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禍害(裏)3
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王子と王女はソアリスに言われた通りに動いた。ユリウスとマイノスは公務や訓練で忙しいことにし、時間のある風を装った王女たちが担当して、案内をする。
アンセムはソアリスにあなただと側妃になるから、可能性は低いけど、念のため男性だから執務室から出るな、しかも書類を押し付けられて、大人しくしていた。
一日目が過ぎ、二日目になっても、何も起きていないと思っていたが、大間違いであった。
「姉が何かしていたのでしょうか」
「マイノスのところへ、きちんと挨拶をしておきたいからと訪ねていた。それだけなら、姉だからいいのだが、近くに寄ろうとしたり、腕を取ろうとしたり、訓練の場に現れて、わざとらしく褒めたりしていたそうだ」
「そんなことを…申し訳ございません」
ユリウスとマイノスはソアリスの侍女が監視をしているので、何か報告があれば、交代をして、ソアリスに報告がいくことになっていた。
「エクシアーヌ王女のせいではない。ただね、ユリウスにも同じようなことをしていたんだ…」
「何てことを…部屋にいるとばかり…婚約者の方にも申し訳が立ちません」
エクシアーヌは勝手に出歩いてはいけないと思い、案内された図書館で宿題をして過ごしていた。時折、王女が来て、少し話をしたくらいであった。
「そこはソアリスの侍女が、鉄壁で守っていたから、問題ない。ユリウスの婚約者にも説明をしている」
「母の侍女は皆、既に結婚して、子どももいる夫人たちなんだが、シシリーヌ王女が女性を側に置くのは、今後のためにもどうかと思いますとまで言いだしてね」
「申し訳ございません!」
「私たちも子どもの頃から知り合いなんだ。親しくて当たり前。懸想なんてしたら、私の方が母上に尻を出せと言われかねない」
「絶対、言われるな。しかも、夫人の前で叩くだろう」
息子を辱めるなんて、ソアリスの大好物だろう。
「マイノスならともかく、私は関係ないのに、まるで自分が婚約者になったような口振りだろう?ああ、これは母上の勘が当たっているのだと実感したよ」
妹の婚約者の兄という範疇を超えたと思った。
「おそらく、それもお母様の狙いでしょうね。あの手の方は老婆でもない限り、側に女性がいることを嫌がる。ある意味、頭と下半身が直結しているから、男女というだけで疑いの目を向ける」
「アリル!」
「お母様が言っていたのです」
「そうだろうな、普段はずっと側に置くことはないんだが、今回はソアリスが監視のために配置していた。不安にさせるようなことがあったら、申し訳なかった。エクシアーヌ王女ももう謝らなくていい」
「ありがとうございます」
そして、マイノスがエクシアーヌに向かって、改めて頭を下げた。
「時間が取れなくてすまなかった」
「いいえ、それはこちらの台詞です」
「母上が動く分、カイルスの相手が出来ない。だから、カイルスの体力を削ぐために、相手をしなければならなくてね」
「体力を削いで、昼寝させて、体力を削いで、早めに寝させるのが目的でしてね。放って置くとお母様を探しに行ってしまうから」
「一人だと飽きてしまうから、皆が代わる代わる相手をしていてね」
カイルスの目を逸らすために遊び続け、ご褒美として、食事中はソアリスに甲斐甲斐しく世話をして貰っていたのだ。
「それで眠そうだったんですね」
「いつもは自分で食べなさいと言われるのに、遊び疲れて、お母様が食べさせてくれるなんて、カイルスにとっては幸せでしかないのです。それでお風呂に入れば、そのまま眠る予定だったんですけど…」
トイレで目が覚めてしまい、ソアリスがいないことで泣き出してしまったのだ。
「あとは両陛下に全て包み隠さず報告をさせて貰う。迎えは既に待機されている状態なんだ」
「はい、ありがとうございます」
