」
すぐに了承して貰えると思っていた、リベルは驚いていた。
「話をしながら、隙を見てやたらと胸部を覗き込もうとしておりました。しかも私だけではなくです」
ルイスは他の令嬢とも話しながら、同じように胸部を見ていた。
「ふけちゅーふけちゅー」
ソアリスは言わせようとしているのではなく、どうやらソアリスの小声をカイルスが拾って発している。
「っそれは、この国の女性たちが魅力的であったのであろう」
「むりがある~」
カイルスが言葉も上達しているので、高性能過ぎる。ソアリスの小声がダダ漏れだ、しかも当人は何も言ってませんけど?という澄ました顔を崩さない。
リベルも流石に5歳児の言葉に怒鳴りつけることは出来ない。
「リベル殿下、アリルもこう言っていますので、この話は元からなかったことにしましょう」
「いや、ララシャも、アリル王女が嫁ぐことを喜んでいるんだ」
「またララシャ妃ですか…」
「エミアンローズの姉のような存在になって欲しいと思っている」
アリルもきょうだいたちも、リベルとララシャ夫妻が、勝手にルイス殿下の婚約者にして、暮らさせようとしていたことを聞いている。
エクルを自分が産んだようにするつもりだったことも、知っている。了承することはなかっただろうが、エクルはアンセムに似ているので、あり得ない。
その後、夫妻にも子どもが生まれて話はなくなったが、不愉快な存在であることに変わりはない。
姉?私は既にエクルとミフルとカイルスの姉である。会ったこともないが、従妹にはなるだろうが、姉になんてなりたくない。
ソアリスがララシャと会いたくないことも聞いていたが、今日はどうしても援護射撃が欲しかったので、一緒について来て欲しいと頼んだのだ。
もれなくカイルスも付いて来てしまったが、荒んだ心を落ち着かせてくれる存在として、適任である。
「婚約にララシャ妃は関係のない話だ」
「ララシャは一目見た時から、アリル王女を気に入っているのだ。とても穏やかで優しい女性だ」
「その伯母のために嫁げと言っているのですか?」
「いや、そうではないが、他国ともなれば知り合いがいた方がいいだろう?」
「幼い頃に会っただけなのにですか?」
「きっとお互い気に入るはずだよ、顔立ちも似ているんだ」
似ていると言われて、顔が歪みそうになった。母の姉妹なので仕方ないのかもしれないが、何だか嫌な気持ちになった。
そういえば、エクシアーヌ様が、その伯母であるララシャの体重が増えたと言っていたが、太ったままなのだろうか。そんな相手に似ているなんて、毎日運動も欠かしていないのに、馬鹿にしないで欲しい。
「私は両親ときょうだいの近くにもいたいという気持ちがあります、特にカイルスはまだ幼いですから」
カイルスはソアリスの温かさで、眠くなったのか、うとうとしている。
「王妃はどう思う?いい話だとは思わないか」
まさかソアリスに振るとは思わなかったが、アンセムの怒りも今日は相当なものとなっていた。
「ソアリス、正直に言っていい。これは公式な場ではない。そう判断していい」
アリルは父が母に悪い口を開いていいと判断したと察したが、このような展開は初めてである。きょうだいたちに後で、何か言われるだろうなとすら考えていた。
ソアリスはいいの?と、とても喜々とした顔をしており、寝てしまったカイルスはメイドによって部屋に戻された。
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