明日にはシシリーヌだけが帰国することになり、エクシアーヌはようやく肩の荷が下りた。
再び、ドアがノックされ、先程のメイドが入って来た。
「どうした?何かあったのか?」
アンセムはソアリスにあなただと側妃になるから、可能性は低いけど、念のため男性だから執務室から出るな、しかも書類を押し付けられて、大人しくしていた。
一日目が過ぎ、二日目になっても、何も起きていないと思っていたが、大間違いであった。
「姉が何かしていたのでしょうか」
「マイノスのところへ、きちんと挨拶をしておきたいからと訪ねていた。それだけなら、姉だからいいのだが、近くに寄ろうとしたり、腕を取ろうとしたり、訓練の場に現れて、わざとらしく褒めたりしていたそうだ」
「そんなことを…申し訳ございません」
ユリウスとマイノスはソアリスの侍女が監視をしているので、何か報告があれば、交代をして、ソアリスに報告がいくことになっていた。
「エクシアーヌ王女のせいではない。ただね、ユリウスにも同じようなことをしていたんだ…」
「何てことを…部屋にいるとばかり…婚約者の方にも申し訳が立ちません」
エクシアーヌは勝手に出歩いてはいけないと思い、案内された図書館で宿題をして過ごしていた。時折、王女が来て、少し話をしたくらいであった。
「そこはソアリスの侍女が、鉄壁で守っていたから、問題ない。ユリウスの婚約者にも説明をしている」
「母の侍女は皆、既に結婚して、子どももいる夫人たちなんだが、シシリーヌ王女が女性を側に置くのは、今後のためにもどうかと思いますとまで言いだしてね」
「申し訳ございません!」
「私たちも子どもの頃から知り合いなんだ。親しくて当たり前。懸想なんてしたら、私の方が母上に尻を出せと言われかねない」
「絶対、言われるな。しかも、夫人の前で叩くだろう」
息子を辱めるなんて、ソアリスの大好物だろう。
「マイノスならともかく、私は関係ないのに、まるで自分が婚約者になったような口振りだろう?ああ、これは母上の勘が当たっているのだと実感したよ」
妹の婚約者の兄という範疇を超えたと思った。
「おそらく、それもお母様の狙いでしょうね。あの手の方は老婆でもない限り、側に女性がいることを嫌がる。ある意味、頭と下半身が直結しているから、男女というだけで疑いの目を向ける」
「アリル!」
「お母様が言っていたのです」
「そうだろうな、普段はずっと側に置くことはないんだが、今回はソアリスが監視のために配置していた。不安にさせるようなことがあったら、申し訳なかった。エクシアーヌ王女ももう謝らなくていい」
「ありがとうございます」
そして、マイノスがエクシアーヌに向かって、改めて頭を下げた。
「時間が取れなくてすまなかった」
「いいえ、それはこちらの台詞です」
「母上が動く分、カイルスの相手が出来ない。だから、カイルスの体力を削ぐために、相手をしなければならなくてね」
「体力を削いで、昼寝させて、体力を削いで、早めに寝させるのが目的でしてね。放って置くとお母様を探しに行ってしまうから」
「一人だと飽きてしまうから、皆が代わる代わる相手をしていてね」
カイルスの目を逸らすために遊び続け、ご褒美として、食事中はソアリスに甲斐甲斐しく世話をして貰っていたのだ。
「それで眠そうだったんですね」
「いつもは自分で食べなさいと言われるのに、遊び疲れて、お母様が食べさせてくれるなんて、カイルスにとっては幸せでしかないのです。それでお風呂に入れば、そのまま眠る予定だったんですけど…」
トイレで目が覚めてしまい、ソアリスがいないことで泣き出してしまったのだ。
「あとは両陛下に全て包み隠さず報告をさせて貰う。迎えは既に待機されている状態なんだ」
「はい、ありがとうございます」
明日にはシシリーヌだけが帰国することになり、エクシアーヌはようやく肩の荷が下りた。
再び、ドアがノックされ、先程のメイドが入って来た。
「どうした?何かあったのか?」
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